安芸灘諸島の真ん中に位置する
一本釣りで栄えた漁業の島

SHIMA INFORMATION

中国エリア/ 広島県

豊島 とよしま

面積
約5.64㎢
人口
921人(2024年時点)
観光スポット
十文字山展望台、豊島大橋、小野浦の路地、空海展望台
特産
豊島タチウオ
アクセス
JR広駅前から瀬戸内産交バスで約50分、豊浜桟橋で下車
URL

豊島 toyoshima

豊かな自然が魅力
一本釣りと柑橘栽培の島

豊島は広島県呉市から愛媛県岡村島まで7つの橋を結ぶ「安芸灘とびしま海道」のほぼ中央部に位置し、呉市から数えると瀬戸内海に浮かぶ3つ目の島です。東の大崎下島と結ぶ「豊浜大橋」が1992年に、西の上蒲刈島と結ぶ「豊島大橋」が2008年に開通したことにより、本州から陸続きの島になりました。そのため、本州からバスや自動車、自転車で行くことができ、アクセスも便利です。島全体は標高317mの高雄山を中心にお椀を伏せたような形で、島の東側には北から順に山崎、小野浦、内浦地区と集落が続いています。中でも小野浦地区は漁村集落として知られ、家と狭い路地が入り組み密集した町並みが特徴です。狭くて細い路地は迷路のようで、島に初めて訪れた人を驚かせています。島の産業は漁業が中心で、一本釣りしたタチウオは鮮度がよく傷が少ないため、「豊島タチウオ」ブランドとして注目されています。漁業以外にも、瀬戸内の温暖な気候を活かした温州ミカンやレモンなど柑橘類の栽培が盛んで、特にレモンは品質が良く収穫時期が長いため生産量を伸ばしており、近年は品種改良により、新しい品種がたくさん栽培されています。島の中央部には300mを超える頂が連なり、2か所に展望台が設置されています。そのうち「しま山100選」に選定された「十文字山展望台」からは、瀬戸内海の多島美や四国山地を望む360度の眺望を楽しむことができます。島内で飲食できる場所は海沿いのカフェと路地裏のお好み焼き店の2軒のみなので、訪れる際には営業時間などを確認しておきましょう。

受け継がれる一本釣り
高い技術を持つ漁業の町

県下でも屈指の漁業の島として有名な豊島。1690年ごろにアビ鳥が集まる好漁場が発見されて以来1986年まで、鳥の習性を利用し一本釣りで鯛やスズキなどを釣る「アビ漁」が行われてきました。1891年ごろから県外出漁も始まり、寝室や台所を備えた「家船(えぶね)」と呼ばれる船で、遠くは対馬や五島列島などに出漁していました。1930年の資料では、6県78漁場へ出漁していた記録が残っています。1950 年ごろには豊島の漁師がタチウオ一本釣りをはじめ、県外出漁先の各地に伝えたことからタチウオ一本釣りの発祥地とも言えます。タチウオの漁獲量は1952年が4トンだったのに対し、1973年には106トン、1980年には1,962トンと右肩上がりでした。タチウオは群れをなして広い海域を回遊する魚なので、魚を追って移動する家船生活がタチウオ漁の技術の向上に貢献し、その技術や道具は全国に普及しました。2016年には瀬戸内海全般の漁獲量の減少もあり115トンに減少しましたが、新規漁業就業者の受け入れを積極的に行い、後継者の育成に努めています。2019年には鮮度が良く美しい「タチウオ」がGI(地理的表示保護制度)に登録され、「豊島タチウオ」としてブランド化に成功しました。そのほか温暖で日照時間が長い瀬戸内の気候を活かして、タチウオの干物、ヒジキなどが加工生産され、島の生活を支えています。

しま山100 選に選ばれた
瀬戸内海を360度見渡せる絶景

近年、自転車ツーリングの人気コースとして知られている安芸灘とびしま海道。コースの中間地点である豊島にも、立ち寄るサイクリストが増えています。島の南側山頂にある「十文字山展望台」は、高さ8mリング状の展望台。四国を望む360 度のパノラマ景色は、日本の「しま山100 選」に選ばれました。アニメ「たまゆら」の舞台にもなっており、島の風景が忠実に描かれています。もう1つの展望台は島の中心にある高雄山から遊歩道を 350m歩いたところにある「空海展望台」。展望台の中央にある鐘は、願いごとをしながら鳴らすと叶うと言われています。また昔ながらの漁師町が残る「小野浦地区」は、迷路のような路地に立ち並ぶ昔ながらの町並みが観光スポットの一つになっています。家々の密集度は小さな集落に約4,000人が住んでいた、1950年代当時の様子を後世に伝えています。アビ漁を紹介する「あび資料展示室」と豊浜町まちづくり協議会が作成した「小野浦迷路探検マップ」をきっかけに、手つかずの漁師町を散策するコースが旅行会社のバスツアーに組み込まれ、多くの観光客が訪れるようになりました。小野浦迷路探検マップは豊浜市民センターなどに置かれているので、マップを片手に家と家の間にある狭い路地を散策するのも島の楽しみ方の一つです。

神輿が海に浸かり
獅子が舞い踊る伝統の祭り

古くから命の危険と隣り合わせの漁師達は自然への畏敬の念が強く、豊島では神に祈りを捧げる風習が続いています。島最大の秋祭りは、島の氏神である「室原神社」と海沿いにある「えびす神社」の礼大祭。開催日である毎年9月の第3土•日曜日には、県外に出ている漁師も島に帰ってきて、町中に大漁旗がたなびきます。初日に行う室原神社例大祭は神輿、獅子舞、櫂伝馬船が出る勇壮な雰囲気で、鐘と太鼓の独特のリズムに合わせて跳ねる獅子舞の様子は歴史情緒に溢れています。2日目は漁業の神様を祀ったえびす神社が舞台となります。神輿が海に浸かった状態で回され、櫂伝馬船と押し船で行う綱引き勝負や、船からの餅まきなど盛りだくさんの内容です。祭りのクライマックスには色とりどりの紙テープが空中を舞い、その華やかな様子を写真に収めようとする人が多くいます。10月中旬ごろには島内外からの観客を集める「ビューティフルアイランド祭り」が開催されています。町民の健康づくりと交流を目的としており、美しい海を眺めながらのウォーキングや健康チェックのほか、ステージイベント、おいしい海の幸や特産品を販売する出店などが楽しめます。主催である豊浜町まちづくり協議会は、「小野浦迷路探検マップ」や「ウォーキングマップ」の作成や、ビューティフルアイランド祭りをはじめとするイベントを開催するなど地域おこし活動を積極的に展開しています。

情報提供/呉市豊浜市民センター

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