大自然とともに暮らす
火山のある島

SHIMA INFORMATION

九州・沖縄エリア/ 鹿児島県

口永良部島 くちのえらぶじま

面積
約37.77㎢
人口
約118人
観光スポット
天然温泉、島めぐりツアー
特産
大名竹のタケノコ、伊勢海老など
アクセス
①鹿児島空港から飛行機で約35分、屋久島空港へ。バスまたはタクシーで宮之浦港へ。宮之浦港から定期便で約1時間半
②鹿児島中央駅からバスで約20分、鹿児島港高速船ターミナルで下車。鹿児島港高速船ターミナルから定期便で約2時間15分、宮之浦港(屋久島)へ。宮之浦港から定期便で約1時間半
URL
https://kuchinoerabujima.com/

口永良部島 kuchinoerabujima

天然記念物エラブオオコウモリに出会える
希少な動植物が数多く生息する島

屋久島の西方約12kmに位置し、人口約100人が暮らす有人離島です。島へのアクセスは、屋久島から1日1便運航しているフェリーのみ。古くからの豊かな自然が残っており、島全域が「屋久島国立公園」「ユネスコエコパーク」に認定されている貴重な島です。天然記念物と絶滅危惧種が生息する島としても知られています。絶滅危惧種の天然記念物エラブオオコウモリや、絶滅危惧種のタカツルランを代表とする希少動植物が数多く生息しており、鹿児島県指定天然記念物のミシマサワガニも観察できます。エラブオオコウモリは、頭胴長約25cm、翼を広げると40cmほどになります。島で見るには、日没後40~50分がチャンスです。ワシントンヤシやカジュマルの木を見上げると、巨大なエラブオオコウモリの飛翔を見ることができるかもしれません。ほかにもさまざまな動物たちが生息しており、道を歩けば鹿やヤギにも出会えるかもしれません。また、コバルトブルーの海には色鮮やかな珊瑚群が広がります。暖流と寒流が混ざり合っている影響で、魚の数の種類も豊富です。沿岸の海域は透明度が高く、温帯・熱帯性の魚類が生息し、多様性の高い生物層を形成しています。火山の恵みを吸収して育った大名竹のタケノコや伊勢海老が、口永良部島ならではのグルメとして知られています。さらにそれぞれ特色のある天然温泉が4か所も沸いており、火山島ならではの恵みといえます。豊かな海で、釣りやダイビングなどを楽しんだ後に、人足少ない秘境だからこそ味わえるゆったりとした時間が流れる天然温泉でくつろいでみるのはいかがでしょうか。

50万年も前からの火山は今もなお活動中
火山の島らしい天然温泉を楽しんで

口永良部島は上空からの写真を見ると、ひょうたん形の島であることがわかります。太古から噴火を繰り返すことで、地形が形成されていきました。50万年も前から、10個の火山が順々に溶岩や火山灰などを噴出して今の形になり、今もなお活動を続けているのが、島の中央にある新岳です。現在は噴火が活発なため、山に入ることは規制されています。火山の島らしく、島には本村温泉、西の湯温泉、寝待温泉、湯向温泉の4つの温泉があります。それぞれの温泉ごとに、温泉の質や効能は異なっています。すぐにアクセスできる場所ではないことと、珍しい泉質の温泉が多いことから、秘境にある秘湯と呼ばれることもあります。本村温泉は、鉄分を含んだ茶色のお湯。湯船から活火山新岳や夕焼けを望むことができます。西の湯温泉は、波の音を聞きながら入れる波打ち際にある温泉。外湯の湯船からは満点の星空を眺めることができます。2018年の台風で建物と湯船が流されてしまいましたが、島の人たちの手による修繕で復活しました。寝待温泉は、昔から湯治場として島内外の方が利用しています。泉質は乳白色した温泉で、薬効があるといわれています。湯向温泉は、「湯の花」が舞う白濁のお湯が体を温めます。昔から湯向集落で大切にされてきた温泉です。

ダイビングやシュノーケリングを楽しめる
黒潮海流で育まれる多くの種類の魚が美しい

島の海では、黒潮海流で育まれている多くの種類の魚を見ることができます。スキューバダイビング、シュノーケリングでは、ゆったりと海の中の時間を楽しめます。運が良ければ、希少なアオウミガメやエラブウナギに出会えるかもしれません。島は釣りの人気スポットとして知られており、エサ釣り、ルアー釣りなどを楽しむことができます。伊勢エビ漁は有名で9~4月の間に行われますが、資源保護のため産卵期の5~8月は禁漁期間となっています。伊勢エビ夜行性のため、夕方に網をかけ翌日の早朝に網を引き揚げます。口永良部沖のきれいな海で育った伊勢エビは、独特な甘みとプリプリの食感で、濃厚な味噌の旨みも海からの贈り物として堪能できます。また、島の魅力を知ってもらいたいという思いで創られたのが「島めぐりツアー」。島には旅行会社や代理店は1軒もないため、島民による手づくりのツアーによって観光客を案内しています。島民だからこそ知っている貴重な情報を知ることができます。星空やエラブオオコウモリなどを観察できる観察ツアー、岸壁釣りや船釣りなどを体験できる食材採取ツアー、島一周クルージングやシュノーケリング、ダイビングなどの海遊びツアー、トレッキングなどの山遊びツアーなど個性豊かな地元島民のガイドによって楽しむことができます。また、島民ガイドによる島の大自然の体験は、修学旅行や子どもたちの夏季キャンプなどの学びの場としても受け入れを行ってきました。しかし、島にはカフェやレストランや食堂はなく、食糧を調達できるお店は島唯一の農協だけ。宿泊する民宿に、お昼のご飯やお弁当をお願いしておくと、準備してもらうことができます。2021年に新設された口永良部島の公式観光サイトは、島民や島に関わりの深い人たちで制作されました。島の魅力がギュッと詰め込まれた観光サイトをチェックしてから訪れるのもいいかもしれません。

島民に受け継がれている伝統の棒踊り
十五夜祭りでは大綱引きや奉納相撲を開催

島の人が魅せる伝統芸能「棒踊り」と「火ノ本踊り」が観られるのは、7月の奉納祭です。棒踊りは、男性が約91cmと約182cmの棒を持ち勇ましく踊ります。火ノ本踊りは、平敦盛の最期を歌った歌詞に合わせ、女性たちが優雅に踊ります。火山に対する畏敬の念と、噴火の記憶を風化させず備えるという意味が込められた踊りです。8月の夏まつりでは打ち上げ花火が上がり、屋台やカラオケなど島民総出で夏を祝います。9月の十五夜祭りは、自生するカヤを編み月が出ると大綱引きが行われます。そして綱を土俵に奉納相撲が行われ、十五夜の夜を楽しみます。そのほかにも学校と島民の合同大運動会など、月1回程度四季折々のイベントが行われています。しかし、島を観光する上で気をつけておきたいのが火山情報。口永良部島の新岳は、現在も活動している活火山です。立ち入り禁止区域や避難経路をチェックしたり、携帯電波が届かない場所でも安全ルートを確保しておくように事前に情報を確認しておきましょう。

情報提供 / 屋久島観光協会

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