日本でのコーヒーの木の栽培は、台風など自然災害の影響を受けるため難しいとされており、「幻のコーヒー」と呼ばれることも多い。その中でも日本の離島は温暖な気候と良好な土壌条件を持つ場所として、日本のコーヒー文化を盛り上げる可能性を秘めた土地として注目されている。それぞれの島が持つ豊かな土壌や気候が生み出す独自の風味。そして栽培が難しい少量生産だからこそ可能な丁寧な管理。コーヒーを超えた価値を提供する離島コーヒーの魅力とは。
離島には、焙煎やブレンドなど一つひとつの工程にこだわったコーヒーとその島の特産品を掛け合わせたオリジナル商品を届けるコーヒーショップがたくさんある。店主のコーヒーに対する誠実な想いや、島や地域への愛情が詰まった一杯は、島に住んでいる人・島に移住した人・観光に訪れた人などの新たなコミュニケーションを生み出している。国産コーヒーや離島の魅力に気づくと、いつものコーヒータイムがさらに特別なものになるだろう。
コーヒーの木の栽培に適した地域は「コーヒーベルト」と呼ばれており、中南米のグアテマラやコロンビア、アフリカのタンザニアやエチオピア、アジアではベトナム、インドネシアなど、赤道を挟んだ北緯25度から南緯25度までのエリアを指す。日本では沖縄県や奄美群島、小笠原諸島が「コーヒーベルト」の境界線付近にあり、コーヒーの木の栽培は可能とされている。しかし世界的に有名なコーヒー生産国に比べ、四季があること
でコーヒーの木が寒さにさらされたり、自然災害によって農作物が被害を受けることが多かったりと生産環境に多くの課題があり、生産量が限られているのが現状だ。それでも離島特有の気候条件を生かし、独自のコーヒーづくりに挑戦し続ける4つのコーヒー農園に注目したい。
コーヒーの木の栽培に適した地域は「コーヒーベルト」と呼ばれており、中南米のグアテマラやコロンビア、アフリカのタンザニアやエチオピア、アジアではベトナム、インドネシアなど、赤道を挟んだ北緯25度から南緯25度までのエリアを指す。日本で
は沖縄県や奄美群島、小笠原諸島が「コーヒーベルト」の境界線付近にあり、コーヒーの木の栽培は可能とされている。しかし世界的に有名なコーヒー生産国に比べ、四季があることでコーヒーの木が寒さにさらされたり、自然災害によって農作物が被害を受けることが多かったりと生産環境に多くの課題があり、生産量が限られているのが現状だ。それでも離島特有の気候条件を生かし、独自のコーヒーづくりに挑戦し続ける4つのコーヒー農園に注目したい。
一つひとつの木や実に、たっぷりの愛情を込めて管理。収穫から焙煎まで細部にこだわり、最高の風味を引き出している。
宮出珈琲園
徳之島/鹿児島県
もともと大阪でカフェやケーキ屋、居酒屋、ワインバーといったさまざまな飲食店を経営していた宮出さん。その中で生産者が加工・販売を行う6次産業化という言葉と出会い、「いい商品を作るには、いいモノづくりが必要」と考えるようになった。同時期に徳之島出身の親族から連絡があり、急遽サトウキビ畑を譲り受けることに。そこから手探りでコーヒー栽培をはじめ、小さな6次産業化を実現させた。その後コーヒーの花や葉、新芽など、コーヒー豆以外の部分に着目し商品化にも挑戦。コーヒー農家の労働環境や収益の底上げにも尽力している。
もともと大阪でカフェやケーキ屋、居酒屋、ワインバーといったさまざまな飲食店を経営していた宮出さん。その中で生産者が加工・販売を行う6次産業化という言葉と出会い、「いい商品を作るには、いいモノづく
りが必要」と考えるようになった。同時期に徳之島出身の親族から連絡があり、急遽サトウキビ畑を譲り受けることに。そこから手探りでコーヒー栽培をはじめ、小さな6次産業化を実現させた。その後コーヒーの花や葉、新芽など、コーヒー豆以外の部分に着目し商品化にも挑戦。コーヒー農家の労働環境や収益の底上げにも尽力している。
