全国の離島には、それぞれの風と土が育てた文化がある。そんな島々の個性や自然の恵みを活かした多彩なスパイス&調味料には、島の暮らしと人々の知恵が息づく。ミネラル豊富な海塩や島柑橘を使った爽やかな薬味、海藻や発酵の力を引き出した旨味の塩など、個性豊かな逸品が揃う。味わいを通して島の風土に触れながら、おうちで離島を巡るように楽しめる商品をご紹介。全国で出会う島の味スパイス&調味料で旅気分

島を味わい未来へつなぐ

離島ならではの風土や自然の恵みを調味料に込めて、食卓へ。島で加工や製造を担う人たちには、フードロスの削減を通じて自然を守り、島と人、島と島をつなぐサステナブルな想いがある。大きな支援でなくても、島の味を選ぶことが未来を支える一歩に。フードロスへの貢献や、島固有の恵みを活かした調味料づくりをのぞいてみよう。

Story01
サスティナブル

摘果した青たんかんを
無駄にせずに商品化
畑ごとの収益もアップ

果実の栽培工程で一部を意図的に摘み取る摘果作業。果実を大きく高品質に育てるために必要な作業だが、青いうちに摘み取る量は少なくない。それは、屋久島のたんかん栽培でも同様で、香りの良い小さく青い実は、畑の肥料になるだけというのが通常だった。この

摘果した青たんかんを使って商品化ができれば、たんかん畑からの収益も増え、農家全体にとってもいい刺激になるのではないか。そう考えて、青たんかんの商品化をスタート。果汁が増えるまで時期を遅らせて摘果した青タンカンを使用するなど試行錯誤を繰り返した商品は、資源を無駄にせずに収益も上げられるサスティナブルな逸品として注目されている。

果実の栽培工程で一部を意図的に摘み取る摘果作業。果実を大きく高品質に育てるために必要な作業だが、青いうちに摘み取る量は少なくない。それは、屋久島のたんかん栽培でも同様で、香りの良い小さく青い実は、畑の肥料になるだけというのが通常だった。この摘果した青たんかんを使って商品化ができれば、たんかん畑からの収益も増え、農家全体にとってもいい刺激になるのではないか。そう考えて、青たんかんの商品化をスタート。果汁が増えるまで時期を遅らせて摘果した青タンカンを使用するなど試行錯誤を繰り返した商品は、資源を無駄にせずに収益も上げられるサスティナブルな逸品として注目されている。

自社農園で栽培されたタンカンを用いたお菓子を製造販売している「やくしま果鈴」。以前にアルバイトでタンカンの摘果作業を手伝ったオーナーが、摘果量の多さに驚いたことがきっかけとなり商品化のアイデアが生まれた。

果汁が増えるまで
あえて摘果時期をずらす
試行錯誤が生んだ逸品

「青切り塩たんかんHOT」をベースにコリアンダーやクミン等のスパイスとニンニクの風味が食欲をそそる「屋久島スパイス【Green】」。爽やかでスパイシーな美味しさはお肉やスープと相性抜群。

摘果した青たんかんを細かくカットし、そこに屋久島の北西部、永田地区で作られている塩「永田の塩 えん」を混ぜて出来上がったのが「青切り塩たんかん」。化学調味料や保存料などの添加物を一切加えていないシンプルな調味料は、料理の隠し味などで活躍。

Story02
フードロス

小笠原の自然が生んだ
南の楽園に実る辛味
硫黄島唐辛子を活かして

東京都心から約1000km離れた小笠原諸島。世界自然遺産にも登録されるこの地では、手つかずの自然と豊かな生態系が今も息づいている。そんな小笠原の風土が育てた「硫黄島唐辛子」は、世界でもここ硫黄島にのみ自生する希少な野生種。小粒ながらも鋭い辛味を持ち、別名〝世界一辛い唐辛子〟とも称される。

この唐辛子に、ウコンやアロエ、花山椒など身体を温める薬膳素材を組み合わせて誕生したのが「薬膳島辣油」。灼熱の島で一粒一粒を丁寧に育て、小笠原フルーツガーデンが長年培った知恵と手仕事で生み出す逸品だ。南の島の太陽と風をそのまま瓶に閉じ込めたような味わいが、多くのファンを惹きつけている。

東京都心から約1000km離れた小笠原諸島。世界自然遺産にも登録されるこの地では、手つかずの自然と豊かな生態系が今も息づいている。そんな小笠原の風土が育てた「硫黄島唐辛子」は、世界でもここ硫黄島にのみ自生する希少な野生種。小粒ながらも鋭い辛味を持ち、別名〝世界一辛い唐辛子〟とも称される。
この唐辛子に、ウコンやアロエ、花山椒など身体を温める薬膳素材を組み合わせて誕生したのが「薬膳島辣油」。灼熱の島で一粒一粒を丁寧に育て、小笠原フルーツガーデンが長年培った知恵と手仕事で生み出す逸品だ。南の島の太陽と風をそのまま瓶に閉じ込めたような味わいが、多くのファンを惹きつけている。

