日本の秘境100選に選定された
断崖に囲まれた島

SHIMA INFORMATION

九州・沖縄エリア/ 鹿児島県

竹島 たけしま

面積
約4.20㎢
人口
約67人
観光スポット
籠港、聖大明神社、ガジュマルの木
特産
大名たけのこ
アクセス
鹿児島港から高速バスで約40分、鹿児島中央駅で下車。バスまたはタクシーで鹿児島本港南埠頭へ。鹿児島本港南埠頭から定期便で約3時間
URL

竹島 takeshima

断崖スポットから見る海の絶景
マリンブルーが美しい日本の地中海

竹島は三島村3島のうち、鹿児島市から出て最初に着く有人離島です。島の最も高い山で標高220mという起伏のない平坦な地形が特徴で、竹島という名の通り島全体が竹(大名竹)に覆われています。硫黄島・黒島と合わせて三島村を構成。この3島は「日本の秘境100選」に選定されています。海岸の多くは絶壁になっており、島の南側には荒々しく切り立った断崖に囲まれた籠港(こもりこう)があります。石灰岩から造られた白亜の断崖と青く澄み渡った海が、まるで地中海にいるような雰囲気を醸し出しています。ほかの断崖スポットでも、透明度の高いマリンブルーの海を望むことができます。籠港は漁船の避難場所として利用されていました。竹島が歴史上に最初に表れるのは日本書紀巻二五孝徳天皇の時で、博多を出港した遣唐使船が2か月後に竹島へ難破したと記されています。当時の犠牲者を火葬したオンボ崎と呼ばれる岬は、隣の硫黄島を望む絶景スポットとして親しまれています。また、島の随所には3000年前頃の縄文後期の遺跡が残っていたり、三島村指定文化財に認定されている「聖大明神社」や「六地蔵」が、島の歴史ロマンを感じさせます。「聖大明神社」の境内は島の竹や樹木で覆われ、夏でも涼しい神々しいスポット。特産品は、島を覆う竹林から採れる「大名たけのこ」で、たっぷりと食べ応えのある食感で柔らかく、アクが少なく、焼いても煮ても絶品です。大名の献上品とされていたことから、この名前が付いています。そのおいしさから筍の王様と言われ、鹿児島を中心とした特産品で、南九州では人気の筍です。

鬼界カルデラに足を踏み入れる
巨大噴火の痕跡が露頭に現る貴重な体験

隣の硫黄島と同じく、竹島は鬼界カルデラという巨大噴火の後に残された島。その前から続く火山活動の痕跡が、露頭にはっきりと観察できます。3島は、「三島村・鬼界カルデラジオパーク」と呼ばれ、竹島と硫黄島は国内でもっとも新しい巨大噴火の痕跡が残る島です。そう呼ばれるのは、竹島と硫黄島を挟む海底には、縄文時代に大噴火を起こした「鬼界カルデラ」が眠っていることに由来します。この大噴火は大災害を引き起こし、火砕流は南九州にまで、火山灰は東北にまで及んで縄文時代の壊滅のきっかけになったといわれています。竹島石が切り出され作られた「聖大明神社」ではその精巧な石工の技がみられます。神社には三島村の石でできた狛猫が、雄雌2体揃って鎮座しています。そのほか、水の確保のための工夫がみられる「井川」など、島の生活ならではの工夫が随所に見られます。

海岸線や岬で楽しめるアウトドア
釣りやキャンプでゆったり過ごす

島には観光施設はなく、飲食店もコンビニもありません。宿泊施設は民宿が2軒あるのみで予約が必要です。無垢のまま残された自然と島の静かな時間に身を任せ散策するのがおすすめの過ごし方。島は小さく、歩いても島を廻れるので、春や秋の季節には潮風を感じながらのんびりと散策することができます。島の道を歩いていると大きな道路を覆う圧巻のガジュマルの木と遭遇します。まるで門のように佇んでいる姿は神秘的で、島のシンボル的な存在として力強くそびえ立っています。海岸線は釣りスポットも多く、底まで見える程透明度の高い港に魚群が入ってくることもあり、釣り竿を片手に島をぶらぶらするのもよし。港の堤防からでも大物が狙えるので釣り初心者も楽しめます。竹島港では、夏になるとしばしばウミガメが顔を出し、貴重な体験ができます。島の最西端には景勝地であるオンボ崎は、晴れた日には硫黄島の噴煙や屋久島まで見渡すことができる景観が美しいスポットです。

伝統ある踊りやヨットイベントを開催
星空や地質の自然を穏やかな島で楽しむ

7月に行われるミシマカップでは、薩摩半島枕崎港を出航したヨットが竹島を目指して競い合います。ゴールしたヨットマンは竹島の海でひとしきり泳いだ後、硫黄島での夜のセレモニーへ向かいます。また、8月末には伝統ある「八朔踊り」が開催されます。竹島特有の高さ1m以上にもなる「タカメン」と呼ばれる仮面神が現れ、島の豊饒や病魔退散を祈願して踊りを舞う竹島ならではの儀式です。近年は島の踊り手の高齢化や過疎化が進んで、八朔踊りやタカメンは語られるだけになっています。イベントが少なく静かな島ですが、鹿児島市から船で3時間とすぐに足を伸ばせる距離にありながら、絶海の孤島の雰囲気を味わえます。夜の星空観察もおすすめ。三島村はその全域が三島村・鬼界カルデラジオパークとして認定されており、ダイナミックな地質景観と独自の植生、そこで営まれてきた独自の文化が保全されています。それぞれ違う表情を持つ三島村の硫黄島、黒島も合わせて訪れてみると、壮大なロマンを感じるかもしれません。

情報提供 / 鹿児島県三島村

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