現在コーヒー豆のネット販売は行っておらず、実際に農園を訪れ、コーヒーの木を見て、これまでの物語を聞いてコーヒーを味わうスタイルを楽しんでほしいと宮出さんは話す。
宮出さんの現在の夢は「60歳になったら森の中にコーヒースタンドを開く」ということ。ファームステイで集まった人たちと一緒に、森の成長に合わせたDIYを行っている。
徳之島から全国へ
コーヒー栽培の可能性を発信
「0.00000001%」。これは国産コーヒーの国内消費量を表す数字です。その生産量の少なさから市場に出回る国産コーヒーの数は少なく、認知度も低いのが現状です。まずは国内消費量のシェアを1%にするために、離島に加え、本州の産地化も重要な課題だと考えています。「宮出珈琲園」では徳之島のほかに、奄美大島にコーヒー農園を作り、ファームステイを通して知識や技術を伝える取り組みも行っています。
宮出珈琲園
宮出 博史
USK Coffee
父島/東京都
かつて名古屋でコーヒー焙煎の仕事をしていた宮川さんは、自分の中にふつふつと湧き上がってくるコーヒー熱を感じ、国産コーヒー発祥の地である小笠原諸島・父島への移住を決意した。手入れがされておらずジャングル状態だった場所をなんとか開拓し、念願のコーヒー栽培をスタート。父島に降り注ぐ亜熱帯の太陽の力を生かした独自の発酵ナチュラルプロセス精製に辿りつき、香りの高さと甘みのある風味を実現させた。東京都心から約1,000㎞離れた場所にある父島の自然環境と、底知れぬコーヒー愛をもつ宮川さん。この2つが出会いが、ほかにはない離島コーヒーを生み出すこととなった。
かつて名古屋でコーヒー焙煎の仕事をしていた宮川さんは、自分の中にふつふつと湧き上がってくるコーヒー熱を感じ、国産コーヒー発祥の地である小笠原諸島・父島への移住を決意した。手入れがされておらずジャングル状態だった
場所をなんとか開拓し、念願のコーヒー栽培をスタート。父島に降り注ぐ亜熱帯の太陽の力を生かした独自の発酵ナチュラルプロセス精製に辿りつき、香りの高さと甘みのある風味を実現させた。東京都心から約1,000㎞離れた場所にある父島の自然環境と、底知れぬコーヒー愛をもつ宮川さん。この2つが出会いが、ほかにはない離島コーヒーを生み出すこととなった。
農薬や化学肥料は使わずすべての工程を手作業で行っており、宮川さんが作ったコーヒーは農園に併設されているトレーラーハウス型のカフェでのみ味わうことができる。
オンラインサイトでは「USK COFFEE」で焙煎したコーヒー豆のほか、お茶やナッツバター、マグカップ、Tシャツなどのオリジナルグッズも販売中。
ニシナ屋珈琲
大芝島/広島県
「ニシナ屋珈琲」の創業は1933年。当時は珍しかったコーヒー豆の販売を、広島を拠点にスタートさせた。そんなはじまりの地である広島で、コーヒー農園をはじめることが長年の夢だったという3代目の新谷隆一さん。農園の場所に選んだのは瀬戸内海に浮かぶ大芝島で、耕作放棄地となったビニールハウスを活用した栽培を行っている。コーヒーは四季のある日本での栽培は難しいとされており、ハウス内の細やかな温度管理が欠かせない。コーヒーの明るい未来と瀬戸内の活性化を目指して、「日本産(メイド・イン・ジャパン)」への挑戦はこれからも続いていく。
「ニシナ屋珈琲」の創業は1933年。当時は珍しかったコーヒー豆の販売を、広島を拠点にスタートさせた。そんなはじまりの地である広島で、コーヒー農園をはじめることが長年の夢だったという3代目の新谷隆一さん。農園
の場所に選んだのは瀬戸内海に浮かぶ大芝島で、耕作放棄地となったビニールハウスを活用した栽培を行っている。コーヒーは四季のある日本での栽培は難しいとされており、ハウス内の細やかな温度管理が欠かせない。コーヒーの明るい未来と瀬戸内の活性化を目指して、「日本産(メイド・イン・ジャパン)」への挑戦はこれからも続いていく。
