小規模集落の歴史が生んだ
昔ながらの風景を残す島

SHIMA INFORMATION

九州・沖縄エリア/ 大分県

保戸島 ほとじま

面積
約0.86㎢ 
人口
約600人 
観光スポット
歴史文化財産百選の漁村、加茂神社、景行天皇の腰掛岩、高甲岩、ウォーキング(遠見山、桜坂)
特産
アクセス
大分駅からJR日豊本線で約1時間、津久見駅で下車。徒歩で津久見港へ。津久見港から定期船で約25分
URL
https://tsukumiryoku.com/publics/index/109/&anchor_link=page109#page109

保戸島 hotojima

異国情緒漂う独特な景観が魅力的
町の中も目を見張るものだらけ

大分県津久見市の四浦半島の先端に位置し、津久見港から約14㎞の豊後水道に浮かぶ周囲4㎞、面積:0.86㎢の小さな保戸島。名前の由来は、景行天皇が美しい海藻に感動して「最勝海藻の門(ほつめのと)」と名づけ、その名前の最初と最後をとって「保戸島」になったといわれています。遠洋マグロ漁業の島として全国的に有名で、遠洋マグロ漁業の漁船はこの島を拠点に出港しています。マグロ漁業の歴史は古く、明治中期ごろに始まり、保戸島の漁業を支える柱となっています。島には平地が少なく、海岸から山への傾斜面に3~4階建ての住宅がひしめきあい、地中海の港町を連想させる独特の景観をつくっています。その保戸島の漁村・漁民の歴史的・文化的に価値の高い施設や優れた景観などが、水産庁から「未来に残したい漁業漁村の歴史文化財産百選」に選ばれました。おおいたグルメグランプリを2年連続で金賞を受賞した「ひゅうが丼」をはじめとする地域色豊かな食文化が数多く存在し、伝統的な夏祭りが長く受け継がれていることも選定評価に加味されたのです。家と家の間を通る細い路地や階段は複雑に入り組んでおり、まるで巨大迷路みたいで楽しみながら散策することができます。高台に上がって町を見渡すと絶景フォトスポットが待っています。また、日本一狭い県道といわれる県道612号線の存在など、保戸島ならではの珍スポットも評判です。津久見港から約25分の船旅で、異国情緒漂う独特な景観や珍しいマグロ料理を楽しめるとあって観光客からは高い評価をされています。すれ違う島民とのふれあいや非日常の中でのスローな時間を体感するには最適です。

景行天皇とのかかわりがとても深く
マグロ漁の歴史でも一時代を築く

島の歴史は古く、景行天皇が腰掛けたといわれる岩や、京都の上賀茂神社の分霊を祀った加茂神社などがあり、とても伝統のある島です。漁港近くにある「景行天皇の腰掛岩」は、埋め立てる前までは腰掛岩の高さまで潮が来ていたとのこと。つまり、海に隠れて小さく見えるようで実際は大きな岩だったのです。その岩に景行天皇が東征のときに豊後国(大分県)を訪れ、保戸島にも寄ったときに腰掛けた、といわれたことから「景行天皇の腰掛岩」と呼ばれるようになりました。景行天皇が保戸島と名づけたという逸話は奈良時代初期に編纂された豊後風土記にも書かれており、1300年くらい前から史実として残っていたことが分かります。また、保戸島はマグロの島として有名です。明治中期に始まったといわれるマグロ漁により、北海道三陸沖および紀州沖から土佐清水沖、遠くは赤道付近まで延縄漁業という手法を駆使し、まぐろ漁の基地として一時代を築きました。最盛期では167隻、年間水揚げ高は140億にも及び、単一漁協では日本一を誇っていました。現在でも遠洋マグロ漁業、そして近海の豊後水道での一本釣り漁業や海運業など、海の仕事を主な生業としています。

おおいたグルメグランプリ2年連続金賞受賞
ご当地グルメの最筆頭「ひゅうが丼」

名物「ひゅうが丼」は、保戸島の漁師が過酷な漁の合間に手早く栄養が取れるようにと考案された漁師料理。マグロの赤身を切身にして、ゴマや醤油・砂糖などの調味料とねぎなどの薬味を入れたゴマだれと和え、それを熱々のご飯の上にのせた丼です。マグロをおいしくいただける調理方法で、今では保戸島の郷土料理の定番として有名です。名物料理は、マグロ料理だけではありません。「ひじきめし」は、ひじきをふんだんに使った、10種類以上の具沢山な彩豊かなまぜご飯。「かずまき」は、江戸時代より対馬で作られて評判のあった「かすまき」を復刻した伝統菓子。歴史ロマン漂う銘菓です。ほかにも保戸島の名前の由来ともいわれている海藻の「くろめ」など、ご当地グルメは豊富にあります。観光スポットは、歴史文化財産百選の漁村はもちろんのこと、歴史ある神社仏閣が点在しています。「加茂神社」は、小高い山の上に鎮座する島の鎮守神として、京都の上賀茂神社より別雷命(ワケイカヅチノミコト)を勧請したと伝えられています。ほかにも「景行天皇の腰掛岩」、海難事故船の供養や航行の安全を祈願する地蔵などの史跡、海水浴もできる美しい自然海浜「瀬の浜」、奇岩「高甲岩」など景勝地も見逃せません。

島民と観光客でにぎわう夏祭り
島おこしの団体も大活躍!

勇壮な「加茂神社のお祭り」や「保戸島盆踊り」「お大師様のお接待」「観音様の御縁日」など、都会では失われつつある昔ながらの風習を残した催し物が島内で行われています。加茂神社のお祭りは、3月、7月、12月に行われます。中でも7月に行われる夏季大祭「保戸島夏祭り」では、神楽が奉納され、神輿や獅子舞が島を巡幸し、多くの見物客で島が最もにぎわいます。祭りのハイライトは、漁師の島らしく、男たちが神輿を担いで海に入っていくシーン。その勇壮な姿にはどよめきが起こります。夏祭りは2日間にわたって行われ、神事のほか、魚のつかみ取りなどの楽しいアトラクションもあり、最終日には花火が打ち上げられます。この日は特に多くの島民と観光客が一体となって祭りが盛り上がります。この祭りをはじめ、島おこしのために活躍している団体があります。それが「島おこし団体 穂門ノ郷」です。環境に配慮するとともに伝統的な歴史文化などを守りながら地域に根差した活動を行うことで地域住民との親睦を深め、地域経済および地域活性化のため各種活動を行っています。伝統銘菓「かずまき」を復興したり、夏祭りやお盆では、休憩所の設置、出店での食事・飲料の提供に取り組むなど大活躍。また、遠見山の清掃に参加したり、「津久見くらしの体験博覧会津っぱく」でイベントを開催したり、地域興しの活動を積極的に実施しています。

情報提供 / 津久見市観光協会
画像提供 / 津久見市観光協会

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