独自の文化と
地の恵みが育んだ
色とりどりの
島工芸を求めて

島の工芸をめぐる 離島ブルー

熊本県 天草下島、鹿児島県 奄美大島、沖縄県 屋我地島地図、沖縄県 石垣島

島の自然と人々が生み出し
守り伝えられる島の工芸
多彩な島の青を映し取った
「離島ブルー」の美しさに触れる旅へ

島の雄大な自然や歴史的な文化の中で生まれた工芸品には、奥深い美しさや、豊かな色合い、継承される技術などそれぞれに個性が溢れる。伝統と革新が融合しながら受け継がれる島工芸の世界とは。今回は、島の海の色を彩ったような「離島ブルー」をテーマに、日本の美、離島の美を体現している工芸の歴史と魅力をご紹介。

自然の泥土で染める
独特の光沢と渋さが美しい
奄美大島の伝統工芸

 鹿児島県本土と沖縄本島のほぼ中間に位置する「奄美大島」。日本の離島の中で2番目に大きい奄美大島は、島の大半が森に囲まれていて、世界的にも稀な亜熱帯性降雨林やマングローブ林が広がり、絶滅危惧種のアマミノクロウサギが生息するなど、希少動植物とありのままの自然が残る原風景が魅力だ。

薩摩や琉球との歴史を経て、あらゆる文化が取り入れられた奄美大島は、ほかにはない独自の文化を築いてきた。その中で、日本を代表する絹織物として奄美大島で大切に継承されてきたのが「大島紬」。その深い色合いと繊細なデザインは、いくつもの工程を手作業で行う職人技と奄美の大自然の恵みから生み出される。

 鹿児島県本土と沖縄本島のほぼ中間に位置する「奄美大島」。日本の離島の中で2番目に大きい奄美大島は、島の大半が森に囲まれていて、世界的にも稀な亜熱帯性降雨林やマングローブ林が広がり、絶滅危惧種のアマミノクロウサギが生息するなど、希少動植物とありのままの自然が残る原風景が魅力だ。
 薩摩や琉球との歴史を経て、あらゆる文化が取り入れられた奄美大島は、ほかにはない独自の文化を築いてきた。その中で、日本を代表する絹織物として奄美大島で大切に継承されてきたのが「大島紬」。その深い色合いと繊細なデザインは、いくつもの工程を手作業で行う職人技と奄美の大自然の恵みから生み出される。

世界三大織物の一つ
泥と絹糸から生まれる
美しき織物「大島紬」

約1300年の歴史を誇る日本の伝統的工芸品「大島紬」。30以上もの製造工程を経て、完成まで半年から一年以上の時間をかけて作り上げられる。織る前に糸を染める先染めを行い、手織りの平織りで織り上げるなど、工程の一つひとつが複雑で、伝統的技法を用いて作る大島紬は、日本が誇る絹織物の最高峰の一つだ。優雅な光沢と、しなやかで軽く、着込むほどに肌に馴染む、着る人に優しい織物として、奄美大島を中心に多くの人に親しまれてきた。

島の自然が育んだ泥田で
奄美の大地の色に染めていく

大島紬を作る工程でカギとなる「泥染め」は、世界中で唯一、奄美大島だけでおこなわれている天然の染色方法。シャリンバイ(バラ科の植物)に含まれているタンニン酸色素と、泥土に含まれる鉄分が化学反応を起こし、ナチュラルで深みのある色に。なめらかな泥に浸してじっくり染めることで、繊維を傷つけることもない。奄美大島の大地が与えてくれる泥染めで、奥深い色へと丁寧に染め上げる。

着物愛好家も憧れる
繊細で優美なデザインを
職人の技で織りなす

染色した糸は何人もの職人の手で加工される。絹糸に色を入れ、乾燥した泥を取り除き、一本一本丁寧に仕上げていく技術は、まさに神業。丹精込めてできた糸を使って、図案の通りに正確に織っていく。細かな点と点を紡ぎながら、何ヶ月もかけて織る上げる作業は、時間と同じだけ想いが込められている。
大島紬には多種多様な柄があるが、その中でも有名なのが「龍郷柄」。奄美を代表する古典柄で、奄美に自生するソテツの葉と実を幾何学模様で表現している。

大島紬パッチワーク
ペンケース

2,200円

大島紬サコッシュ

8,800円

大島紬7マルキ
ネクタイ

19,800円

大島紬ガマ口小銭入

2,200円

大島紬亀甲柄扇子
(扇子入付)

16,500円

大島紬村で泥染め体験

奄美大島にある本場奄美大島紬の織元が運営する「大島紬村」で、実際に大島紬を染める泥田での泥染めを体験してきました。大島紬、泥染めに携わって40年以上の泥染め職人に教わりながら、Tシャツ・ハンカチ・エコバックを染めていきます。