島の恵みをかたちに
未来を紡ぐものづくり
自然とともに歩む島

「こんな個性的なラー油は初めて!」と評判が評判を呼び、大手通販サイトでランキング1位を獲得。島内外のテレビや雑誌でも多数取り上げられ、観光客はもちろんリピーターも多い人気商品に。小笠原を代表する土産として、今なお多くの人に愛され続けている。

代表の永井正衛さんは病をきっかけに、身体を芯から温めることの大切さを実感し、薬膳島辣油の開発に注力した。ラベルに刻まれた“医食同源”には、食を通じて健康を届けたいという想いが込められている。

「こんな個性的なラー油は初めて!」と評判が評判を呼び、大手通販サイトでランキング1位を獲得。島内外のテレビや雑誌でも多数取り上げられ、観光客はもちろんリピーターも多い人気商品に。小笠原を代表する土産として、今なお多くの人に愛され続けている。

薬膳島辣油と並ぶ看板商品「島塩」は、独自の登窯製法で丁寧に手作りされ、第53回農林水産大臣賞を受賞した小笠原の名品。ラー油や塩づくりを通して若い世代の雇用を生み、島の産業として育てながら、豊かな自然とともに、小笠原の魅力を日本全国へ広げていく。

薬膳島辣油と並ぶ看板商品「島塩」は、独自の登窯製法で丁寧に手作りされ、第53回農林水産大臣賞を受賞した小笠原の名品。ラー油や塩づくりを通して若い世代の雇用を生み、島の産業として育てながら、豊かな自然とともに、小笠原の魅力を日本全国へ広げていく。

北海道奥尻島 奥尻ワイナリー 潮の香りを感じる爽やかなワイン

崎県・対馬で「獣害から獣財へ」を掲げ、人と野生動物が共存できる島づくりを進める一般社団法人dai dai。新鮮なジビエをより美味しく味わえるようにと誕生した「対馬スパイス」は、島の豊かな自然を活かした調味料だ。対馬産の塩をベースに、コリアンダーやローズマリーなどのハーブ、昆布粉やしいたけ粉をブレンド。肉や魚、野菜に振りかけるだけで、深みある旨味と爽やかな香りが広がり、自然と対馬の森・海・大地を感じさせる。島の自然と人をつなぐ、新たな味の提案がここにある。

対馬スパイスセット

4,000円

対馬産の塩をベースに、本格スパイスとハーブを組み合わせた4種のブレンド。BOAR・DEERは肉料理に、FISH & VEGETABLESは魚や天ぷらに、CURRY POWDERはいつものカレーを香り立つ一皿へと変える。

獣害から獣財へ
循環が生む共生
人と野生をつなぐ

東京都父島 USK Coffee 島のおやつとして人気の実を使ったバター

島で栽培から製造までを一貫して行う小笠原フルーツガーデン。潮風と強い日差しの中で育つ小粒の島唐辛子は、ハバネロの約4倍の辛さを持ちながら、キレが良く後を引かない爽やかな香りが特徴だ。その唐辛子にウコン・アロエ・クコの実などの薬膳素材を組み合わせた「薬膳島辣油」は、ひと匙で料理に深みを与え、身体を内側から温めてくれる。「島の素材を島の手で活かす」をモットーに、島の人々が手づくりで仕上げた一瓶。太陽と風のエネルギーを閉じ込め、食卓にひと匙の元気を届ける。

小笠原特産 島唐辛子使用
薬膳島辣油

980円

潮風と太陽に育まれた島唐辛子に、ウコン・アロエ・クコの実を合わせた食べるラー油。辛味の奥に重なる旨味が特徴で、ごはん・冷奴はもちろん、パスタ・ピザ・チャーハンなど、ひと匙で味が深まる万能調味料。

一度食べると
やみつきに!
太陽香る辣油

兵庫県淡路島 フレッシュグループ淡路島 若手農園グループがカラフル野菜をお届け

久島のいいもの、いいひと、いい時間。をコンセプトにこだわりの商品を取り扱うお土産店「ぷかり堂」。種子島やトカラ列島など近隣の離島と連携し、島産島消をテーマにコラボ商品を開発するSANROKUプロジェクトも展開していて、名産であるトビウオを使った濃厚なバーニャカウダソース「トビーニャカウダ」がおすすめ。ほぐし身のような状態なので、そのまま食べてもOKで、オリーブオイルを加えて新鮮な野菜にのせたり、パスタソースや料理の出汁としても利用可能。水揚げ量日本一を誇る甑島のきびなごを使用した兄弟商品「キビーニャカウダ」もある。

トビーニャカウダ

1,782円

屋久島近海で獲れたトビウオと屋久島で無農薬栽培された香り高いニンニクで作ったバーニャカウダソース。添加物は一切使わず、ひとつひとつ手作りしていて、豊かな香りがトビウオの旨味とマッチ!

