手漕ぎの船で訪れる
手つかずの自然が残る島
SHIMA INFORMATION
関東・中部エリア/ 千葉県
仁右衛門島 にえもんじま
- 面積
- 約0.03㎢
- 人口
- 1人(2024年時点)
- 観光スポット
- 芭蕉塚、屏風岩、源頼朝の隠れ穴
- 特産
- −
- アクセス
-
①館山自動車道君津ICから房総スカイライン鴨川有料道路国道128号を経由し、自動車で約60分。仁右衛門島乗船口から渡船で約5分
②JR内房線太海駅から徒歩約12分で仁右衛門島乗船口へ。仁右衛門島乗船口から渡船で約5分
仁右衛門島 niemonjima
四季を通じて植生が豊かで
花が咲き乱れる風光明媚な島
鎌倉時代から代が変わっても名前を受け継いで、平野仁右衛門氏が一戸だけ住んでいることからその名がついた仁右衛門島。鴨川市太海浜の沖合い200m に位置しています。島には情緒あふれる手漕ぎの渡し船で渡ることができ、島旅の雰囲気を楽しむことができます。約0.03㎢ある県内最大の島ですが、周囲は約4kmでゆっくりと歩いても約30分で1周することが可能です。源頼朝の歴史が残る島としても知られ、自然溢れる島であることから歌碑なども数多く残っています。夏は涼しく、冬は暖かい気候で過ごしやすく、千葉県指定名勝となっているほか、新日本百景にも選ばれています。手つかずの自然が残っており、四季を通して花々が絶えることなく咲いているので、時には歩みを止めて足下に目を向けてみましょう。特に珍しい金銀針茄子(きんぎんなすび)をはじめ、イソギク、ハマカンゾウなどの海浜植物、ソテツなどの暖地性植物などさまざまな植物を見つけることができます。島の周囲に広がる海はいつも青く澄んでいて、春には磯遊び、夏には海水浴、シュノーケリングがおすすめです。浅瀬や波が穏やかなスポットもあるので、お子さま連れも安心してアクティビティを楽しむことができます。
鎌倉時代から続く
一島一戸の歴史
県内で唯一の有人離島である仁右衛門島は、鎌倉時代から続く個人所有の島です。代々島主は平野仁右衛門を名乗り、2023年時点の島主が39代目と推定されています。そんな島の歴史は源頼朝の伝説から始まりました。石橋山の戦いに敗れた頼朝が安房に逃れた際に、初代平野仁右衛門が頼朝を助けたことで現在に至るまで平野仁右衛門一族がこの島を守り続けています。観光地の一つにもなっている「源頼朝の隠れ穴」には本宮伏見稲荷から勧請した正一位稲荷大明神が祀られており、「家内安全」、「心願成就」、「商売繁盛」などのご利益があるとされています。島主の住宅は1702年の大津波で一度流失しましたが、その時に残された木材を使って、翌年に建て直した住宅が今もなお残っています。柱はツガ、天井はクワ、障子の腰板には神代杉が使われており、昔ながらの室内を見学することができます。城門のような見事な造りや、住宅の奥庭にある推定樹齢600年以上の大ソテツが古い家柄を偲ばせています。また日蓮聖人が修行中に訪れ、朝日を拝んだとされている神楽岩は霊地として伝えられています。そのほか、島内では屏風岩、亀岩などの奇岩も多く見られ、小さな島ながら歴史情緒あふれる景色と出合うことができます。豊かな自然を満喫できる島内には、富安風生(ふうせい)や岡本眸(ひとみ)らの歌碑や句碑がいくつもあり、特に松尾芭蕉の句碑は「芭蕉塚」として親しまれています。
情報提供 / 千葉県鴨川市商工観光課