北と南の自然に恵まれた
山形唯一の離島

SHIMA INFORMATION

北海道・東北エリア/ 山形県

飛島 とびしま

面積
約2.73㎢
人口
約180人
観光スポット
御積島(おしゃくじま)、烏帽子群島、飛島海水浴場
特産
トビウオの焼き干し、スルメ、ごどいも(じゃがいも)など
アクセス
①空港からタクシーで約20分、バスは「酒田市役所前」下車、徒歩約10分で酒田港へ。酒田港から定期船で約1時間15分
② JR酒田駅からタクシーで約10分、バスは「山銀前」下車、徒歩約5分。「柳小路」または「中町西」下車、徒歩約9分で酒田港へ。酒田港から約1時間15分
URL
https://sakata-kankou.com/

飛島 tobishima

日本ジオパークにも認定!
大地と海が生んだ独自の地形と文化

飛島は山形県酒田市の北西方向39kmに位置する山形県で唯一の有人離島です。周囲約10㎞の小さな島で、人口180人のうちほとんどが漁業に関わっています。島全域が鳥海国定公園に指定され、2016年に日本ジオパークとしても認定されています。季節によりますが酒田市から1日1~3便の定期船が出ています。1日1便の場合、酒田港を9時半に出発、飛島発が13時45分なので1回の航海での滞在時間が2時間半ほど。タクシーなどの交通機関はなく、移動は徒歩か、無料貸出の自転車になります。島の気候は暖流の対馬海流に囲まれているため、年平均温度が12度以上と暖かく、雪が積もることがほとんどないため、過ごしやすいのが特徴です。夏は猛暑日、冬は氷点下になることがほとんどありません。この温暖な気候により、北と南の動植物が混在し、独自の自然環境に恵まれています。飛島は、日本海を南北に連なる海底山脈の頂上にあたり、海底に積み重なった海底火山の噴出物や泥が、波や風雨に削られて出来上がった平らな地形が特徴です。島の周りには烏帽子群島や二俣島があり、自然が生み出した岩や地層などの見どころが豊富となっています。コンビニやスーパーはありませんが、日用雑貨店と診療所があり、旅館や民宿は9軒あります。特産物にトビウオの焼き干しやスルメがあり、旅館では島料理も堪能できます。飛島のトビウオは「酒田ラーメン」の出汁として使われており、ラーメン消費量日本一の山形県には欠かせない存在。また、かつてスルメで年貢を払うという文化の名残が神社で見られ、漁業文化ならではの雰囲気を感じることができます。

海底火山の活動の歴史を目の当たりにする島
北前船が風待ち港として利用した島

飛島は、壇ノ浦の戦いに敗れた平家の落ち武者が流れつき、島の東側に位置する「法木」で生活をはじめたという伝説が伝えられています。平家の落ち武者が刀や甲冑を埋めたとされる場所も発見されています。平安時代から江戸時代まで領主が変わるたびに島名を変えており、今から400年前の江戸時代初期に「飛島」という名前がつきました。最初は都島(としま)と呼ばれ、渡島(としま)→別れ島→鶴路島(つるじのしま)と名前がつき、潮島(うしおじま)→豊島(とよしま)→とど島と変化。飛島の入り口である勝浦港は、巨大な岩(舘岩)が風を遮る入り江になっていることから、大阪から北海道を行き来する北前船の風待ち潮待ち港、避難港として重要な中継地点でした。かつて酒田港に立ち寄った北前船が3000隻といわれ、多い時はその中の500隻以上が飛島に停泊するほどでした。また、島内には、約6千年前から4千年前の縄文遺跡が3つ存在します。北陸から北東北にかけて出土する種類の土器が発掘されており、昔から船で交流があったことが考えられています。平安時代の人骨や土器類が発見された洞窟「テキ穴」など、不思議なスポットも発見されており、長い歴史を実感することができます。

ダイビングもできる釣りメッカ
遊覧船ツアーや海岸で奇岩に遭遇

飛島は全国磯釣り大会が開催されるほど、釣りで有名なスポット。御積島周辺と烏帽子群島、二俣島などの岩場で大型のマダイ、クロダイ、メジナ、港内や防波堤でもアジやアイナメなどが釣れ、全国から釣りを目的に観光客訪れます。転落防止が設置されている釣り浅橋もあり親子での釣りにも人気。飛島の海は、東北随一で透明度を誇ります。東北では珍しいオノミチキサンゴをはじめとするサンゴが生息しており、スキューバダイビングやシュノーケリングで見ることが可能です。ダイビングをする前には準備が必要なため、ダイビングショップや県漁業協同組合飛島支所にお問い合わせください。また、唯一の飛島海水浴場は湾になっているため、波が穏やかで泳ぎやすく、磯遊びも堪能できます。西海岸には貝殻でできた浜やローソク岩、マンモス岩などのおもしろい形の岩を見ることができます。ゴトロ浜の崖では海底火山が繰り返し噴火し作られた高さ20mの地層があり、昔の地球の活動を肌に感じることができます。ダイビングのスポットとしても人気で竜神の棲家といわれる御積島や、冷えた溶岩でできた烏帽子群島を遊覧船で巡るコースもあります。40分~1時間半コースがあり、遊覧船については旅館や民宿で紹介してもらえます。

春と秋にはバードウォッチング
初夏は花を堪能、五穀豊穣行事を開催

東北の日本海側には離島が少ないため、多くの渡り鳥が飛島を中継地点として利用します。特に春と秋の渡りの時期には、中央アジアやヨーロッパ方面からの珍鳥・迷鳥などもやってくるので、バードウォッチャーには大人気です。300種近い渡り鳥を観察でき、普段は観察しにくい鳥も比較的簡単に休んでいる姿を観察することができます。また、ウミネコの繁殖地として天然記念物に指定されており、「ミャーオ」というにぎやかな鳴き声が島内に響きます。飛島で発見された「トビシマカンゾウ」という花も見どころの1つです。トビシマカンゾウは初夏に大型の鮮やかな黄色い花を咲かせ、高山植物の「ニッコウキスゲ」が海浜環境に適応したものといわれています。海岸近くや日当たりの良い場所に咲き、日本では飛島と佐渡島でしか見られません。そのほか、ユリ科の植物群落もあり、ウォーキングしながら美しい花を観察することができます。夏の行事として毎年7月14日に鳥海山頂の大物忌神社と飛島の小物忌神社、御浜、吹浦、宮海の5か所でかがり火を炊き、その火の見え方によって五穀豊穣を占う「火合わせ神事」を開催しています。古くから伝わる行事は高齢化により存続が危ぶまれますが、島の伝統や文化を守る活動を若者がはじめています。

情報提供 / 酒田市役所交流観光課

【 新型コロナウイルス感染症による影響について 】
新型コロナウイルス感染症の影響により、開催ができない行事などが多数ございます。
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また、各離島への渡航時にはコロナウイルス感染防止に充分配慮をお願いいたします。

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