東京に属す独自の生態系が
育まれた絶海の孤島

SHIMA INFORMATION

関東・中部エリア/ 東京都

父島 (小笠原村) ちちじま

面積
約23.45㎢
人口
約2,137人(2021年5月1日時点)
観光スポット
海水浴場、旭山、千尋岩(ハートロック)
特産
パッションフルーツ、島レモン、コーヒー豆など
アクセス
東京港・竹芝客船ターミナルから定期船おがさわら丸で約24時間
URL
https://www.ogasawaramura.com/

父島 (小笠原村) chichijima

ユネスコの世界自然遺産に登録され
固有植物が多く自生する絶海の孤島

父島は東京都でありながら、本州から南に約1,000kmも離れた場所に位置する絶海の孤島です。一度も大陸と陸続きになったことがない海洋島で、独自の生態系が育まれていることから、2011年にはユネスコの世界自然遺産に登録されました。島の大部分が国立公園に指定されており、固有植物が多く自生しているのも特徴。父島の南西部にある無人島「南島」は、石灰岩が浸食・風化してできたカルスト地形となっており、島自体が国の天然記念物に指定されています。南島は自然への影響を抑えるために1日あたりの上陸可能な人数・時間に制限がありますが、扇池と呼ばれる入江はこの世の風景とは思えないような絶景を楽しめるため必見です。また父島は2年連続で環境省から日本で一番星空がきれいに見られる場所に選ばれており、夜には満天の星空が楽しめます。晴れていれば1年中天の川を見ることも可能。小笠原諸島は日本最大のアオウミガメの産卵地でもあるため、運が良ければ5~8月には海岸で産卵を見ることもできます。気候は亜熱帯気候で夏は気温が30度程度、冬は20度程度となっており、寒暖差があまりないのが特徴です。本州からの距離が遠く、島内にはスギ花粉やヒノキ花粉がないため、避粉地でもあります。水温も高く、5~11月まで水着で海水浴やシュノーケリングを楽しむことができます。宿泊施設は民宿やゲストハウスが主となり、船便の影響で3泊する必要がある場合も多いため、事前予約が必須です。移動手段は電動アシスト付きレンタサイクル、レンタカー、レンタバイク、タクシー、路線バスがあります。

最初の定住者は欧米人など20人ほど
日本領土と認められたのは明治以降

小笠原諸島は、1593年に信州深志(松本)の城主であった小笠原長時のひ孫にあたる小笠原貞頼が発見したと伝えられ、そこから小笠原諸島と名付けられました。最初の定住は1830年のことでしたが、欧米から多数きていた捕鯨船に水や食料を供給するために住み着いた欧米人5人とハワイ人約15人だけで、日本人はいませんでした。その後、明治になってから1876年に日本が領有宣言を行い、小笠原諸島は国際的にも日本領土として認められたのです。父島を含む小笠原諸島では、亜熱帯性気候を生かした果樹や野菜の栽培、漁業などが行われ、大正後期には人口が7000人を超える最盛期に。ところが太平洋戦争で島の様子は一変。1944年には6886人の島民が本土へ強制疎開させられてしまいます。戦後の小笠原諸島は米軍の統治下に置かれ、帰島を許されたのは一部の欧米系島民のみ。すべての島民の帰島が許されたのは1968年6月26日、小笠原諸島が日本に返還されたときでした。1979年4月には村政が確立。自然と共生できる新しい村づくりがスタートし、今日に至ります。なお小笠原諸島は1878年ごろに日本で初めてコーヒー栽培が行われた場所で、現在でも島内のカフェでコーヒーを楽しめるほか、コーヒー豆をお土産として購入も可能。収穫数が少なく希少性が高いため、見かけたら購入しないとすぐに売り切れてしまいます。

ホエールウォッチングやダイビング
1年を通しドルフィンスイムも人気

父島の近海にはイルカが生息しており、1年中イルカと一緒に泳ぐドルフィンスイムが楽しめます。また小笠原諸島は1988年に国内で初めてホエールウォッチングが行われた場所でもあります。現在も12~4月には父島近海にザトウクジラが出産・子育てのためにやってくるため、ホエールウォッチングが盛んに行われています。小笠原諸島の群青交じりの青い海はボニンブルーと呼ばれており、カラフルなサンゴ礁や熱帯魚、ギンガメアジやイソマグロの群れなどを観賞しながら泳げるスキューバダイビングが人気。サンゴ礁や沈没船周りでのシュノーケリング、シーカヤック、釣りなどを目的に来島される方も多いです。また陸域では島内の多くのエリアが自然保護区の森・山になっているため、島内ガイドと一緒に森歩き・トレッキングを行うツアーも人気。森のなかには第二次世界大戦で使われた砲台や飛行機の残骸、地下壕の跡が多数残っており、それらを見る戦跡ツアーもあります。夜の森を散策するナイトツアーでは、緑に光るキノコ「グリーンペペ」や、天然記念物に指定されている「オガサワラオオコウモリ」が飛ぶ姿などを見ることもできます。島内の飲食店では、島魚や島野菜を使った料理が楽しめるほか、ウミガメ料理も有名で、刺身や寿司、煮込みなどを味わえます。

夏は花火大会や星空観望会を開催
新年には日本一早い海開き

父島では7月末~9月上旬にかけて「小笠原サマーフェスティバル」が開催され、期間中にはさまざまな催しが行われます。具体的には、芝生の広場で輪になり、毎年アンコールが起こるほど盛り上がる「盆踊り」をはじめ、海面に映る花火が幻想的な「納涼花火大会」、満天の星空を天体望遠鏡で眺める「星空観望会」、ミクロネシア地域から伝承され、東京都の無形文化財にも登録されている踊りを体験できる「南洋踊り&KAKA」などがあります。年末には父島の1年を振り返る映像を上映しながら、島民と観光客が入り混じって打ち上げ花火とともに新年を迎える「カウントダウンパーティ」を開催。365日泳げる父島では海開きがどこよりも早く、新年には「日本一早い!海びらき」というイベントが開催され、海の安全祈願を行う神事や郷土芸能の披露、福引大会などが行われます。また、定期船おがさわら丸が父島を出港する際には、ダイビングやドルフィンスイムなどの複数のボートがおがさわら丸と並走して見送りを行っており、その光景は感動的。自然とともに生きる父島では、季節ごとにさまざまイベントが開催されており、島民と観光客が一緒になって盛り上がることができます。

情報提供 / 小笠原村観光協会

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