具だくさんだから、
お酒のアテにも
ピッタリ!

香川県小豆島 石井製麺所 家族で受け継いできた伝統麺に新しい風を

を通じて健康や地域課題の解決に挑むやえやまファーム。「人を良くする。人から良くする。」を理念に、島の恵みを無駄なく活かした循環型農業に取り組んでいる。石垣島で育てた島唐辛子などを、麹の力でじっくり熟成させた「石垣島スパイス 熟成島唐辛子 唐辛子スコソース」は、辛さの中に深い旨味と香りが重なる逸品。粗挽き一味やペーストタイプ、泡盛仕込みなど多彩な展開も魅力だ。南国の太陽と潮風に育まれた唐辛子の力強さと、麹が織りなすまろやかな辛味が、食卓に島の息吹とぬくもりを運んでくれる。

石垣島スパイス
熟成島唐辛子
唐辛子スコソース

980円

一般的に鷹の爪の2倍辛いと言われている島唐辛子を麹で熟成し、石垣の塩やシークワーサー果皮、玄米黒酢を加えたスコソース。爽やかな酸味と深い旨味、上品な辛味が特徴で、肉料理やパスタなど幅広く使える。

麹仕込みの島唐味
ひと振りで島を感じる
上質な辛味

島根県中ノ島 海士物産(海士店) 食卓を美味しく支える万能調味料を次世代に

大分県の一番南に位置する深島の各家庭で、古くから受け継がれてきた麦みそ。そんな島に代々伝わってきた伝統の味噌を、1995年に島の婦人部が「深島みそ」として商品化。人口11人となった現在でも、島の想いを絶やさないように作り続けている。かまどを用いた伝統的な製法で手作業によって作られた味噌は、ほんのり潮の香りがするようなやさしい甘さが特徴。味噌汁はもちろん、みそ炒めやみそ煮、酢みそなど、何にでも使える万能調味料。海の幸との相性も抜群!

深島みそ
[280g] 684円 
[680g] 1,188円

かまどを使って手作りで作る、麦麹たっぷりの白い麦みそは、無添加でやさしい味わい。通常の深島みそのほか、香り豊かで濃く深い「長期熟成深島みそ」、だし入りみそなどの商品展開も要チェック!

島のおばあから
受け継いだ
島のたからもの

福岡県小呂島 福岡市漁業協同組合小呂島支所 若手漁師や島のお母さんみんなで作ったふりかけ

機的栽培を30年以上行っていたタンカン畑を引継ぎ、自社農園で栽培されたタンカンを用いた2種の屋久島スパイス。Greenは、栽培の工程で摘果した青たんかんを屋久島永田の塩で発酵させて作った「青切り塩たんかん」をベースに、コリアンダーやクミン等のスパイスとニンニクの風味を加えたスパイスで、爽やかでスパイシーな美味しさがお肉やスープと相性抜群。Redは、ドライたんかんと一味や山椒、ゴマなどの和風七味をベースに、ほんのりとバジルやアオサの香り広がる屋久島風味の美味しい七味。お好みで選んでみて!

屋久島スパイス 1個

540円

化学調味料や保存料などの添加物を一切加えず、一品一品手作りしたスパイス。可愛らしいパッケージも人気で、お肉やスープと相性の良いGreenと和風のおかずにもよく合うRedの2種類ご用意。

調味料選手権2024
特別賞受賞

高知県沖の島 土佐沖の島塩業 島の美しい海水から誕生した天日塩

蔵島の冬の名物柑橘「かぶつ」(ダイダイ)。実が熟しても木から落ちず、次の世代とともに残ることから、子孫繁栄の縁起物としてお正月飾りに供えられる。この「かぶつ」と赤唐辛子を合わせた「御蔵島かぶつ胡椒」は、御蔵島村農業協同組合がOEM製造を委託し、ふくまる商店が販売。「かぶつ」皮の爽やかな香りと赤唐辛子のキレのある辛味が調和し、日々の料理を引き締める。毎年、かぶつ収穫後の一回のみ製造され、年内に販売が終了。賞味期限は翌年4月までと、島の季節や文化をひと匙に凝縮した逸品。

御蔵島かぶつ胡椒[80g]

1,250円(送料込)

