伝統的な漁村集落が
そのまま残る暖かい島

SHIMA INFORMATION

四国エリア/ 徳島県

出羽島 てばじま

面積
約0.65㎢
人口
約84人
観光スポット
漁村集落の風情
特産
天草、島そうめん
アクセス
JR徳島駅からJR牟岐駅まで特急で約1時間18分、出羽島連絡船まで徒歩約10分、連絡船で約15分
URL
https://tebajima.jp/

出羽島 tebajima

200年前から本格的な移住がはじまる
周辺一帯は国定公園に指定される

出羽島は徳島県海部郡牟岐町の離島で四国の南東部に位置しています。牟岐町の沖合からは約3kmの距離で本州と近く海岸線からも眺めることができる周囲4kmの小さな島。江戸時代に徳島藩により島番が置かれ移住が奨励されましたが、島への本格的な移住が始まったのは江戸時代の終わりごろ、約200年前です。人口は全盛期では1000人ほどいたといわれますが、過疎化・高齢化が進み今は84人と減少しました。1882年に設立された出羽小学校は2009年に廃校となりましたが、ヘリポートや避難所として今も活用されています。アクセスはJR徳島駅から牟岐町まで特急で約80分、普通列車で約120分移動。そこから徒歩で牟岐港まで行き、牟岐港からは1日6往復する連絡船が出ています。定員は70人。島内に車は走っておらず、移動手段は徒歩です。ゲストハウスが1件、民泊が2件あり、診療所や簡易郵便局、交流できる休憩所などの施設が揃っています。出羽島は亜熱帯気候に属し、年間を通じて温暖な気候。亜熱帯気候に見られるハイビスカスやハマユウなどの花が群生しており、冬にはエンドウが咲き、南国の雰囲気が漂います。島の最高点、標高76mの位置には、八角形をした塔の上に細長い灯標が立つ蠟燭のような形をしている灯台があります。灯台周辺からは太平洋に浮かぶ津島や大島などを望むことができます。周辺一帯は室戸阿南海岸国定公園となっており、「重要伝統的建造物群保存地区」と「未来に残したい漁業・漁村の歴史文化百選」にも選定されています。

漁業で栄え、全盛期は大正~昭和
文化を未来につなぐ取り組みを行う

島北部の入り江を天然の良港として、カツオ・マグロ業を中心に漁業が栄えていました。近代漁船の動力化・大型化に伴い、沿岸、沖合、遠洋と次第に遠方の漁場へ進出していきながら、出羽島の漁業は大正〜昭和初期に最盛期を迎えます。現在は近海での沿岸漁業が主体となり、潮時には島の女性たちが磯場で天草や貝などを収穫しています。5月ごろに収穫ができる天草は島の特産品。ところてんやようかんにして楽しむことができます。高度経済成長の大規模開発の影響を受けることなく、昭和にかけて形成された町並みはそのまま。江戸幕府の幕末から昭和初期にかけて建てられた歴史的な建物が並び、石積み、石段などを見ることができます。島の北西部に位置する、1871年ごろに構築された石積みの大波止は丸石を建材としている歴史的な遺産となっています。車が1台もない出羽島では、物資の運搬は木製で作られた「ねこぐるま」を使用します。荷物を載せたり、子どもを乗せたり使い勝手はさまざま。過疎・高齢化が進み出羽島の未来も心配されているなか、伝統的なねこぐるまを残していくために、建築やデザインに興味のある学生とリモートでの交流を通して、新たなねこぐるまの制作ワークショップなども行われています。

天然記念物や野口雨情の歌碑が存在
島の魅力を発見できるウォーキング

島を1周できる遊歩道があり、昔の町並みを波の音を聞きながら散策することができます。連絡船乗り場を降りるとすぐに「7つの子」や「赤い靴」などの童謡の作詞家として有名な野口雨情の歌碑があり、牟岐みなと節の一部を知ることができます。灯台まで1kmほどの遊歩道(中央コース)の入口には、町の天然記念物であるオオウナギが生息している共同井戸があります。中央コースはジャングルの中を歩くような自然に囲まれた雰囲気です。灯台から西側に出ると国の天然記念物として指定される「シラタマモ」が自生している大池があります。シラタマモは1億4千年前に繁栄した貴重な藻類として知られ、日本で唯一観察できるのが出羽島。西海岸をずっと歩いていくと漁村集落が見えてきます。民家の特徴として風の被害を避けるために軒高が低く、いぶし瓦の屋根とミセ造り(ぶっちょう)があります。ミセ造りとは折りたたみ式の雨戸のことで、上と下に板があり閉じたり開いたりできるようになっています。下ミセは日常的に道具の手入れなどを行う作業場として使用。島民同士が座って談笑している姿もあり、まるでタイムスリップしたような街並みに触れることができます。予約が必要ですが、地元ガイドと一緒に散策することもできます。東海岸はごろごろとした岩がある海岸線となっており太平洋を眺めることができます。南国の雰囲気があふれる静かな島で、悠久の時の流れを味わってください。

郷土料理を満喫、鞄づくり体験も
交流が深まるアート展を毎年開催

出羽島で随時営業している飲食店はなく、食事は事前予約で島の婦人会の方々が作る郷土料理を味わうことができます。「出羽島セット(1300円)」があり、島周辺で獲れるれんこ鯛の煮汁につけて食べる島そうめん、まぜくり寿司、れんこ鯛の煮つけ、天草ようかんなどのメニューとなっています。まぜくり寿司は牟岐町の伝統的な料理の1つで、甘い金時豆が入っているのが特徴。このメニューは昔から冠婚葬祭の時などに出され、お祭りや行事でも欠かせません。また世界にたった1つのオリジナル帆布鞄を作ることができる出羽島帆布工房も島の魅力の一つです。社長さんは京都から移住したかばん職人。海沿いらしい素材の鞄を作ってみるのもいい思い出になります。帆布工房の主人以外にも、神奈川から移住して民泊を経営している方もいます。このように島に魅了されて全国から移住する人が島を盛り上げています。さらに、出羽島を活性化させるために2013年からアート展を開催。アート展は3月ごろに催され、出羽島への思いを込めた作品を展示しているだけではなく、体験ブースや、講演などもあります。人と人の縁をつなぎ、交流でにぎわうアート展で、出羽島を体験してみてください。

情報提供 / 牟岐町観光協会

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