  1. STEP.01

    デザインを考える

    ハンカチやTシャツなどの素材にどんな模様を入れるか決めたら、綿糸やゴムなどを使って絞りを施していきます。

  2. STEP.02

    染料を布に染み込ます

    シャリンバイの木から抽出した染め液と石灰水につける作業を3回繰り返します。泥染め前の大事な工程です。

  3. STEP.03

    泥田に入って泥染め

    漬けたり揉んだりしながら、滑らかな泥でしっかり染めていきます。素足で入ると、自然の泥パックみたいで気持ちいい。

  4. STEP.04

    泥を洗い流す

    泥染めの後は水洗いで泥を落とし、生地を煮込みます。定着液に浸けて、乾燥させたら、絞りをほどいて完成です。

  5. 完成

    絞りの強弱や染める時間で模様や色の出方が異なり、オリジナルの泥染作品に仕上がります。奄美大島の自然に囲まれながら、天然素材を活用した染物体験で、島の工芸に触れることができますよ。泥染め職人の方言まじりの指導も奄美大島ならではの楽しい時間でした。

沖縄県/屋我地島 やちむん

沖縄の大らかな自然や
穏やかな人々を表現する
伝統的な焼き物

 沖縄本島と大橋でつながる「屋我地島」。壮大に広がるサトウキビ畑に、エメラルドブルーに輝く海、沖縄らしいのんびりとした風景が心地いい。そんな沖縄が誇る伝統ある工芸が「やちむん」だ。やちむんとは、沖縄の言葉で焼物のこと。「やち」は「焼き」、「むん」は「物」を意味している。琉球王国時代に作り始めたといわれており、

その歴史は約400年以上にも及ぶ。琉球王朝が海外と盛んに交易をしていたことから、中国や東南諸国の陶磁器が多く持ち込まれたことによって、焼き物の文化が発展した。そこから幾千の時を経て、多様な技術を磨き、時代に応じて様々な変化をしながら、沖縄本島だけでなく離島の職人たちによってやちむんは作られ続けている。

 沖縄本島と大橋でつながる「屋我地島」。壮大に広がるサトウキビ畑に、エメラルドブルーに輝く海、沖縄らしいのんびりとした風景が心地いい。そんな沖縄が誇る伝統ある工芸が「やちむん」だ。やちむんとは、沖縄の言葉で焼物のこと。「やち」は「焼き」、「むん」は「物」を意味している。琉球王国時代に作り始めたといわれており、その歴史は約400年以上にも及ぶ。琉球王朝が海外と盛んに交易をしていたことから、中国や東南諸国の陶磁器が多く持ち込まれたことによって、焼き物の文化が発展した。そこから幾千の時を経て、多様な技術を磨き、時代に応じて様々な変化をしながら、沖縄本島だけでなく離島の職人たちによってやちむんは作られ続けている。

島の自然を感じる佇まいと
生命力みなぎる
沖縄の器

南の島の豊かな風土と気候に恵まれた沖縄の土が、やちむんの特徴である風合いを作り出している。一般的な陶器より少し厚みがあり、あたたかみのあるフォルムが印象的。土をこね、形を作って焼き上げる工程に匠の技が光る。鮮やかな絵付けにも注目。永遠と長寿、子孫繁栄を表す「唐草模様」や、富と幸福、食に満たされる豊かさを表す「魚紋」など、それぞれに暮らしを想う意味も。やちむんの個性を引き立たせる多彩な紋様は、生命力にあふれている。

青く、深く、澄み渡る
沖縄の海を映し出す
サンゴブルーのやちむん

素朴な土本来の色味を生かしたものや、南国感漂うカラフルな絵柄のものなど、バラエティ豊かなやちむんの中でも代表的な、沖縄の青い海を彷彿させるようなサンゴブルー。爽やかな色合いが美しく、どんな料理も引き立ててくれる。暮らしや用途に合わせて形や色を変えて、やちむんは親しまれ続ける。

沖縄県/石垣島 八重山みんさー織

永遠の愛を謳うミンサー
五つと四つの絣模様に
想いを刻む工芸品

 沖縄県の中でも3番目に大きい島「石垣島」。八重山諸島の経済や観光の中心となる、日本最南端・最西端の拠点都市だ。沖縄ならではの、南国特有の温暖な亜熱帯海洋性気候と透明度が高い海も魅力で、年中観光客で賑わっている。その石垣島と竹富島で古くから織り継がれる伝統的な織物が「八重山ミンサー」。木綿糸を使って、経畝織りで織られるのが

特徴で、「ミン」は「綿」、「サー」は「狭い帯」を表している。元々は、藍一色の「ミンサーフ」という帯で、女性から男性へ贈られていた歴史があり、この帯が今日の「八重山ミンサー」の原型といわれる。島の大自然と人々の感性の影響を受けながら、八重山ミンサーの技法や色彩が確立していき、今日まで大切に受け継がれている。

 沖縄県の中でも3番目に大きい島「石垣島」。八重山諸島の経済や観光の中心となる、日本最南端・最西端の拠点都市だ。沖縄ならではの、南国特有の温暖な亜熱帯海洋性気候と透明度が高い海も魅力で、年中観光客で賑わっている。その石垣島と竹富島で古くから織り継がれる伝統的な織物が「八重山ミンサー」。木綿糸を使って、経畝織りで織られるのが特徴で、「ミン」は「綿」、「サー」は「狭い帯」を表している。元々は、藍一色の「ミンサーフ」という帯で、女性から男性へ贈られていた歴史があり、この帯が今日の「八重山ミンサー」の原型といわれる。島の大自然と人々の感性の影響を受けながら、八重山ミンサーの技法や色彩が確立していき、今日まで大切に受け継がれている。

