観光地化していないからこそある魅力
SHIMA INFORMATION

九州・沖縄エリア/ 沖縄県
渡名喜島 となきじま
- 面積
- 3.84㎢
- 人口
- 294人
- 観光スポット
- シュガー浜、島尻毛散策道、フクギ並木、大本田展望台、星空観賞
- 特産
- 島にんじん、もちきび
- アクセス
-
那覇市泊港からフェリーで約2時間
渡名喜島 tonakijima
戦争による破壊を唯一免れた
沖縄の原風景を残した貴重な景観
渡名喜島は那覇から北西の海上約58㎞に位置し、北に粟国島、南東に慶良間列島、西に久米島、東に沖縄本島があり、その中心にある島です。面積は3.84㎢、周囲は12.5㎞、人口も約300人ほどと日本で2番目に小さな自治体です。北部と南部はもともと別々の島でしたが、長い年月で両島の間に砂が堆積し、現在のような1つの島になりました。そのため北部と南部で地形が大きく異なり、ほかでは見られない珍しい地層やダイナミックな風景を鑑賞できます。2つの島が合わさった平坦な所に港や集落ができて、現在の渡名喜村は構成されています。太平洋戦争でアメリカ軍による攻撃を沖縄県で唯一免れた場所で、赤瓦の古民家、白砂、ふくぎ並木という沖縄の原風景が残る数少ない地域であり、現在まで人々の生活に溶け込んでいる神秘的な島です。国内でも貴重な景観が残る地域のため、2000年に国の文化財として「重要伝統的建造物群保存地区」に選定されました。日が沈むと集落の道に「フットライト」が灯り、柔らかな光が白砂の道や石垣を照らして幻想的な雰囲気を漂わせています。昼とはまた違った夜の静けさと趣のある空間が広がり、それは島に泊まった人だけが味わえる特別な景色です。渡名喜島の古い歴史を表しているものに、島内随一の拝所「里殿」「ヌル殿」の拝殿があります。発掘調査から、この地は14世紀から15世紀のグスク時代の遺跡と分かりました。また各平場の隅には小貝塚が形成されており、遺物はグスク系土器、輸入陶磁器、鉄釘、鉄鎌、古銭、鉄滓、牛の遺存骨、炭化米・麦などが出土しています。
島の特性から入手が難しい特産品
「もちきび」と「島にんじん」
沖縄の中でもウミガメがとても多い地域として有名です。ウミガメは1年中見ることができ、満潮時に海岸通りを散歩すれば出会えることも珍しくありません。観光マップにも「ウミガメが見られる場所」が示されているほどです。リーフの切れ目まで行くとさまざまな海の生き物が生息しており、色とりどりの魚たちとも出会うことができます。陸には大きなヤシガニもおり、冬の時期にはクジラの海遊を見ることもできます。それら自然の豊かさから、渡名喜島は1997年に「県立自然公園」に指定されました。特産品としては「もちきび」「島にんじん」があり、それぞれを加工して島内で販売しています。これらは島の特性上、生産量が限られているため、本土への流通はほとんどありません。しかし、限られた生産量である分、手間暇を惜しまずにかけることで作られた「もちきび」と「島にんじん」は、高い栄養価と糖度を持ち合わせており、知る人ぞ知る幻の名産品となっています。「もちきび」は観光協会オリジナルのもので、白米に混ぜて炊くと、特有の風味ともちもち食感を楽しむことができます。「にんじんポリポリ」は、「島にんじん」を醤油と雑魚、シイタケなどで漬けこんだもの。白米にもお酒にもぴったりで「離島フェア優良特産品受賞」商品です。「となっキー」は、「もちきび」と「島にんじん」の葉っぱ入りのさっぱり風味のクッキー。「となきのおやつ」は、もちきび入りのバター風味でやさしい甘さのクッキー。ほかにも「もちきびちんすこう」「島にんじんゼリー」なども特産品として有名です。
自由気ままに時間を過ごし
自分だけのお気に入りを見つける
渡名喜島は観光地化されていないことが魅力です。高級リゾートホテルやプライベートビーチなどはありませんが、島の民宿には赤瓦の家を一棟貸で宿泊できる場所や、ゆったりとした時間が流れるビーチが点在しています。「シュガー浜」は、その名の通り粉砂糖のようにきめ細かな白砂の美しい浜。「呼子浜」は、ウミガメの産卵が見られる砂浜としても知られています。「あがり浜」は約700mの美しい遠浅の浜で唯一遊泳できるビーチです。レジャーとしてはシュノーケリングや釣りをはじめ、重要伝統的建造物の集落散策や島のさまざまな植物を観察しながら自然を満喫できる「島尻毛散策道」でハイキングを楽しむこともできます。樹齢300年ともいわれる「フクギ並木」のトンネルは、ノスタルジックな沖縄の風景を感じさせてくれます。夜は集落内の「フットライト」を歩き、天の川と満天の星を眺めるのがおすすめです。ほかにも屏風状の海崖で見上げるとダイナミックな景観に圧倒される「シュンザ」、久米島や粟国島、慶良間諸島が一望できる「大本田展望台」などの観光スポットがあります。このようにたくさんの魅力がありますが、島民は島に来てあれこれしてほしいとは思っていません。来島していただいた方々が自分の思うままに、自分の時間を過ごしてほしいと願っています。その中で、自分だけのお気に入りを見つけることが、この島の最高の楽しみ方だということです。
大正時代から続く集落の清掃は
作業ではなく今や立派な伝統行事
渡名喜島のイベントは基本的に旧暦に則り開催されています。「シマノーシ」は豊作豊漁・航海安全・家内安全など、島に深く関係する事柄を祈願する最大の祭祀で、2年に1度行われます。「海神祭(ハーリー)」は航海の安全と大漁を祈願する祭り。島の周囲を漁船でまわる漁船パレードや、大漁の魚に見立ててお菓子をまくという「マングシ」が魅力で、もちろんハーリーは最高に迫力満点です。「カシキー(綱引き)」は村民全員で編んだ大綱を使い、各字対抗で綱引きをする豊作祈願の行事。沖縄本島にいる島出身者も多数参加して、日ごろは静寂な島もこの時ばかりは夜更けまで歌や踊りで活気づきます。「となき祭り」は「カシキー」の前日に行われる島の夏祭り。島で採れる農作物や民芸品、屋台などが出店するほか、さまざまなイベントが催されます。夜には花火が打ち上がる夏の風物詩です。「水上運動会」は1919年から続く、全国でも珍しい海の運動会。6月末~8月の大潮の時期に行われます。島民総出で水中綱引きや海中での球技、応援などを楽しんでいる島伝統の学校行事です。「朝起き会」は毎週月・水・金曜日の朝6時30分に集まり、ラジオ体操やランニングなどをした後に、集落内の清掃を行う大正時代から続く伝統行事です。
情報提供/渡名喜村役場経済課