大芝島産コーヒーを気軽に楽しんでもらうため、オンラインサイトにて飲みやすいドリップパック(2,160円)で販売。
まろやかでやさしい口当たりで、コクと苦みと酸味がバランスよく調和しており、世界三大コーヒーとして称される「ブルーマウンテン」を彷彿させるような味わいに。
てるまに珈琲
沖永良部島/鹿児島県
日本では貴重な亜熱帯性気候を利用し、2014年よりコーヒー豆の栽培に取り組んでいる「てるまに珈琲」。農園がある奄美群島は台風や大雨といった自然災害が多く、日々栽培方法を工夫しながら収穫量を増やし、高品質なコーヒー豆を提供し続けてきた。コーヒー栽培におけるこだわりは「手作業」。収穫したコーヒーの実は1か月以上天日干しで乾燥させ、一つひとつ手作業で丁寧に皮をむいている。皮むき機を導入するお店が多い中、手作業にこだわるのは離島コーヒーが持つ可能性を追求し続けているからだ。愛情がたっぷり詰まった特別の一杯を味わいたい。
もともと大阪でカフェやケーキ屋、居酒屋、ワインバーといったさまざまな飲食店を経営していた宮出さん。その中で生産者が加工・販売を行う6次産業化という言葉と出会い、「いい商品を作るには、いいモノづく
りが必要」と考えるようになった。同時期に徳之島出身の親族から連絡があり、急遽サトウキビ畑を譲り受けることに。そこから手探りでコーヒー栽培をはじめ、小さな6次産業化を実現させた。その後コーヒーの花や葉、新芽など、コーヒー豆以外の部分に着目し商品化にも挑戦。コーヒー農家の労働環境や収益の底上げにも尽力している。
コーヒーチェリーの発酵・乾燥の具合を丁寧にチェックすることで、深い味わいと豊かな香りを実現させている。
奄美群島で栽培したコーヒー豆と厳選コーヒー豆を合わせた「奄美群島産てるまにブレンド珈琲(2,000円)」。香りが強く、酸味を抑えたスッキリとした味わいに仕上がっている。
日本全国の有人離島で営まれているコーヒーショップでは、島のエッセンスを取り入れた多くのオリジナル商品が展開されている。今回ご紹介する波照間島の黒糖、対馬の塩、石垣島の泡盛とコーヒーを掛け合わせた商品は、そのどれもが現地でしか生み出すことができないアイデアで、コーヒーの可能性を最大限に引き出している。その
ほか自社農園で栽培した国産コーヒー豆を使用したスイーツや、島・地域を盛り上げるために学校や企業、地域とコラボレーションした商品は、人と人をつなげて会話を生み出す場を作り、島の活性化に貢献している。離島に住む人も、離島に行ったことがない人も、コーヒーが好きな人も、コーヒーが苦手な人も。どんな人でも〝気になる〟がきっと見つかる注目のコーヒーショップを見てみよう。
日本全国の有人離島で営まれているコーヒーショップでは、島のエッセンスを取り入れた多くのオリジナル商品が展開されている。今回ご紹介する波照間島の黒糖、対馬の塩、石垣島の泡盛とコーヒーを掛け合わせた商品は、そのどれもが現地でしか生み出す
ことができないアイデアで、コーヒーの可能性を最大限に引き出している。そのほか自社農園で栽培した国産コーヒー豆を使用したスイーツや、島・地域を盛り上げるために学校や企業、地域とコラボレーションした商品は、人と人をつなげて会話を生み出す場を作り、島の活性化に貢献している。離島に住む人も、離島に行ったことがない人も、コーヒーが好きな人も、コーヒーが苦手な人も。どんな人でも〝気になる〟がきっと見つかる注目のコーヒーショップを見てみよう。
離島で営むお店のオリジナル商品は、オンラインショップで手に入れられるものが多く、遠くにいてもゲットできるのがうれしい。島に訪れた際はぜひドリップしたてのコーヒーを堪能してみて。
