OTHER 2022.09.07

地元の方に聞いた!
全国有人離島方言辞典
〜東日本編〜

方言はその土地の文化や歴史、生活様式などを反映する貴重な資料。しかし、多くの地方で方言に消滅の危機が迫っているのが現状です。そこで、今回は日本の各エリアごとに離島をピックアップして、観光協会や役場の方に協力していただき、離島の方言辞典を編纂してみました。なんとなく意味がわかる言葉、一見して全く意味がわからない言葉など、とても興味深い言葉が集まりました。離島旅行の際に使ってみたり、クイズとして使ってみたり、楽しんでくださいね。今回は、東日本編です!

SHIMA-Omoi編集部
日本にある有人離島の情報を発信するSHIMA-Omoi編集部。250島以上の離島情報の収集・発信のほか、特集の取材・撮影のために多くの離島を訪れている。
北海道〜礼文島・奥尻島〜

礼文島に最初に移住したと言われる柳谷万之助をはじめ、礼文島を発展させたニシン漁に大きな役割を果たした人々の多くは青森県人でした。なかでも津軽地方出身の人が中心だったため、礼文島の方言は津軽地方に由来する言葉が混ざっています。奥尻島への入地が進んだのは明治以降です。青森県や秋田県、遠くは石川県からも移住者がいましたが、多くは北海道本土の道南地方から。よって方言も道南地方の言葉を中心に変化してきました。

山形県〜飛島〜

山形県酒田市の飛島は、酒田港より北西39kmの海上に浮かんでいます。江戸時代より酒田港に入港する船の「風待ち港」として利用されていたため、漁村として独自の発展をしました。しかし、飛島で話されている方言は、つながりの深い酒田市と大きな相違はありません。

宮城県〜気仙沼大島〜

気仙沼大島は宮城県の北東部に位置しています。岩手県南部の沿岸地域と地理的に連続しているため、方言も宮城県の言葉の他に岩手県南部の沿岸地域の言葉とも共通した面がみられます。

東京都〜式根島・父島〜

伊豆諸島の式根島は歴史が浅く、明治22年に新島から移住してきた人々が初代です。地理的に近い静岡県の方言や、流刑地としての歴史がある伊豆諸島ならではの古い武家言葉が残っています。三・四代目になると北海道から沖縄まで全国から労働者が流入し、それらの言葉が混ざり合ったのが式根島の方言です。また、父島は日本に返還され約55年です。欧米系で母国語が英語の「旧島民」と呼ばれる方が多いため、日本語と英語が混在した会話をする機会があるようです。

新潟県〜粟島〜

粟島には内浦地区と釜谷地区の2つの集落があります。最初の移住者は奈良時代まで遡ります。内浦集落は越前(福井県北東部)から、釜谷地区は九州からの移住者が多かったようです。方言は越後方言に分類されますが、2つの地域で若干の違いがあります。