柑橘「かぶつ」の皮と赤唐辛子をペースト状に仕上げた調味料。爽やかな酸味と鋭い辛味が特長で、鍋物やうどんはもちろん、マヨネーズにもよく合う。お好み焼きに合わせると、ソースの味が引き締まるとの声も。

御蔵島の縁起物
島柑橘を辛味に
年一製造の希少調味料

長崎県福江島 菓子工房courir カラオケ店から話題に白い鬼岳プリン

内で流通している胡麻の99%以上は輸入品で、国産胡麻は1%以下。その中でも喜界島は、日本一の白胡麻の産地として知られ、香りの高さが特徴的。そんな希少な喜界島産白ごまを100%使用した白胡麻油は、昔ながらの玉搾り方式の原理に基づいた圧搾法で熱をかけずに搾っており、優しい香りとやわらかな甘みが他の胡麻油と全然違うと評判になっている。直接お料理にかけて風味づけとしてはもちろん、納豆やお豆腐、煮物や佃煮などの和食とも相性抜群。白胡麻油をアイスにかけてみると、ガラッと味の印象が変わるのでおすすめの食べ方!

喜界島産 白胡麻油 [45g]

2,571円

香りの良さに定評のある喜界島の白胡麻を100%使用しているので、料理の風味を引き立て、料理全体を格上げする甘みと芳醇な香りが楽しめる。納豆にかけると、豆が何倍にも甘くなるんです!

胡麻油の概念を
覆す魔法の油

沖縄県久米島 YUNAMI FACTORY ころっとした見た目がかわいい紅芋スイーツ

岐の島オンラインは、「隠岐の島がみんなをつなぐ、島の幸で人々をむすぶ」を掲げ、島の恵みを活かした商品づくりを通じて、人と人、地域と地域をつないでいる。特産の藻塩から着想を得た「わかめ昆布塩 KURO」は、一般的に廃棄されてしまう養殖場漂着のアラメを再利用したもの。アラメを持ち帰るだけでなく、原料として活用することで、天然資源の保全や養殖場の清掃、廃棄物削減にも寄与している。今後も稲作や、漁業者向け産業機器の開発などを通じ、一次産業を軸にした新たな挑戦が期待される。

わかめ昆布塩 KURO
[300g]

1,480円

海藻の恵みを凝縮した“漆黒の塩”。隠岐の島産の海塩にアラメやワカメ、昆布をブレンドし、重層的な旨味とほのかな甘みが特徴。塩おにぎりや天ぷら、刺身のほか、肉や魚の下味にも使える万能な調味塩。

海の循環を感じる塩
再生が生む旨味
未来へつなぐ一粒

INTERVIEW

株式会社アイランドコーポレーション
荒木 政孝/荒木 真理

島産島消を目指した
“共創”商品で島々をつなぐ

もともと東京の旅行会社に勤めていて、九州や沖縄方面のツアーの企画を担当していたことから、仕事を通じて初めて屋久島に足を運びました。山の深い緑や海の青、そしてその自然の中で息づく人々の暮らしと文化の調和に強く惹かれ、何度も通ううちに島との関係が生まれていきました。退職後は「旅行者を送る側ではなく、受け入れる側をやってみたい」という想いが芽生え、ちょうど屋久島の会社から声をかけていただいたことをきっかけに、島への移住を決意しました。
移住から1年半後、私たちは屋久島に自分たちの店「ぷかり堂」を立ち上げました。自宅の敷地に建てた3坪ほどの小さな小屋からのスタートでしたが、「自分たちが屋久島で暮らす中で、大切な人に胸を張って贈ることができるギフトが欲しい」という思いだけは強くありました。そこで「自分が友人に贈って誇れるもの」「この島に暮らしていることを誇りに思えるもの」を基準に、屋久島産や島内事業者の手によって作られた商品だけを厳選。屋久島の素材・想い・デザインがきちんと詰まったものだけを扱うことを決めました。

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離島の味わいを食卓へ

離島独自の調味料を購入して
美味しく、サスティナブルに貢献して

離島には、その土地ならではの素材を活かした独自の調味料がたくさんあります。そんな離島産のスパイス&調味料を多くの人に知ってもらいたいという想いで、SHIMA-Omoiが9つの調味料を厳選。製造工程やコンセプトがサスティナブルな商品のほか、国産として希少な喜界島の胡麻や小笠原の自然が生んだ硫黄島唐辛子など、その離島でしか栽培されていない素材を活用したものなど、味わい豊かでユニークなラインナップが揃いました。スパイス、ラー油、味噌、胡椒、塩、胡麻油とバリエーションも豊富なので、気になる調味料をオンラインショップで購入していただき、食卓で離島の味わいを楽しんでみてください。島スパイス&調味料を購入することで離島の活性化にも繋がりますので、美味しく、サスティナブルに貢献しよう!

取材協力