八重山ミンサー独特の
手くくりによる絣で
素朴な風合いを表現

経糸と緯糸に木綿糸を使う八重山ミンサー。その工程は意匠設計、染色、絣括り、糊張り、巻取りなどの下準備作業を経て、綜絖通し、製織(織り)をして布が仕上がる。一つひとつ丁寧に手作業で作られており、職人たちの技術と想いから八重山ミンサー織が形となっていく。

「いつの世までも末永く」
愛する人への想いを織り込んだ
ロマンチックな工芸

五つの絣柄と四つの絣柄を特徴とし、綿糸を藍で染めて織った細帯。八重山ミンサー織の最大の特徴である五つと四つの絣模様には「いつの世までも末永く幸せに…」という意味合いが込められている。

綿の風合いと、独特なミンサー絣を大切にしながら、南国の自然をモチーフとした豊かな色彩やデザインでさまざまな製品が作られている。帯やバッグ、小物など職人の手で織り上げられる八重山ミンサーは老若男女問わず愛されている。

熊本県/天草下島 天草更紗

異国情緒あふれる染文様に
天草の色を吹き込んだ
細密な更紗

 熊本県南西部にある天草諸島のうちの一つ「天草下島」。天草上島と天草下島、御所浦島で構成される天草諸島の中でも最大の島で、周囲を透き通った美しい海が囲む。天草四郎率いる民衆と領主が争った「天草島原の乱」の舞台としても有名な天草下島は、南蛮文化やキリシタンの歴史が大きく影響し、今も異国文化が色濃く残っている。その中で、

誕生、衰退、復興を成し遂げた工芸「天草更紗」。更紗は、海外から舶載された外来の模様布のことで、ポルトガル船やオランダ船によって長崎に伝来した更紗の技術を天草の職人たちが身につけ、天草更紗として製作したといわれている。異国感ある風合いに、色鮮やかで細密な更紗は、庶民まで幅広く愛される布となった。

 熊本県南西部にある天草諸島のうちの一つ「天草下島」。天草上島と天草下島、御所浦島で構成される天草諸島の中でも最大の島で、周囲を透き通った美しい海が囲む。天草四郎率いる民衆と領主が争った「天草島原の乱」の舞台としても有名な天草下島は、南蛮文化やキリシタンの歴史が大きく影響し、今も異国文化が色濃く残っている。その中で、誕生、衰退、復興を成し遂げた工芸「天草更紗」。更紗は、海外から舶載された外来の模様布のことで、ポルトガル船やオランダ船によって長崎に伝来した更紗の技術を天草の職人たちが身につけ、天草更紗として製作したといわれている。異国感ある風合いに、色鮮やかで細密な更紗は、庶民まで幅広く愛される布となった。

伝統と革新から生まれる
モダンでアーティスティックな
更紗を天草で染める

更紗に描かれている模様のモチーフは、鳥獣や人物、草花、幾何学模様など多種多様。伝えられてきた天草更紗の基本は守りつつも、時代に合った変化を繰り返し、”多様な形で伝えられてきたことが天草更紗の独自性”だという。 後継者がなく途絶えた時期もあった天草更紗。江戸~昭和にかけて消滅と復興を繰り返しながら、令和の今、天草更紗の歴史は続いていく。

唐草牡丹のミニトート

5,000円

更紗として古くから伝わる唐草牡丹の柄を用いたミニサイズの縦型トートバッグ。生地は、耐久性のある上質なリネンを使用。唐草牡丹柄は更紗として古くから伝わるもので、唐草は「長寿・繁栄」、牡丹は「幸福・高貴」や「不老長寿」という意味を持つ。

唐草牡丹のチェーンバッグ

13,200円

更紗として古くから伝わる唐草牡丹の柄を用いたクラッチバッグ。コンパクトな見た目で、長財布・スマートフォン・小さなポーチがしっかりと収まる容量。手染めした生地のため、風合いが微妙に異なり1つとして同じ商品は生まれない。

旅を終えて

歴史とロマンが詰まった
個性豊かな島工芸を
後世へと継承したい

工芸は人の手から人の手へ、大切に伝承されながら発展していく。そして、工芸品を手にした人が背景にある歴史や作り手の想いを感じ取り、またそこから歴史が刻まれていくのだろう。離島の工芸は奥深く、色にも形にも一つひとつに意味が込められている。その技術が何百年、何千年との時を経て、今日に受け継がれているのは奇跡に近いと感じる。このSHIMA-Omoiの企画を通して、離島の工芸を紹介できたことを嬉しく思うと共に、今回は青色の工芸品を中心に紹介したが、魅力ある離島の工芸はまだまだ多くあるので、シリーズ化していきたい。

取材協力