OTHER 2025.06.04

フェリー旅がもっと楽しくなる!ジャンボフェリーで満喫する小豆島の魅力と楽しみ方

ジャンボフェリーで巡る小豆島の旅は、移動を超えた特別な体験です。深夜便「りつりん2」なら、神戸を夜に出発し、朝の瀬戸内海とともに小豆島へ。新船「あおい」では快適な設備や絶品グルメを楽しみながら、優雅な船旅を満喫できます。自転車旅や瀬戸内国際芸術祭とともに、小豆島の魅力を存分に味わう特別な旅へ出かけませんか?

土庄 雄平
(トラベルライター)
商社・メーカー・IT企業と営業職で渡り歩きながら、複業トラベルライターとして活動する。メインテーマは山と自転車。旅の原点となった小豆島、転職のきっかけをくれた久米島など、人生の岐路にはいつも離島との出会いがある。
関西から痒いところに手が届く
航路と深夜便

小豆島へ向かうフェリーの航路はいくつかありますが、中でも利便性が高いのが、神戸港と小豆島・坂手港を結ぶジャンボフェリーです。関西圏からは在来線でアクセスでき、遠方からでも新幹線で新神戸まで移動すれば、スムーズに乗船可能。特に便利なのが、深夜便「りつりん2」の存在です。深夜1:00に神戸を出発し、早朝5:00に高松港、7:30には小豆島・坂手港に到着。移動時間を有効活用できる、まるで“動くホテル”のような快適な旅が楽しめます。

知らなきゃ損!
深夜便の攻略法と旅情あふれる時間

深夜便「りつりん2」に乗り込んだら、まずは寝床の確保が最優先!特に3階にあるのびのび席(カーペットスペース)は人気が高く、あっという間に埋まってしまうため、早めの行動が鍵を握ります。乗船前にはフェリーターミナルへ余裕をもって到着し、できるだけ列の前方で待機しておくのがポイント。無事にスペースを確保したら、明日に備えてひと休み。周囲の物音が気になる人は耳栓の準備を忘れずに。

…しかし、まだ夜明け前の5:00ごろ、突然響き渡るあのメロディーで目覚めることになります。「 風が恋を運ぶ~海を遠く渡り~二人を結ぶ ジャンボフェリ~ ♪」そう、ジャンボフェリーのテーマソング!一度聴いたら耳に残るこの曲とともに、新しい朝が始まります。デッキへ出れば、瀬戸内海に広がるのは、朝焼けから澄み渡る青空への美しいグラデーション。そして、心地よい海風に包まれながら、小豆島を中心とする多島美が広がり、思わず「あぁ、瀬戸内に来たんだ…」と実感せずにはいられません。

弾丸なのにたっぷり楽しめる!
小豆島自転車旅

サイクリストが深夜便「りつりん2」を利用すれば、小豆島で気軽に弾丸サイクリング旅が楽しめます。朝7:30に到着し、帰りのフェリーは平日なら小豆島坂手港15:45発→神戸港18:45着、休日なら小豆島坂手港17:45発→神戸港21:00着と、最大10時間もの滞在が可能。これだけ時間があれば、オリーブ畑や海沿いの風景を巡り、小豆島の魅力をたっぷり満喫できます。短時間でも濃密な旅を楽しみたいサイクリストにぴったりのプランです。

中でもイチオシは、約80kmの小豆島一周です。一般的には、島の南部に広がる三都(みと)半島を省くルートが選ばれますが、これを含めると100kmを超えるロングライドに。起伏に富んだ道のりは走り応え抜群で、道のアップダウンとともに移り変わる絶景が魅力です。特に、北部の採石場沿いに伸びる荒涼としたロングストレートは、どこか異世界のような雰囲気で個人的に好きな区間です。エンジェルロードや、小豆島オリーブ公園のギリシャ風車、世界一狭い海峡など、見どころも満載で、走るたびに新たな発見があります。

もっと快適に、もっと楽しく!
新船「あおい」の魅力

これまで深夜便の魅力をお伝えしてきましたが、朝の便で行く小豆島も特別です。その立役者がジャンボフェリーの新船「あおい」。快適な設備とこだわりのサービスが、移動そのものを唯一無二の旅行体験に変えてくれます。

