お取り寄せグルメで
離島の若者たちを応援しよう

本島の何倍も早いスピードで進むと言われている離島の人口減少。実際に「交通の便が悪い」「仕事が少ない」といった理由で、高校•大学の進学を機に、島を出てしまう若者が多いのが現状だ。そんな中、島の未来のために奮闘する若者の活動にスポットをあてる今回の特集。日本全国どこからでもできる“お取り寄せ”で、若者たちの活動を、離島を、美味しく応援しよう!

北海道奥尻島 奥尻ワイナリー 潮の香りを感じる爽やかなワイン

時札幌の大学生だった菅川さんに、奥尻ワイン事業の声がかかったのが奥尻ワイナリーのはじまり。過疎化や人口減少により衰退する島の将来を危惧し、魅力あるワイン・企業づくりによって「奥尻島を次世代につなぎたい」という想いで、未知であるワインの世界に飛び込んだ。奥尻ワイナリーは、日本で初めて離島に誕生した醸造所。潮風を受け続ける離島はワインづくりに恵まれた土地ではなかったが、栽培方法を工夫し豊かな海を感じるオリジナルなワインとして、ワイン愛好家からも高い評価を受けている。

OKUSHIRI ピノグリ

3,080円

潮風を浴びて育った奥尻島産ぶどう100%で作るワインは、豊かなミネラルを感じるとても清涼感のある飲み口が特徴。トロピカルフルーツを想わせる芳醇な香りが心地いい「ピノグリ」が菅川さんのおすすめ。

奥尻島の
環境に合う
栽培方法を研究

東京都父島 USK Coffee 島のおやつとして人気の実を使ったバター

熱帯に属する小笠原は、日本で初めてコーヒー豆が栽培された島として知られている。名古屋でコーヒー焙煎の仕事をしていた宮川さんは「コーヒーを種から育てたい」という夢を叶えるため小笠原・父島へ移住。USK Coffee をスタートさせた。また近年はお店のもう一つのブランドとして、小笠原の在来植物であるモモタマナの実を使ったナッツバターの販売を開始。島の特産品や雑貨が並ぶファーマーズマーケットも主催しており、小笠原カルチャーの発信者としての活動にも注目したい。

モモタマナッツ・バター

1,900円

1つずつ丁寧に割った実を焙煎し、てんさい糖と小笠原の海水から作られた島塩を加えてできる濃厚で香ばしいバターペースト。軽くトーストしたパンにたっぷり塗って食べたり、バニラアイスのトッピングにもおすすめ。

太陽の恵みを
たっぷり受けた
モモタマナの実

兵庫県淡路島 フレッシュグループ淡路島 若手農園グループがカラフル野菜をお届け

手農家が中心となって作られたフレッシュグループ淡路島。それぞれが農園を持ち、ニッチな野菜の生産など一人では対応できないことも、複数の農園で協力し合うことで販路を拡大してきた。グループのリーダーである森さんは自身の農業とともに、就農希望者や就職を希望する若者の支援のため、農業見学や農業体験にも対応。野菜の生育過程や農村の営みを通じて、農業の魅力を多くの人に感じてほしいと話す。これからも農業や農村の未来を見据えて、淡路島の美味しい野菜を全国へ届けていく。

※写真は商品の一部です。

淡路島の香るハーブと
彩り野菜セット

4,320円

野菜にとって理想的な農地と淡路島の気候風土を活用し、露地ではスティックニンジンや子カブなどを、ハウスでは土地の力を生かした香り強いハーブ類を生産している。ホテルやレストランへの卸売りにも対応。

農業承継の
新しい仕組みづくりに
挑戦中です

香川県小豆島 石井製麺所 家族で受け継いできた伝統麺に新しい風を

豆島で400年以上の歴史を持つ手延べ素麺は、瀬戸内の温暖少雨で穏やかな気候によって育まれてきた。島の伝統産業を後世につなぐ石井製麺所は、親子3世代にわたって素麺に向き合い続けている。その3代目である石井義人さんは、これまで培ってきた素麺づくりのノウハウを生かし、島の名産であるオリーブオイルを練り込んだ素麺など、小豆島らしさを取り入れた新たな商品づくりにも挑戦。日々進化するラーメンやパスタのように、これまでにないような斬新なアイデアで、小豆島を、手延べ素麺業界を盛り上げる。

