
知られざる魅力が満載!オフシーズンだからこそ楽しめる久米島の旅
沖縄のベストシーズンといえば6月〜9月の海水浴シーズンですが、実はそれ以外のオフシーズンも魅力的です。特に那覇空港から飛行機で約35分の久米島は、オフシーズンだからこそ楽しめるポイントがたくさんあります。今回は久米島に何度も訪れているトラベルライターの土庄が、その素晴らしさを詳しくご紹介します。
外出が億劫になる冬。しかし12月〜2月の冬真っ只中でも、久米島の気温は20度前後と過ごしやすい気候となっています。天気が良いポカポカ陽気には、室内の方が寒いと感じることもあるほど。半袖で過ごせるくらい涼しく、雪国とは対照的な気候。足だけであれば海に入っても寒くありません。避暑ならぬ避寒の旅行先としておすすめです。中には冬でもダイビングがしたいという理由で、久米島を訪れる方もいます。



オンシーズンとオフシーズンでは、飛行機の運賃は雲泥の差になります。オフシーズンには運賃がオンシーズンの半額ほどになることも珍しくありません。さらに、オフシーズンには全国の空港から那覇空港までのフライトもリーズナブルとなり、交通費を大幅に節約できます。夏は那覇までアクセスする運賃で、冬なら久米島まで飛ぶことができるのです。数日滞在してのんびり過ごすなんて滞在も、コロナ後に働き方の選択肢が増えている今、おすすめの楽しみ方となっています。
「球美(くみ)の島」として知られる久米島は、その美しい風景で訪れる人々を魅了します。オフシーズンに訪れれば、この絶景を独り占めすることができます。例えば、島の中心部に広がる「イーフビーチ」は、透き通ったソーダブルーの海と白砂のコントラストがまるで絵画のようです。波の音に耳を傾け、穏やかな風が吹くビーチで深呼吸をすると、日常の疲れや悩みが些細なことに思えてくるかもしれません。久米島の風景には、そんな包容力があります。また、海辺だけでなく展望スポットも訪れてみてください。「比屋定(ひやじょう)バンタ」では、荒々しい崖の先に、東洋一美しいと言われる無人島・ハテの浜が続く風景が広がります。そのスケール感に思わず感嘆の声が漏れるでしょう。そして私のイチオシは「登武那覇(とんなは)園地」です。ここからは、島の田園風景から奥武(おう)島、ハテの浜まで久米島東部の美しいパノラマを一望できますよ。地元の子供連れで賑わう園地の活気ある雰囲気にもホッと癒されます。朝日から日没まで、島の景色が劇的に移り変わっていくのも魅力です。久米島を一周する道路(県道89号線)も30kmほどとコンパクトな島なので、ゆっくり回っても絶景スポットを1日でコンプリートできますよ。







久米島の魅力の一つは、現地で楽しめる多彩なプログラムが充実していることです。久米島の歴史や文化に触れつつ、地元の方々との交流も楽しむことができ、まさに一石二鳥の体験が待っています。例えば、久米島の伝統工芸品である久米島紬の製造と継承のための後継者育成を行う久米島紬事業協同組合が運営する「ユイマール館」では、久米島紬(くめじまつむぎ)の織り染め体験ができます。一つひとつ自分の手で織りながら、久米島の伝統工芸に没頭する時間は格別です。染め体験では、どんな色や風合いになるかは広げてみるまで分からないという楽しさもあります。また島の自然の中で行うヨガもおすすめです。裸足になって朝ヨガを楽しむこともできますよ。プログラムを提供している方々には、島を愛する地元の人々や久米島の魅力に惹かれて移住してきた方も多くいらっしゃいます。彼らとの会話で、さまざまな興味深い話を聞けるほか、久米島のユニークな島人を紹介してもらえることもあり、思いがけない出会いが待っているかもしれません。また、オフシーズンの沖縄地方は曇りがちな日が増えますが、久米島では天気が悪くても楽しめるプログラムが豊富です。事前にこれらを計画に組み込んでおけば、天候に左右されずに旅を満喫できますよ。現地での体験をメインにしつつ、晴れ間が見えたら島の絶景を巡るプランもおすすめです。
旅の醍醐味のひとつは、その場所でしか味わえないグルメを堪能することではないでしょうか。久米島では、栄養豊富な海洋深層水をはじめ、伝統調味料の味噌や全国的に有名な泡盛など、基本となる食材から、久米島赤鶏、車海老、島もずく、海ぶどう、紅芋、島産の新鮮な野菜など、多彩な食材が揃っています。それらを組み合わせて、唯一無二のグルメを提供するお店が数多くあります。私のおすすめは、やん小~(ぐゎ~)の「ピリ辛味噌もやしそば」です。味噌の力強い風味を豆乳でまろやかにし、香ばしいラー油が絶妙にマッチしています。シャキシャキとした伝統野菜の惣慶もやしと、海洋深層水を練り込んだ食べ応えのある麺の相性も抜群で、気づけばスープを飲み干してしまうほどの至高の一杯です。また、久米島ならではの食材をふんだんに使ったピザ巡りも楽しいです。特に、海に面した素晴らしいロケーションにあるBACKSHORELANCHでは、モチモチの生地の上に具材がたっぷり乗ったぜいたくなピザが楽しめます。久米島の名産である車海老を使ったピザ「ガーリックシュリンプ」や、定番の「デラックスピザ」などがおすすめです。お店のテラスに出ても寒さを感じず、美しい海を眺めながら癒される時間は、冬では貴重なひとときではないでしょうか。







久米島では家出旅をおすすめしています。家出旅とは「家を出た時よりも、おっきな笑顔で戻る旅」のこと。手つかずの自然が残る美しさと、実家よりもあったかい、そんな島人のいる島を満喫してほしいという思いから、久米島町観光協会で企画したものです。日常から思い切って一人で旅に出てみて、島の人とふれあうことで、日頃の悩みや疲れが吹き飛んでしまう!そんなエネルギーやパワーを久米島からもらえるはず。美しい風景はもちろんですが、久米島の魅力の源泉は「人」。久米島を旅する時には、久米島町観光協会に問い合わせておくと良いでしょう。