和歌山県下最大の
外交の歴史を伝える島

SHIMA INFORMATION

近畿エリア/ 和歌山県

紀伊大島 きいおおしま

面積
約9.47㎢
人口
約1,081人
観光スポット
海金剛、トルコ記念館、樫野埼灯台
特産
クロマグロ(養殖)
アクセス
JR串本駅から車で約10分、レンタサイクルで約30分、路線バスまたは観光周遊バスで40分
URL

紀伊大島 kiioshima

車で気軽にアクセスできる
はじめてアメリカと交流した島

紀伊大島は和歌山県の南に位置し、島の周囲は28kmにもなる和歌山県下最大の島です。大島といっても日本の中には「大島」と呼ばれる島がたくさんあるため、区別をするために「紀伊大島」と呼ばれています。ちなみに島といっても、「くしもと大橋」で本州と繋がっているため、船やフェリーに乗らなくても車で気軽に本州からアクセスすることが可能。そのため観光客も多く、毎年夏になるとダイビングに訪れる人も多い人気のスポットです。また、紀伊大島は外交の歴史を知る上で非常に重要な島です。かつて、紀伊大島の樫野崎(かしのざき)海上でトルコ軍艦の「エルトゥールル号」が遭難した事件がありました。紀伊大島の樫野崎周辺には連なる岩礁があり、台風による強風でエルトゥールル号が押し流され、岩礁に衝突してしまったことにより、沈没してしまうのです。この事件の犠牲者は587人にのぼり、壊滅的なダメージを負いました。しかし、紀伊大島の島民は少しでも多くのトルコ人を救うために懸命に救助活動をしたのです。その結果、69人のトルコ人を救うことに成功しました。その事件の後、トルコ共和国と和歌山県串本町では友好関係が結ばれ、トルコは親日国となったのです。日本とトルコの友好を記念してトルコ記念館が建てられ、現在では観光地となっています。ほかにも、アメリカ商船が寄港した記録もあり、日本の外交史の中でも重要な島として知られています。はじめてアメリカ人が日本を訪れたのは、紀伊大島の樫野崎だったともいわれています。

年間平均17℃の温暖な気候
日本初のクロマグロ完全養殖を実現

紀伊大島は島全体が吉野熊野国立公園の一部となっており、美しい海と自然が特徴です。紀伊半島の南部地域は日本ジオパークにも認定されており、美しい珊瑚を見ることもできるので、ダイビングを楽しむ人も多数。色とりどりの魚を見ることができるのはもちろんのこと、紀伊大島周辺の複雑な地形や岩礁を楽しむというダイバーが多いです。また、紀伊大島ではクロマグロの養殖も行われています。近畿大学の水産研究所が大島実験場として養殖研究を行っているのです。日本で初めて完全養殖に成功しており、某寿司チェーン店で「近大マグロ」としてメニューに載っているのを見たことがある人も多いのではないでしょうか。島内には、マグロの養殖体験をできるスポットもあり、観光客にもアクティビティとなっています。また、紀伊大島の年間の平均気温は17℃と温暖なため、現在では花や柑橘の栽培も盛んです。黒潮の影響で魚がたくさん獲れるため、昔から紀伊大島は漁業が盛んで、かつては捕鯨も行われていました。全盛期には島内に4つの捕鯨会社の基地がありましたが、現在では紀伊大島で捕鯨を行う事業所はありません。しかし、たまに大敷網にミンク鯨などがかかることもあるそうです。

「21世紀に残したい日本の自然百選」
ロケ地にも使われた海金剛

紀伊大島を観光するなら、自然がおりなす絶景スポットを周ることがおすすめ。有名な海金剛(うみこんごう)は、「21世紀に残したい日本の自然百選」にも選ばれている絶景スポットです。荒々しく切り立つピラミッド型の流紋岩が海中から突き出している様は迫力満点。眼前にしたら、思わず息を呑んでしまうでしょう。海金剛は映画「海難1890」のロケでも使われ、映画ファンも必見です。海金剛の近くには「日米修好記念館」もあり、是非合わせて立ち寄っていただきたいところ。1791年にアメリカ商船が2隻寄港しましたが、館内でこの当時の様子を模型、写真などで解説されています。ほかにも、日本最古の石造り灯台である樫野埼灯台も注目スポット。国の史跡にも指定されており、目の前に立てば当時の情景が浮かんでくることでしょう。現在は無人のため、自動で点灯しますが、かつてはイギリス人の技師が滞在していたことも。灯台の周辺には水仙がたくさん咲いており、これは当時その技師が持ち込み、育てたものといわれています。水仙が満開の季節は、樫野埼灯台の白と水仙の花の柔らかい黄色が合わさり、なんとも美しいものです。ノスタルジックな雰囲気を楽しんでみてはいかがでしょうか。

釣って楽しみ、食べて楽しむ
黒潮の恵みがもたらす海の幸

紀伊大島の豊かな海で釣りをするのもおすすめのレジャー。島の周囲全体が磯釣りスポットとして人気を集めており、年間を通して多くの釣り人が訪れます。特に樫野釣公園センターは自然礁を利用して作られた釣り堀ですが、竿と餌の貸し出しがされているので初心者でも気軽に海釣りを楽しむことができます。定置網で獲れた魚がそのまま釣り堀内に放流されており、釣れた魚はそのまま持ち帰ることも可能。水深7〜8m、広さ800坪ほどの広大な釣り堀で悠然と泳ぐ魚たちを釣り上げる楽しさを味わってみてください。魚たちが置かれている環境は自然と同じなので、釣果が天候に左右される点もおもしろいポイントです。初心者からプロまで幅広く釣りを楽しむことができます。樫野釣公園センターにはレストランも併設されており、季節に応じて伊勢海老やアワビ、ブリなどの新鮮な魚介を味わえますので、釣りはせずとも併設のレストラン目的で出向いても良いかもしれません。紀伊大島内には民宿やゲストハウス、民営のキャンプ場、グランピング施設がいくつかあるので、あらかじめ予約をしておけば宿泊に困ることはないでしょう。夏場のハイシーズン時は混雑するので、余裕を持って予約しておくことをおすすめします。

情報提供 / 南紀串本観光協会

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