例えば船内では、瀬戸内ならではのグルメが楽しめます。名物の「オリーブうどん」や、ユニークな「浮かぶタコ焼きうどん」など、ここでしか味わえないご当地メニューが充実。さらに、小豆島の人気ジェラート「MINORI GELATO」も提供され、醤油やオリーブなど小豆島ならではのフレーバーが楽しめます。移動中から小豆島の味覚を先取りできるのも、この船旅の魅力のひとつです。

また、国内フェリーで唯一のホワイトイオン泉「雲の湯」や、瀬戸内海の美しい景色を眺めながらくつろげる「海のテラス(足湯&Seaスルーデッキ)」も完備。微細気泡の温泉に浸かりながら、穏やかな海を眺める時間は格別です。さらに、特にプレミアム席を利用すれば、4つの展望テラスから、明石海峡大橋のくぐり抜けや小豆島のパノラマを楽しめ、まるでクルーズ気分。小豆島へアクセスするなら、移動時間すら贅沢なひとときに変えてくれる「あおい」で、特別な船旅を体験してみるのもおすすめです。

アートの祭典が再び!
2025年は瀬戸内国際芸術祭へ

2025年は、3年に一度の「瀬戸内国際芸術祭(瀬戸芸)」が開催される特別な年。ジャンボフェリーで小豆島へ向かい、穏やかな島時間の中でアートに触れる旅に出てみてはいかがでしょうか。島にはシェアサイクル・HELLO CYCLINGのポートが充実しており、風を感じながら気ままにアート巡りを楽しめます。

瀬戸芸の大きな特徴は、国内外のアーティストが島に滞在し、地元の風土や文化を取り入れた作品を制作しているということ。瀬戸内の豊かな自然と融合したアートが島々に点在し、訪れる人々を魅了します。伝統や自然をテーマにした作品はもちろん、環境問題など現代社会に問いを投げかけるものもあり、さまざまな視点からインスピレーションを得ることができます。

私のお気に入りの作品は「ウルトラダイダラボウ」です。瀬戸内国際芸術祭2022に向けて、伊東敏光さんと広島市立大学芸術学部の有志によって制作された、圧倒的な存在感を放つ巨人のアート作品。地元で撤去された石垣や、廃船、流木などを素材に、大宇宙・自然・人間をつなぐシンボルとして生み出されました。神浦の漁村を見渡す高台に鎮座し、その姿はまるで地域を見守る守護神のよう。歴史や自然と調和した、唯一無二のアート作品です。

夕暮れから夜景へ!
移りゆく景色を楽しむ帰路

ジャンボフェリーでの小豆島旅の魅力は、行きの航路だけにとどまりません。帰りのフェリーもまた、旅の余韻を深める特別な時間を演出してくれます。休日には、小豆島坂手港を17:45に出発し、神戸港へ21:00に到着する便が運航しており、夕方までたっぷり小豆島を満喫できるのが嬉しいポイントです。

帰りの航路でぜひ味わってほしいのが、刻々と変化する瀬戸内の風景。晴れた日には、ゆっくりと沈む夕陽が海を黄金色に染め上げ、漁船やフェリーが行き交う情景が旅のラストシーンを彩ります。心に残る美しい景色とともに、小豆島の思い出を胸に刻む、贅沢なひとときが過ごせるでしょう。そして、小豆島を出港して約2時間後には、デッキへ。ライトアップされた明石海峡大橋が闇に浮かび上がる姿は圧巻です。特に満月の夜には、海面を照らす月の光と橋の輝きが共演し、幻想的な雰囲気を醸し出します。日が長い季節には、夕陽と明石海峡大橋のコラボレーションが見られることも。旅の最後に、忘れられない一瞬をカメラと心に焼き付けられますよ。

新ターミナルも完成!
今年もジャンボフェリーがアツい

これまでジャンボフェリーを利用した小豆島へのアクセスの魅力をお伝えしてきましたが、その進化は止まりません!2025年4月12日、小豆島坂手港のフェリーターミナルが新しく生まれ変わりました。その名も「さかてらす」。単なるフェリーの待合所にとどまらず、小豆島の魅力を発信し、地域の活性化にも貢献する複合施設として誕生しました。日本国内はもちろん、世界中から多くの人々が小豆島を訪れるきっかけとなることを願い、さまざまな工夫が凝らされています。小豆島の旅をより特別なものにするジャンボフェリーで、新たな魅力に出会う旅へ出かけてみてはいかがでしょうか?