江戸時代からの文化が受け継がれ
日本の原風景が多く残る島
SHIMA INFORMATION

九州・沖縄エリア/ 長崎県
的山大島 あづちおおしま
的山大島 azuchioshima
伝統的な町並みの港町
現在は避粉地として人気
的山大島は、九州本土の西北端にある平戸島から北上7kmの位置にある島です。山がちの地形のため平地が少なく、複雑な海岸線が特徴で多くの場所には断崖が見られます。特に島の最東端にある大賀断崖の目前に広がる青い海と、真下の切り立った断崖が圧倒的です。断崖の上には広々とした草原が広がり、そばには「大賀キャンプ場」もあります。年中無料で開放されており、展望台、炊事棟も整備。また、島の中心地区である神浦港付近の町並み、「大島村神浦」が国選定重要伝統的建造物群保存地区となっています。湾に沿ってゆるやかに屈曲した通りに、江戸時代中期から昭和初期の木造建築が軒を連ねる漁村の古い町並み。戦後の高度経済成長によって失われてしまった、日本の伝統的町並みの原風景がここには残されています。江戸前期の捕鯨業を契機とし,捕鯨廃業後も水産加工業や船問屋・旅館・大工・製造業などの商工業を基盤として発展した「離島の港町」です。最近では、花粉の飛散率が低い「避粉地」として有名になっており、花粉症の苦しみから逃れたい人たちにとっては安楽の地となっています。本土と比較して極端に杉の木が少なく、本土からの影響をほとんど受けない離島のため花粉症の被害に悩まされることがないそう。そこで、毎年3月に的山大島では花粉症の人を対象とした「避粉地ツアー」を開催。島に上陸した後はマスクを外して、深呼吸したり元気に町並みを散策したりするなど、参加者は花粉症を忘れて春の観光を楽しむことができます。また、毎年8月に花火大会が行われ、ステージイベントや新鮮な魚のつかみ取りで盛り上がったり、11月には「大島村ふるさと祭り」が開催され、平戸牛、米、海産物などがふるまわれるなど、島民が楽しめるイベントも多いです。
山の頂上から見る棚田は
四季の移ろいが楽しめる
的山大島には、天の原棚田・大根坂棚田・川内棚田など美しい棚田が多く存在し、昔ながらの原風景が残されています。特に大根坂棚田は国土交通省「島の宝100景」と、農林水産省「つなぐ棚田遺産」に認定されているほどの絶景。棚田の中に葉たばこ畑が点在し、その風景は5~6月の風物詩です。棚田の先に広がる海を背景に、初夏には青々とした稲や、秋の黄金色に輝く稲穂など、四季折々に変わりゆく景観を望むことができます。大根坂棚田を見るために1番眺望が良いスポットは平の辻農村公園です。この公園は島で1番高い山の頂上、平の辻(216m)にあり、展望台に上れば大根坂の棚田だけではなく、壱岐島など海のむこうまで展望できます。また、幸運な日は対馬の一部も確認でき、大パノラマの景観が楽しめます。離島最大の風力発電(32000Kw)の風車16基と島のコントラストも絶景です。夏の夜には「いさり火」(イカ釣り船)が延々と輝く幻想的な景色も見られます。
歴史の深い伝統芸能が
お盆に一斉に披露される
的山大島では、藩政時代からいくつもの伝統芸能が保存・伝承されています。国選択無形民俗文化財である「須古踊り」は、1574年、現在の佐賀県白石町にあった須古妻木城が落城し、この島に逃れた平井一族が郷里をしのんで踊り伝えたといわれている念仏踊り。帷子(かたびら)に角帯、草履に菅笠(すげがさ)、手に扇子や笛をもって円形になり笛・太鼓・鉦に合わせて歌います。緩やかなテンポで静かな動作を繰り返す踊りです。歌詞は艶っぽく、中世芸能の残存が見られるといわれています。また、県指定無形民俗文化財「ジャンガラ」は大根坂地区に古くから伝承され、お盆に神仏への感謝、先祖供養、豊年祈願などを合わせて公開・奉納されています。鉦打ちは単衣の絣(かすり)、小太鼓を前にさげた踊り子は筒袖を着て、ソウハギを飾った菅笠をかぶり布で顔を隠し素足に草履を履いた素朴な農民の服装が特徴。鉦と小太鼓の音に合わせ「ホーミナゴ、ホーミデ」と唱えながら物静かで軽妙な動きを繰り返して踊ります。1574年に宗対馬長官の弟が壱岐を攻めて負走し、平戸瀬戸までたどり着きましたが、農民が奉納していたジャンガラの音を戦の準備と思い自害しました。敵兵退散の吉例として藩主が奨励して神社やお寺に奉納されるようになったといわれています。そして、須古踊やジャンガラとともにお盆に奉納されている伝統芸能が、「流儀」です。市指定無形民俗文化財に指定されています。藩政時代から明治前期にかけて平戸や田平から伝えられた棒術です。平戸藩の藩校「維新館」で行われていた修業科目の1つで、下級武士や仲間・農民などの棒捕り手の技といわれています。正月の「杖起こし」や「摩利支天を拝む」という武芸伝承の性格を色濃く残しながら受け継がれており、流儀独特の激しい掛け声と技は勇壮です。毎年お盆の時期にはこれらを一斉に公開する「盆踊り合同公開」開催されており、後継者に受け継がれています。u2028
情報提供/平戸観光協会