景行天皇や弘法大師も立ち寄った
珍しい文化が多い島
SHIMA INFORMATION
九州・沖縄エリア/ 熊本県
樋島 ひのしま
- 面積
- 3.45㎢
- 人口
- 1,140人(2024年時点)
- 観光スポット
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外平海岸自然観察公園、不動神社のアコウ樹
- 特産
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ゴホンガゼ
- アクセス
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熊本空港から空港リムジンバスで約50分、桜町バスターミナルで下車。桜町バスターミナルから快速バスあまくさ号で約1時間半、さんぱーるバス停で下車。さんぱーるバス停から九州産交バスで約58分、竜ヶ岳学校前で下車。竜ヶ岳学校前からタクシーで約7分
樋島 hinoshima
渡る時間に要注意!片方通行の橋と
天草のモンサンミッシェル
天草上島の南部に位置する金魚のような形の樋島。樋島の「樋」は雨樋の「とい」のことで、昔から水が豊富だったことがわかります。また、日本の第12代天皇である景行天皇が九州巡幸の帰りに、樋島で水を補給したという言い伝えもあり「水島」の別名がついている島。1972年に完成した「樋島大橋」は、車1台分と歩道だけの道幅しかなく、入り口と出口の信号機により片側通行になる珍しい橋です。島の北に位置する「外平(ほかびら)海岸自然観察公園」では手つかずの自然が残り、海の透明度も高いため、絶滅危惧種に指定されている生物も生息しています。そこから見える小さな無人島は「城島」。有名なフランスの世界遺産「モンサンミッシェル」のような光景が広がる秘密の絶景スポットです。潮が引くと陸続きとなり、歩いて渡ることができます。樋島港からすぐ近くにある、「観乗寺」は1604年、当時の大庄屋である藤田家により建立された浄土真宗西本願寺派寺院。今から400 年前(江戸初期)に開基されたこの寺は九州で随一といわれ、天草上島にたくさんの門徒を持っている由緒あるお寺です。高座といわれる台の上で、宗教の教えを伝える珍しいお説教も聞くことができます。樋島では2ヶ所の港の周りに民家や商店、宿泊施設が集合。「下桶川漁港」から出向している遊漁船は釣り客に人気です。狙い目は大潮の上げ潮時で、良型のチヌが期待できます。
採れたて海の幸を堪能したい
ヒトデを食べられる珍しい島
樋島では古くからヒトデを食べる習慣があり、4月~6月限定で通称「ガゼ」と呼ばれるゴホンガゼというヒトデの卵を食べることができます。日本各地の海岸で普通に見られるヒトデですが、食べられるのはこの島にある「旅館ひのしま荘」限定。産卵期を迎えたヒトデの裏側を開き、卵を食べることができます。ウニの味とカニ味噌のコクの深さに似た味わいなんだそうです。ひのしま荘では地元龍ヶ岳の海で採れた新鮮で、旬の食材を堪能できます。島の伝統的な行事は、「赤ちゃん土俵入り」。明治初期に流行した赤痢(せきり)を鎮めるためにはじまったといわれています。名前の入った化粧回しと鉢巻きを身につけた赤ちゃんたち。 父親や祖父に大事に抱かれて土俵に上がり、寝転がった赤ちゃんたちの元気な泣き声に観衆が盛り上がる行事です。無病息災や五穀豊穣を祈願して、毎年旧暦の6月28日に下桶川不動神社で行われています。この神社の別名は「投筆神社」。その昔、弘法大師がこの地を訪れられた際に、大岩にお経を書かれました。芦北へ向かう船の上で、ふと書いたお経のうちの一字に「`」をつけ忘れたことに気づかれ、岩に向かって愛用の筆を投げられたそうです。それ以来、この付近一帯を「投筆」と呼ぶようになり、大師ゆかりの不動神社がまつられています。また、神社のアコウ樹は、数十年前にあった鳥居にアコウが根付き、もともとあった鳥居を飲み込んでしまったという自然の力を感じるスポットです。
情報提供/天草四郎観光協会