静かな中海に浮かぶ
牡丹で彩られた火山岩の島

SHIMA INFORMATION

中国エリア/ 島根県

大根島 だいこんしま

面積
約6.74㎢
人口
約3,138人
観光スポット
中国牡丹園、日本庭園由志園、溶岩トンネル
特産
牡丹、雲州人参、中海産赤貝(12月中旬~1月中旬の期間限定)
アクセス
JR松江駅から松江市営バスで約50分
URL
http://kankou-daikonshima.jp/

大根島 daikonshima

火山岩の島は日本ジオパークに認定
牡丹栽培が盛んで特産品は牡丹・雲州人参

大根島は、島根半島と鳥取県の弓が浜に囲まれた静かな中海に浮かぶ島で、島根県松江市八束町に属しています。松江市内からは大海崎堤防道路、松江市美保関町からは森山堤防道路で陸続きになっており、鳥取県の境港市からは江島大橋で陸続きになっていることから、松江市内、米子市内から車にて30分ほどでアクセスすることができて便利な立地です。車で30分もあれば1周できてしまうほど小さな大根島は、皿を伏せたようななだらかな地形で、最も標高が高い「大塚山」でも42mしかありません。大根島は玄武岩の火山岩でできた平坦な島となっており、2017年12月22日に日本ジオパークに認定。溶岩トンネル、スコリア丘(大塚山)、波入港親水公園付近の「波入の湧水(かわ)」が地質・地形サイトとなっているほか、玄武岩の島石や湧き水など、島内のいたるところで火山活動を物語る景色が見られます。スコリア丘と呼ばれる「大塚山」は、赤褐色で多くの孔が開いた火山噴出物のスコリアでできており、ここには噴火口もありました。島内にある2つの溶岩トンネルは、国の天然記念物に指定されています。また牡丹の栽培が盛んな大根島は、牡丹の生産量が全国1位。島内にはさまざまな施設があり、美しい牡丹の花が島内を彩っています。島の大半は畑となっており、朝鮮人参が特産品。大根島で生産される朝鮮人参は「雲州人参」と呼ばれ、最上級品として海外市場でも高く評価されています。島内の宿泊施設は2軒のゲストハウスと1軒の旅館があり、予約は必須です。

たこ島が当て字で大根島へと変化
牡丹栽培は300年もの歴史を持つ

およそ20万年前に噴火した玄武岩の火山岩によって誕生した大根島。「出雲風土記」によると、大根島はかつて「蜛蝫(たこ)島」という名前だったといいます。その名前の由来は、出雲郡の杵築の御崎にいた1匹のたこを、羽の広い大鷲が捕らえて飛んできて、島にとまったからというものです。この「蜛蝫(たこ)島」は島の人たちに誤って「栲(たく)島」と呼ばれるようになり、やがて「たく」が当て字で「太根(たく)島」に変化。さらに「大根(たいこ)島」へと変化し、現在の「大根(だいこん)島」に至ったと考えられています。そんな大根島はかつて牧場として利用されていましたが、平安時代以降に牧場が廃止になり、集落ができたといわれています。現在、農業で中心となっているのは牡丹栽培と雲州人参の栽培で、特に牡丹栽培は300年の歴史があります。大根島の牡丹栽培は、300年前に波入地区にある全隆寺の住職が静岡県遠州の秋葉山へ修行に訪れた際、薬用として持ち帰って境内に植えたのが起源とされています。それがやがて農家に普及。1955年ごろには芍薬の苗に牡丹の芽を継ぐ新しい技術が開発され、農家の主婦たちが全国へ牡丹の行商に出るようになりました。現在では大根島の牡丹は海外にも輸出され、高く評価されています。

天然記念物の溶岩トンネルが2つ
龍神様の住処「竜渓洞」は見学可能

大根島の見どころは、国の天然記念物に指定されている2つの溶岩トンネル。そのうちの1つ「竜渓洞(りゅうけいどう)」は1933年に道路工事の際に偶然発見された溶岩洞窟です。珍しい形状であることから、龍神様の住処になぞらえて「竜渓洞」という名前が付けられました。洞窟内には、世界的にも希少な目が退化した洞窟性の生物が生息しており、学術研究の対象となっています。竜渓洞を見学したい場合は、自然観察指導員の案内で見学が可能なので、事前に連絡を入れましょう。もう1つの溶岩トンネル「幽鬼洞(ゆうきどう)」は、1931年7月31日に国の天然記念物に指定された後、1952年3月29日には国の特別天然記念物にも指定された溶岩洞窟です。旧洞と新洞によってできており、入口部はガス溜まりの広い空間部だったと考えられています。天井部にはガスが抜けたことによって崩壊した痕跡もあり危険なため、まちづくり文化財課が許可した人以外は入洞禁止となっています。また「大根島本陣」には、全国でも類を見ない溶岩庭園があるほか、島根県の天然記念物となっている金魚「いずもナンキン」の展示があり、こちらも必見です。大根島は湧水を中心に集落が形成されており、波入地区にある「波入の湧水(はにゅうのかわ)」も見ておきたいスポットの1つ。こちらの湧水は島根の名水百選にも選定されています。

牡丹施設では牡丹観賞と購入が可能
大根島ぼたん祭も観光客でにぎわう

大根島内にはさまざまな牡丹施設があり、それぞれの施設で牡丹の観賞や購入が可能です。大根島が属する八束町では、1989年から中国山東省渮沢市と技術交流を行って、112品種、10,000本の牡丹を導入。大塚山の麓にある「中国牡丹園」には貴重品種も多数あり、中国固有の大輪や原種に近いものまで一望に見渡せる景観が楽しめます。見ごろは内地のものより少し早く、咲きはじめるのは4月上旬となっています。1万坪の池泉回遊式日本庭園である「日本庭園 由志園」は、牡丹をはじめ1年を通して四季折々の花々や緑で彩られています。室内庭園である「牡丹の館」では年中牡丹が咲いており、季節に応じてライトアップや国内外アーティストとの牡丹コラボレーションなどがあり、見どころ満載。花々が咲き誇る美しい庭を眺めながら会席料理を味わえる食事処や、オリジナル商品を扱う売店も併設されており、人気の観光スポットとなっています。また島内が牡丹の花で彩られる4月下旬~5月上旬には、「大根島ぼたん祭」を開催。美しい牡丹を堪能できる牡丹切花品評会や、牡丹と休憩スポットを設けた牡丹ギャラリー、牡丹畑を巡るぼたんウォークが行われるほか、郷土芸能などのステージ、おいしい郷土料理などを集めた屋台村も登場。多くの観光客でにぎわう人気のイベントとなっています。

情報提供 / 松江観光協会八束町支部

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