瀬戸凪(楽々膳・黒)

3,000円

古来より健康を願って食べられてきた手延べ素麺。薬膳の考えを取り入れた「瀬戸凪」の麺には、冬に食べるといいとされる黒の健康食材「ひじき」「きくらげ」「黒ごま」を練り込んでいる。

日々天候と
向き合いながら
作業しています

島根県中ノ島 海士物産(海士店) 食卓を美味しく支える万能調味料を次世代に

油とみその2つの味を合わせ持つ小醤油みそは、海士に伝わる代表的な郷土食で古くから島の食卓を支えてきた。しかし時代とともに食文化が変化し、家で小醤油みそを作る島民は減少。そこで「若い世代にも島の伝統食を伝えていきたい」と立ち上がったのが、海士物産の3人の若手メンバーだ。島で小醤油みその歴史や仕込み方を伝えるワークショップを開催し、原料である大豆づくりにも挑戦。島に長く受け継がれてきた小醤油みその伝統を今後も守り続けていく。

小醤油みそ

832円

小醤油みそは、お刺身と食べたり、もろみそとして野菜と食べたり、おかずとして白ごはんと食べたりと島の食生活を支えてきた。旨味の強さとほどよい甘味が特徴で、料理に使えば素材の味を格段に深くする隠れた名脇役。

島で開催される
マーケットにも
出店中!

福岡県小呂島 福岡市漁業協同組合小呂島支所 若手漁師や島のお母さんみんなで作ったふりかけ

200人弱の小さな島でありながら、福岡有数のブリの漁獲量を誇り漁業が盛んな小呂島。そんな小呂島ならではの特産品を作り、島に新たな雇用を生み出そうと奮闘するのが若手漁師の島田さんだ。島田さんが開発に携わった「小呂島漁師のしまごはん」は、島の漁師たちが獲った魚を、島のお母さんたちが加工し、島民みんなで販売まで行っている。島全体が家族のようにつながる小呂島だからこそ実現できた商品を通して、小呂島ファンを増やすための活動が続く。

小呂島漁師のしまごはん
(フレーク4種+オイル漬け2種)

4,950円

フレークは、小呂島で愛されている漁師飯「こねくり」という刺身の醤油漬けの味付けをヒントに作られた。着色料や保存料を一切使用しない無添加製法のふりかけで、白ごはんとの相性抜群。

ふるさとを元気に
その想いで商品化

高知県沖の島 土佐沖の島塩業 島の美しい海水から誕生した天日塩

古屋で暮らしていた中垣さんが、地域おこし協力隊として過疎化が進む宿毛市沖の島に移住してきたのは2019年のこと。協力隊の任期満了後も大好きな島で、島の復興につながる取り組みがしたいと決意し、2023年に宿毛市で唯一の製塩事業を立ち上げた。中垣さんが作るのは海、風、太陽といった自然の力を借りてできる天日塩。海水の味を再現しつつ、塩辛さを抑えたまろやかな味わいが特徴だ。全国的にみても珍しい天日製法で作られた塩を通して、島を知り、島を思い出す人を一人でも増やしていきたいと話す。

塩祐

500円

「塩祐」は大粒でまろやかな味わいが特徴。天日製法は釜炊きといった他の製法と比べて、塩の形状や味を自由に調整可能なので、業務用から家庭用まで、お客様のニーズにきめ細かく応えることができる。

各都道府県に
取引先を持つのが
目標です!

