屋久杉や多種類の苔など
人々を魅了する屋久島の森
SHIMA INFORMATION
九州・沖縄エリア/ 鹿児島県
屋久島 やくしま
- 面積
- 約504㎢
- 人口
- 約12,000人
- 観光スポット
- 縄文杉、白谷雲水峡
- 特産
- トビウオ、ぽんかん、タンカン、焼酎、屋久杉工芸品
- アクセス
-
①鹿児島空港から飛行機で約35分、屋久島空港へ
②鹿児島中央駅からバスで約20分、鹿児島港高速船ターミナルで下車。鹿児島港高速船ターミナルから定期便で約2時間15分
屋久島 yakushima
屋久島最大級の縄文杉や杉の原生林を鑑賞
虹や光の輪などの光景に遭遇するチャンスも
鹿児島佐多岬から60km、鹿児島市から南へ130kmの位置にあり、鹿児島空港から約35分のフライトで行くことができる有人離島です。南風が九州最高峰の山々にぶつかることで豊富な雨をもたらし、雨は島独特の植物や風景を作り出します。虹が多い島として知られていますが、虹以外にも太陽の周りの光の輪などの大気の光学現象を見ることができます。2,000m級の山が雲をさえぎり、島のエリアごとに違う天気を作り出します。洋上のアルプスと呼ばれており、冬季の山間部では積雪があり、海岸付近ではひまわりが咲いているなど多様な風景を短期間に感じることができます。屋久島は1993年世界自然遺産に登録され、樹齢1,000年を超える屋久杉が生える原始の森があります。樹齢100年の若い屋久杉は小杉と呼ばれ区別されています。樹齢推定3,000年以上といわれる屋久島最大級の縄文杉のほかにも、国内ではほとんど消滅してしまった杉の原生林を鑑賞できます。比較的簡単に屋久杉を含む森林を観察できるエリアが「屋久杉ランド」と「白谷雲水峡」。白谷雲水峡は、屋久杉を含む照葉樹天然林と一面を覆うフワフワの地衣蘇苔植物を見ることができます。白谷川の清流と巨石の渓谷の景観が訪れる人々を幻想的な世界へ誘います。島には多くの滝があり、日本の滝百選に選ばれている落差88mの大川の滝や花崗岩の岩盤に面している千尋の滝、海に直接落ちるトローキの滝などは代表的な人気スポットです。また屋久島の海はサンゴ礁と岩場が混在する海で、日本一魚種の多い海といわれており、多くのダイバーを魅了するスポット。永田のいなか浜は、ウミガメの産卵地と知られています。
山岳信仰や言い伝えが残る島
ほぼ100%自然エネルギーを利用した発電
屋久島は753年、唐の時代の僧侶鑑真が到着した地として知られています。1543年の鉄砲伝来の翌年には、鉄砲が屋久島で初めて実戦使用されたといわれています。1582〜1598年まで行われた太閤検地で島津藩の直轄の島となりました。そのとき、大きな屋久杉を豊臣秀吉に献上したといわれています。また、屋久島には山岳信仰や山に関する言い伝えが多く残っており、各集落が山に祈願や感謝を込めてお参りする岳参りの風習があります。山で髪の長い美しい山姫に出会い、山姫につられて笑ってしまうと血を吸われて二度と帰れなくなるという「山姫伝説」という民話は有名です。ほかにも「山ん神の日」には、山で神さまが遊ぶ日のため、山に入っては行けないといわれています。近年では、自然エネルギーにおける発電が進んでいます。島のほぼ100%の電力が自然エネルギーでまかなわれており、発送電分離実現の地域としても有名。また、美しい自然と歴史を残すために屋久島憲章が制定されています。島の特産物としては、トビウオやサバが有名。温かい気候でありながら、冬季には山から風が吹きおろすおかげで甘みが増すタンカンやポンカンなどの柑橘類も栽培されてます。ほかにも、ウコン、名水100選の宮之浦岳流水、豊富な水を利用した焼酎づくりやサバ節などの加工品、日本で屈指の早摘み緑茶や和紅茶、パッションフルーツなどその種類は豊富。最近ではニンニクの新ブランド梨玖(りきゅう)などが話題になっています。また、屋久杉や屋久島地杉などの工芸品も特産物として人気があります。
ガイド付きのエコツアーやトレッキングが豊富
透き通った川でのリバーカヤックや体験ダイビングも
屋久島は、レンタバイクやレンタサイクル、レンタカーも利用ができます。自然を満喫できるようなさまざまな体験コースも豊富にあります。トレッキングやダイビング、透き通った川を楽しめるリバーカヤックやSUP、スノーケリング、トレッキングツアーなどは幅広い世代に人気。ガイド付きのエコツアーや体験ダイビングなど、初心者でも楽しめるコースもあります。黒味岳のトレッキングは、淀川登山口から淀川を通り抜け、森、湿原、山の尾根をいくと360度のパノラマの展望を楽しめます。樹齢3,000年の紀元杉や荒川地区自然休養林ヤクスギランドの散策では、迫力のある屋久杉を間近に見ることができます。島の南部には天然温泉が数か所あり干潮時にしか入れない平内海中温泉や、源泉が真下から湧く尾之間温泉、島の北部に有る明治期に建築された永田灯台からの眺めは美しく、一見の価値があります。また、島では1年を通してさまざまなイベントが開催されています。御神山祭りは山の神に感謝する夏の祭り。花火や神事がある10月には自然への感謝を込めた、音楽祭、屋久島森まつりが行われます。11月には安房川河口での幻想的な灯篭の屋久島夢まつり、1月には島を一周するエコマラニック、2月には自転車で白谷雲水峡までのヒルクライム、自然を感じながら自転車島を一周するサイクリング屋久島などのイベントが実施されます。
ヤク鹿ヤク猿など島の野生動物が生息
ウミガメの産卵を観察できる浜辺も
屋久島は海の幸が豊富で、中でも地元名物であるトビウオを使った料理では姿揚げや、すり身、ラーメンなどは絶品。獲ってすぐしめて新鮮さを味わえる首折れサバ、自然のジビエ料理なども堪能できます。また地元には2つの酒造会社があり、屋久島の焼酎は、味と品質の評価が高く全国的にも有名です。ヤクトロといわれる山芋、蜜芋、珍しい南国フルーツなどの特産品も人気。ただ、飲食店が少ないエリアも有り不定休の飲食店も多いので事前の情報収集が必要となります。車で通行できる世界遺産エリア通称「西部林道」では、ヤクシカ、ヤクザルといった屋久島に生息する鹿や猿などの野生動物を身近に観察できます。ウミガメが産卵する永田浜などのエリアでは、ウミガメを観察できますが、海でのルールをしっかりと確認して守るようにしましょう。ウミガメを守るために海岸清掃や子ガメを踏みつけから守る保護柵の設置などさまざまな取り組みも行われています。島では可愛らしい野生動物と出会えるかもしれませんが、一定の距離を取り、ルールを守って観察するようにしましょう。
情報提供 / 屋久島観光協会