島民が家族のように
つながる漁師の島

SHIMA INFORMATION

九州・沖縄エリア/ 福岡県

小呂島 おろのしま

面積
約0.43㎢
人口
155人(2023年9月末時点)
観光スポット
嶽宮神社、七社神社、海軍望楼、砲台弾薬庫跡
特産
小呂島漁師のしまごはん、ブリ、アジ、サバ、ヒラメ、カレイなど
アクセス
博多駅から福岡市営空港線で約20分、姪浜駅で下車。バスまたはタクシーで姪浜渡船場へ。姪浜渡船場から定期便で約1時間5分
URL
https://www.city.fukuoka.lg.jp/nishiku/c-shinko/charm/nisikunotakara/oronoshima.html

小呂島 oronoshima

島民のほとんどが漁師として働く
海の幸に恵まれた島

小呂島は福岡市から北西に約40km、玄界灘の真ん中に浮かぶひょうたん型の島です。周囲3.4km、面積0.43kmの島には約200人の島民が住み、港のある南側に民家や漁港、公共施設が集中しています。島の南北に2つの峰があり、島の最高峰である標高109mの南の峰には嶽宮神社が鎮座しています。神社の境内に広がるのは、ソテツやビンロウジュなどの熱帯性植物。ほかにも島の大半を松林が占め、それを開拓した畑地や広葉樹林が島の中央から南部の斜面に広がります。周囲は玄武岩の断崖絶壁になっており、一部に海蝕洞を見ることができます。また島の周辺は対馬暖流が流れており、一年を通じて暖かく暮らしやすい気候が特徴です。天気の良い日には、島の北東側から沖ノ島、西側からは壱岐や対馬が遠望できます。島の主産業は漁業で、まき網漁、ブリ一本釣り、ヒラメ刺網漁が盛んです。豊かな漁場を求めて、多くの釣り客が訪れる島でもあります。島に住む男性のほとんどが漁師で、早朝から出漁し仕事が落ちつく夕方ごろには、島全体にゆったりとした時間が流れます。女性は漁師の手伝いをしたり、海女として海に潜る人もいます。人情が厚く、海の幸が豊かで、自然に恵まれた島が小呂島です。

福岡藩の命令により移住した漁民
有人島としての歴史がスタート

小呂島の名前が文献上に登場するのは鎌倉時代のこと。鎌倉幕府が出した関東御教書(かんとうみぎょうしょ)に、その名が記されています。また港の近くに鎮座する七社神社の棟札には、筑前国(福岡県)にあった宗像郡東郷町の住人の名前が残されています。その後、日宋貿易の中継点として栄えたこともあり、中国系博多商人であった謝国明によって島が所有されるようになりました。江戸時代には無人島状態になった小呂島。そこに福岡藩主の黒田氏が領地拡張のために、「五軒家」と呼ばれた5世帯の西浦の漁民を移住させました。後に2世帯が移住したため近代に入るまでは、この島の住民は7種類の名字のいずれかであったといわれています。1935年ごろには、島の北端に陸海軍共用の要塞(壱岐要塞小呂島砲台)が築かれ、陸軍300人、海軍30人の旧日本軍が駐留するようになりました。島の北東部には敵の侵入を見張るために使われていた旧海軍望楼跡(見張り台)などが、今もなお残されています。この場所は標高が高いため、眼下に広がる玄界灘を360度のパノラマで望むことができます。

若い漁師の働きかけにより
島に生まれた新たな雇用

漁業をなりわいとする小呂島では1〜4月は個人漁、4〜12月はまき網漁と呼ばれる島の漁師たちが力を合わせる団体漁を行います。団体漁は福岡県の中でも小呂島だけにある文化で、島が一丸となって漁業に取り組みます。島は玄界灘の真ん中に位置しており、恵まれた漁場です。ブリやアジ、サバ、ヒラメ、カレイなど、年間約80種の魚を水揚げしています。 季節によって旬の魚が入れ替わり、1年中イキの良い魚を堪能することができます。これに加えて近年は、島に新たな雇用を生み出そうと6次産業にも注力。若い漁師が中心となり、まき網漁で獲れたブリの若魚をフレーク状に加工した「小呂島漁師のしまごはん」を開発しました。漁師たちが獲った魚を島のお母さんたちが加工し、島民みんなで販売まで行っています。島で愛されている漁師飯「こねくり」という刺身の醤油漬けの味付けをヒントに作られたもので、着色料や保存料を一切使用しない無添加製法のふりかけです。

夏の風物詩である「小呂山笠」など
島民全員でにぎわうお祭りが存在

島内には嶽宮神社や七社神社をはじめ、数多くの神社が存在しています。毎年7月15日は博多の「祇園山笠」が行われますが、同じ日に島の氏神である七社神社で「小呂山笠」を行います。「小呂山笠」は、2020年に福岡市無形民俗文化財として指定された島のお祭りです。「飾り山」と「舁き山」の2種類の山笠が作られ、早朝と夕方に山笠を担いで島内を周り、小呂島独特の節回しで「祝いめでた」が歌われます。昼間には小学生と中学生による「子供山笠」を実施。最後に山笠の飾りを外し各家に飾り、1年間の魔除けにします。ほかにも毎年8月18日には、大人から子どもへ担い手を継承する形で復活を遂げた伝統芸能「御奉楽(ごほうらく)」が行われています。小呂島で暮らす小学校1〜6年生が、嶽宮神社•七社神社•恵比須神社にて「三番叟(さんばそう)」という舞いを踊り、島の安全を祈願するお祭りです。

情報提供 / 福岡市役所地域観光推進課
画像提供 / 福岡市

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