長崎県福江島 菓子工房courir カラオケ店から話題に白い鬼岳プリン

京のパティシエ専門学校を卒業後、五島市にUターンしてきた増山さん。「地元の名産となるような美味しいスイーツを作りたい」と開発したのが、五島のシンボルである火山の名前がつけられた「鬼岳プリン」だ。完全手づくりにこだわり、自然食で育った有精卵や五島産のはちみつを使用。はじめは福江島の両親が営むカラオケ店や福江港ターミナルなどで販売していたが、口コミでどんどん人気が広がり2020年に長崎市内に実店舗をオープンした。自然豊かな五島列島からの贈り物を全国に届けている。

鬼岳プリン(プレーン)6個

2,910円

トロトロとしたなめらか食感と、生乳本来のコクがクセになる絶品プリン。あっさりしているのに奥深く、老若男女問わず虜になる人が続出中。上品で美しい白色のプリンは贈り物にもぴったり。

機械を使わず
一つずつ手づくり
しています!

沖縄県久米島 YUNAMI FACTORY ころっとした見た目がかわいい紅芋スイーツ

メリカやカナダで8年間留学した後、家業を手伝うためUターンで戻ってきた摺木さん。人口減少など島が抱える課題を知り、久米島ブランド化の成功事例になりたいと黄色いコンテナカフェ「YUNAMI FACTORY 」の運営を開始した。お店のコンセプトは「とことん久米島産にこだわる」ということ。島産の紅芋が詰まったシュークリームや、車海老を使ったガーリックシュリンプは島を代表する人気グルメに成長。島の産業をさらに盛り上げる立役者として、今後の活躍に期待が膨らむ。

紅芋シュークリーム8個

4,200円

甘さや香りが強い久米島産の紅芋を100%使用。素材が持つ旨味や甘みを引き立たせるため無添加にこだわり、口に入れた瞬間に紅芋の香りがふんわりと広がる。冷凍なので3ヶ月くらい保存できるのも嬉しいポイント。

食を通して
久米島に
貢献したい!

INTERVIEW

一般社団法人シマスキ
 窪田隆史

継承していく島への熱い想い
エラブが好き!
を表現できる団体を設立

全国にある沖永良部島出身者で組織する沖洲会に、大学生の時に初めて参加しました。島の外でも島の空気感を感じられるのはすごく心地よくて、僕たちが中心になって若手の会を作って交流。島に育ててもらって、島の人や場所が好きだし、その島に関わることで恩返しがしたいという想いがますます強くなりました。これまで島の取り組みにはボランティアとして参加していましたが、5年後、10年後、年を重ねても続けていきたいという想いが強くなり、2023年3月に「一般社団法人シマスキ」として法人化。『沖永良部島に関わるヒトたちの”シマ”が”スキ”という想いを“カタチ”に』を理念に掲げて、沖永良部島のPR活動や、島の活動に参加しやすい関係づくりに力を入れています。おきのえらぶ島観光協会と協力して島内外のイベントに参加したり、最近では、島内の中学校などで講演。また、島で働きたいけどどこで仕事を募集しているか分からないという人と沖永良部島が抱えている課題をマッチングさせたり、沖永良部島出身の若い子たちが、都会でも不安なくエラブが好きって想いつづけられるようにサポート。僕たちが沖永良部島と本土との架け橋になれるように活動していきたいです。

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若者が切り開く
離島の未来

島が持つ可能性を信じて
前に進み続ける若者たち

今回ご紹介した若者たちは一度島を離れたあとにUターンしてきた人や、島に魅せられてIターンで移り住んできた人など、その経緯はさまざま。取材を通して、そんな若者たちに共通しているように感じたのは「島を誇りに思い、夢を抱きながら暮らしている」ということ。どのお取り寄せグルメも独特の風土や文化などその島らしさを大切にし、島が持つ可能性を信じて活動する若者たちの姿が見られました。「大好きな島を後世に残したい」という想いで、未来を切り開こうとする若いチカラ。その姿は島民たちにとっても、大きな支えになっているに違いありません。数十年後には人口が半減し、無人化する可能性も危惧される日本の島々。日本の有人離島を紹介するサイトとして、島の現状に明るいイロドリをプラスする若者たちの姿を今後も追っていきたいと思っています。

取材協力