ループ状道路景観が独特な
エレベーターで行く島

SHIMA INFORMATION

四国エリア/ 香川県

岩黒島 いわくろじま

面積
約0.16㎢
人口
約64人
観光スポット
初田神社、黒浜、大天狗神社、ループの道路
特産
魚介類
アクセス
①高松駅からJR瀬戸大橋線で約34分、児島駅で下車。児島駅前から路線バスで約30分
②高松駅からJR予讃線で約14分、坂出駅で下車。坂出駅前から路線バスで約40分
URL
https://www.pref.kagawa.lg.jp/chiiki/seto-island/detail/iwakurojima.html

岩黒島 iwakurojima

島の真上からエレベーターで上陸
ループ道路の建築美に心が奪われる

岩黒島は瀬戸内海に浮かぶ塩飽諸島にある有人離島で、香川県坂出市に属しています。島には瀬戸大橋が渡っており、本州・四国本土と陸続きになっているため、アクセスしやすい立地です。ただし島内に自家用車で乗り入れることができるのは住民のみとなっているので、岩黒島へ入るには路線バスを利用する必要があります。島内の移動は路線バスまたは徒歩。歩いて約30分で島を1周できるので、歩きやすい靴での来島がおすすめです。岩黒島は上陸方法が変わっているのも特徴。海面からの高さが60m以上となる瀬戸大橋上にあるバス停留所で降りたら、エレベーターで地上に降ります。香川から岡山方面へ向かうバスに乗車してきた方は停留所で降車後、瀬戸大橋の車道下をくぐるトンネルを通り、反対車線側にあるエレベーターへ向かいます。無機質でどこか近未来的なトンネルは非日常的な空間のようで、冒険心をあおるスポットです。エレベーターはガラス張りになっており、近代的建築を思わせるループ状の道路や海、民家を見渡しながら地上へ降りることができます。幾重にも重なった円形のループ状道路も岩黒島ならではの景観です。エレベーターを降りて真下から見上げると、円がいくつも重なったように見える幾何学的な建造物は、思わず写真を撮りたくなるでしょう。起伏の少ない地形である岩黒島の主産業は漁業で、活気ある集落には漁師さんが多く、島内に3軒ある民宿では、それぞれでおいしい魚料理が味わえるのも特徴。宿泊も食事のみの場合も事前予約が必要です。

江戸時代末期からは瓦産業が発達
島名の由来にはさまざまな説が存在

岩黒島の開拓が進められるようになったのは江戸時代後期、幕府が新田開発に力を注いだ時代です。当時の岩黒島はまだ無人島でしたが、1797年に佐柳島から来た移住者によって開拓され、現在に至ります。そのため現在でも岩黒島には佐柳島の郷土料理である「茶粥」が文化となって残っています。また島の北東では粘土が取れることから、江戸末期より瓦産業が発達。主な出荷先は岡山方面で、瓦産業は昭和初期まで続いたといいます。当時作られた瓦の中には、鬼瓦など細工が施されたものも多くあり、島内にある「大天狗神社」の脇では、現在も瓦で作られた祠を見ることができます。岩黒島という島名の由来は諸説あり、島の北側に黒い岩である閃緑岩(せんりょくがん)がゴロゴロしているからというのも一説です。別の説では、文献に記される前は「イクロ」という地名で呼ばれていたことから、やがて岩黒になったという説があるほか、平安の末期に理源大師が、島に住み着いている大蛇を退治できたら土の色が5色に変わるといわれ、その中でも黒色が多かったからという説もあるといいます。島名の由来にはほかにもさまざまな説があり、現在でもはっきりしたことは分かっていません。

3軒の民宿で自慢のお魚料理を味わい
黒浜からは瀬戸大橋と海景色を堪能

海の幸が豊富な岩黒島には釣り客も多く訪れますが、瀬戸内で獲れる新鮮な魚料理を食べることを目的に訪れる人も多くいます。そんな魚料理を食べられるのは、島内にある3軒の民宿。「民宿岩黒」では、水揚げされたばかりの新鮮な魚介コースが楽しめます。こちらの民宿の名物は、瀬戸内で獲れたタイを、焼いた後に熱した閃緑岩の上にのせた「タイの石焼」。閃緑岩の上でジュ―と音を立てるタイからはいい香りが漂い、食欲をかき立てます。店内の壁には建設中の瀬戸大橋の写真が並んでおり、そちらも見どころです。「民宿岩本」では、メバルやカワハギ、タナゴ、ヒラメなど瀬戸内の旬の魚が尾頭付きで出てくる大満足なランチも魅力。元気いっぱいの女将さんとは島の話でも盛り上がれます。「民宿みはらし」は現役漁師が運営しており、朝獲れた魚がランチに登場することもあります。ロケーションも最高で、瀬戸大橋と海を眺めながら食事を楽しむことが可能。宿泊の方限定となりますが、見晴らし抜群のお風呂もおすすめです。また島の北側に位置する、黒い岩と黒い砂浜からなる「黒浜」も岩黒島の見どころの1つ。砂鉄が多く含まれた黒砂の浜から、雄大で美しい瀬戸大橋と海景色を堪能できます。

春は桜並木が美しい「初田神社」
10月はにぎやかに盛り上がる「秋祭り」

岩黒島の氏神様である「初田神社」は、春になると美しい桜並木が楽しめるスポットです。初田神社では、江戸時代に佐柳島から岩黒島への移住を勧めた初田助十郎を祀っており、瀬戸大橋を建設する際に元の場所から東へ数十m移設された経緯もあります。毎年10月の第2日曜日には、昔ながらのお祭りである「秋祭り」を開催。おみこしを担いで初田神社からお旅所、港の龍神様、大天狗神社、岩黒小中学校へと練り歩くのが特徴です。おみこしを担いだまま海に入り、大人や子どもが勢いのまま海に放り込まれるなど、地域が一体となってにぎやかに盛り上がります。「だいてんさん」と呼ばれる「大天狗神社」は、漁の安全を祈り祀っている神社。島の土を使って作られた赤い陶器の狛犬がおり、その足に紐を結んでお祈りすると、失くし物や家出人が見つかるという言い伝えがあります。探し物がある方は足を運んでみてはいかがでしょうか。また島の開発当初、開墾中に出てきたという十一面観音坐像をお祀りしている「観音堂」も見どころ。1年に1度しかご開帳されない秘仏のご本尊は、坂出市の有形文化財に認定されており、観音様には島の人々の病気を治してくれるという言い伝えがあります。

情報提供 / 坂出市役所政策課

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