FUSHI COFFEE ROASTERS
石垣島/沖縄県
沖縄県八重山諸島にある石垣島からスペシャルティコーヒーの文化と楽しさを伝えている「FUSHI COFFEE ROASTERS」。自家焙煎・スペシャルティコーヒー専門店として、一粒のコーヒー豆が一杯のコーヒーになるまで、すべての過程が明確で、農園主に対価がきちんと還元される高品質なスペシャルティコーヒーのみを提供している。生産地に買い付けに行って仕入れているダイレクトトレードのコーヒー豆をはじめ、コーヒーの味わいをさらに楽しめる商品づくりや、島の素材を大切に使った島おやつづくりを行っている。
1,700円(250ml)
店主の友人が製糖に携わっている波照間島産の黒糖と、スペシャルティコーヒーのみでできたラテベース。添加物を一切使用していないので、コーヒー豆本来の香りと旨み、黒糖のやさしくも奥行きのある甘みをダイレクトに感じることができる。
JAC Roast Competition 2024の焙煎競技で優勝の実績を持つ店主。コーヒー豆それぞれの個性や特性を生かした焙煎で、奥深いコーヒーの世界を多くの人に届けている。
店名の「ふし」とは八重山地方の言葉で「星」を意味する。店主が初めて八重山で星空を見た時の感動をコーヒーで表現できるお店をめざして、名付けられた。
YELLOW BASE COFFEE
対馬/長崎県
対馬に住む人も、対馬を訪れた観光客も、店に集った人々がつながって交流が広がる場所“BASE(=基地)”をめざす「YELLOW BASE COFFEE」。「一つの灯だけでは隅しか照らせないが、その灯りが多くなると国中を照らすことができる」という意味の「一燈照隅」から思案された店名には、お店を起点に、地域のみなさんと、そして対馬を訪れた方々と一緒に対馬を盛り上げたいという想いが込められている。コーヒーの魅力だけでなく、対馬に住むスタッフだからこそ伝えられる島の魅力を発信している。
1,850円(500ml)
対馬産の浜御塩にこだわったカフェオーレは、ほのかな塩の風味を鼻の奥で感じることができる。ミネラルたっぷりの塩を加えることで、ミルクの甘さやコーヒーのコクをより一層引き立てている。
コーヒーと一緒に、ケーキや焼き菓子をテイクアウトすることも可能。お店でいただけるメニューはSNSでお知らせがあるので、要チェック。
対馬において、歴史の深い石を取り入れた店内レイアウト。島の至るところにあるさまざまな石の表情をじっくりと見てみると新たな発見があるかも?!
KLATCH COFFEE
石垣島/沖縄県
日本最南端、最西端に位置する八重山諸島の石垣島にある「KLATCH COFFEE」。こだわりのスペシャルティコーヒーをはじめ、系列店のFluffy Donutで販売しているカラフルなドーナッツや、コーヒータイムを充実させるホットサンドを提供している。コーヒーを通して人と人とがつながれる楽しい空間を提供したいと願いが込められた店名。想いの詰まった一杯を通して、石垣島・お店を訪れた人々の楽しい記憶に寄り添う。
6,000円(コーヒー12g×3袋、
泡盛120ml×3本)
「KLATCH COFFEE」と同じ石垣市大川に本店を置く、池原酒造と共同開発したギフトセット。2社の拠点である大川地区を盛り上げていきたいという想いから、商品には八重山の方言で「大川」という意味を持つ「Fuger(フーガー)」という名前を採用している。泡盛とコーヒーの新しい味わいが楽しめる。
池原酒造がつくる3種類の泡盛それぞれにマッチするスペシャルティコーヒーを厳選。「静」「会」「明」というボトル名にもあるように、気分に合わせて味わいを楽しめるようになっている。
