独自の自然に包まれた
イシマササユリと漁業の島

SHIMA INFORMATION

四国エリア/ 徳島県

伊島 いしま

面積
約1.44㎢
人口
約100人(2024年時点)
観光スポット
野尾辺湿原
特産
イセエビ、アワビ、サザエ
アクセス
JR徳島駅から約1時間でJR阿波橘駅へ。答島港から連絡船で約30分
URL
https://www.city.anan.tokushima.jp/docs/2010112900042/

伊島 ishima

室戸阿南海岸国定公園に指定されている
手つかずの自然が多く残された島

四国最東端に位置する蒲生田岬から東に約6㎞離れた紀伊水道に浮かぶ伊島。伊島に加えて、無人島の前島と棚子島の3島を上空から見ると、平仮名の「い」の形に似ていることから、その名前がつけられたのではないかという説があります。本土からのアクセスは徳島県阿南市津乃峰町の答島港から、連絡船に乗り約30分。島の周囲は豊かな水産資源に恵まれ、岩礁帯はイセエビやアワビ、サザエなどの良好な繁殖場になり、島の産業を支えています。島の入り口には防波のための巨大な水門がそびえ立ち、漁港は避難港の役割も担っています。また観光の際にはタクシーや路線バスがないので、徒歩で散策しましょう。気候は温暖で、集落を除く島全域が「室戸阿南海岸国定公園」に指定されており、「イシマササユリ」をはじめとした希少植生物や全国的にも貴重な野鳥を見ることができます。かつての水田跡地である「野尾辺湿原」は、希少昆虫の生息地となっており環境省の「日本の重要湿地500」に選定されています。その周辺には無数の荒磯があり、グレやチヌなどの磯釣りを楽しむことができます。島内には民宿が1軒と自動販売機が1つあり、宿泊者は食事もできますが飲食店はないため、島を訪れる際は飲食物を準備しておくのがおすすめです。豊かな自然を守るため、ごみは各自で持って帰りましょう。

島を淡いピンクに染める
島の固有種イシマササユリ

伊島を訪れるベストシーズンは、5月下旬から6月上旬です。島の固有種である「イシマササユリ」が、芳香とともに淡いピンク色の花を咲かせます。花が咲くのは約10日間という短い期間のため、島を訪れるタイミングが重要です。ササユリは西日本中部地方から九州にしか分布しておらず、自然環境の変化から絶滅の危機に瀕しています。中でも、伊島でササユリが多く見られたのは、ユリの球根を好むイノシシがいなかったことが大きく影響しています。1950年代には畑を耕すために山を開墾するなど、手入れが行き届いた森が多かったためササユリが育ちやすい自然環境が整っていました。当時は沖で漁をしている時にも香りが漂ってくるほど花が咲き乱れていたと言われています。しかし、生活の変化とともに山仕事が減っていくと「イシマササユリ」も個体数が減少していきました。そのため島のササユリを守ろうと、2015年には伊島中学校を中心とする「伊島のささゆり保全の会」が誕生し、保護育成活動に取り組んでいます。山の木を丁寧に伐採したり、ササユリの生育に適した環境を調査するなど、ササユリが増える効果的な方法がないか保全活動を行っています。市内にある阿南光高校ではササユリの培養・育成に取り組み、1987年に初めてバイオテクノロジー(無菌藩種)で育てたササユリの球根を伊島に移植しました。2007年以降は、灯台へ向かう遊歩道沿い(バイオロード)への移植を実施。美しい花を咲かせるようになりました。

情報提供/阿南市産業部商工政策課

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