小浜島にある「Island Coffee Roastery」で焙煎したコーヒー豆を使用。スペシャルティコーヒー以上のランクの豆を使用し、丁寧に焙煎されたコーヒーは格別の味わい。
Noah Coffee
沖永良部島/鹿児島県
鹿児島県沖永良部島でスペシャルティコーヒーと国産コーヒーを提供している「Noah Coffee」。2008年に苗木を植え始め、国産無農薬のコーヒーを商品化することに成功している。島内と霧島市にある店舗では国産コーヒーを味わえたり、豆を購入できるほか、ハンドピック・遠赤外線焙煎・少量焙煎により、ピュアなスペシャルティコーヒーを楽しむことができる。自社農園を持ち栽培から焙煎までの一貫体制を強みに、オリジナル商品の展開にも取り組んでいる。
4,010円(えらぶ島珈琲ゼリー105g×3個、
CŌTEAコーヒー果実ゼリー110g×4個、
島の珈琲カフェオレプリン110g×3個)
スッキリとした味わいの「えらぶ島珈琲ゼリー」をはじめ、コーヒーの果肉エキスを使用した「国産コーヒー果実ゼリー」や、国産100%のコーヒー豆を使用したソースがかかった「島の珈琲カフェオレプリン」と付加価値の高いスイーツセット。
コーヒーゼリーやコーヒーリキュール、オリジナルコーヒーチェリーシロップなど、コーヒーの可能性を余すことなく利用したさまざまな製品を開発・展開している。
「栽培から一杯のコーヒーまでのトータリティを大切に・誠実に」をモットーに、自社農園で無農薬栽培有機肥料にこだわった貴重な国産コーヒー豆を生産している。
珈琲豆ましろ
向島/広島県
広島県向島にある「珈琲豆ましろ」は、「おいしくて、たのしくて、うれしくなる」スペシャルティコーヒーを作り、たくさんの笑顔を届けている。店主はコーヒーが地域の魅力や文化を発信する手段になると信じ、これまでにもコーヒーを通じて学校や企業、地域と協力して新たな価値を提供してきた。これからも向島や尾道、そして広島全体がさらに活気づき、住む人が誇りを持ち、訪れる人々がその魅力に引き込まれる場所になることをめざしている。
1,200円(ティーバッグ型コーヒー5個入り)
1,000円(500ml)
お子さまに好評だったカフェインレスのコーヒーは、広島電鉄とのコラボパッケージを実現し、より幅広い年齢層に愛される商品に。ほかにも地元の子どもたちに、早くから社会とのつながりを感じてほしいと尾道市立向島中学校の美術部とプロジェクトを立ち上げている。
クラウドファンディングの支援で集まった資金で制作した「ゆるねこむかいしまコーヒー(598円)」。向島の素敵な風景の中で猫が楽しそうに遊ぶ姿を描いたパッケージがかわいい。
カフェオレベースには深煎りにしても味がしっかり残ってくれる豆を使用し普段より深めに焙煎するなど、コーヒー豆の品質に向き合い、商品によって豆や焙煎の具合を変えている。
離島の恵みが溶け込んだ一杯が
日本のコーヒー文化を切り開く
国産コーヒーにおいて有名な生産地のほとんどは離島にあるということを知り驚いた。沖縄県の一部の離島や奄美群島、小笠原諸島。それらの地域では温暖な気候と豊かな自然環境を生かし栽培が行われている。コーヒー農園では栽培のみにとどまらず、6次産業化への挑戦、コーヒー農園における労働環境の底上げ、環境に配慮した農業、コーヒーを通じた地域創生など、コーヒー栽培の枠を超えた数多くの取り組みが行われていた。また独自の視点で離島の魅力を引き出し、商品づくりを行う数多くの離島のコーヒーショップとも出会うことができた。地元の風土と文化が溶け込んだ一杯。それは離島を訪れる人だけでなく、地元の人にとっても大切な役割を担っているように思えた。オンラインショップを利用して、離れた場所から離島の魅力を感じるのも一つの手だが、ぜひとも現地に赴き離島ならではの温かみと、自然の恵みを体感してほしい。それぞれの島にしかない特別な味わいと出会えるかもしれない。