鶴見半島の沖合に浮かぶ
一本釣りの技が光る島

SHIMA INFORMATION

九州・沖縄エリア/ 大分県

大島 (佐伯市) おおしま

面積
約1.63㎢
人口
約96人
観光スポット
壇の窓、アコウ樹
特産
ブリ、タイなど
アクセス
大分駅からJR特急にちりんで約1時間、佐伯駅下車。タクシーで佐伯港へ。佐伯港から定期船で約30分
URL
https://www.visit-saiki.jp/

大島 (佐伯市) oshima

豊後水道県立自然公園に指定され
東側は荒波が打ち寄せる断崖絶壁

大島は、大分県佐伯市中心部から東に約15km、鶴見半島先端近くの豊後水道と黒潮がぶつかり合う位置に浮かぶ、小さな有人離島です。ほかの地域にある大島と区別するため、「豊後大島」「鶴見大島」と呼ばれることもあります。本土の佐伯港からは定期船で30分と比較的近い距離にありますが、定期船は1日3便しか出ていないため時間に注意が必要です。島の周囲には1年を通して白波が立つ、流れの激しい海峡があることも特徴。その左右で潮高が異なることから、大潮のときには2kmもの差が出ることもあります。大島は豊後水道県立自然公園に指定されており、入り江が複雑に入り組んだリアス式海岸になっており、島の東側は太平洋の荒波が打ち寄せる断崖絶壁。リアス式海岸特有の景観として、断崖が島の頂から海岸まで続いているほか、荒波に削られたことでできた奇岩や岩瀬が点在しています。一方、島の西側は波が静かな平坦地になっており、わずかな窪地に「船隠(ふなかくし)」「田野浦(たのうら)」「地下(じげ)」という3つの集落があります。大島の主産業は、高級魚であるタイやブリ、イサキなどの一本釣り漁業です。一本釣りの漁師は仕掛けから釣り、引き上げ、船の舵取りに至るまですべて一人でこなすのが特徴。男たちが伝統の技を生かしながら腕一本で支える漁業の島となっているほか、ブリやタイなどの沖合養殖も行われています。島内にはホテルや民宿などの宿泊施設はないため、本土の佐伯市内にて事前に宿の予約が必要です。

毛利佐伯藩の舟番所が置かれて発展
集落では石垣石塀の景観が美しい

大島は佐伯湾口の交通の要衝に位置することから、1606年に毛利佐伯藩の舟番所が置かれていたといいます。古くから漁業が盛んで、ブリやアジ、イワシなどの漁獲高は県下一だったといわれており、交通機関が発達してからは東京方面まで出荷されていました。また大島は豊後水道に突き出した鶴見半島の沖合に浮かぶ島ですが、鶴見半島には日野浦から下梶寄までの全長17kmにも及ぶ石積みによる「猪垣(ししがき)」が築かれていることでも有名です。猪垣が稜線に沿って集落を囲んでおり、中には2mの高さになる場所もあります。この石積みによる猪垣は、山地斜面にある段畑を猪や鹿から守るための目的で、江戸時代の後期に佐伯藩の指導によって築造されたものといわれています。大島の地下集落では、この猪垣に似た石垣の町並みを見ることが可能。斜面を宅地化するために築造された段々になった石垣は、風情のある景観を作っています。田野浦集落では海岸線に築かれた石垣石塀や、住宅地から港へ続く細い縦道に築かれた石垣を見ることができ、風情があり美しい景色が広がります。集落内では家々が密集しており、細い道と下見板張りの壁、生活排水路といった独特の景観を見ながらの散策もおすすめ。

釣りのメッカとして釣り客に人気
樹齢400年を超えるアコウ樹も必見

大島は釣りのメッカとしても有名で、多くの釣り人が訪れます。岩場にはタイやメジナなど多くの魚が生息しており、磯釣りファンにとって絶好のポイント。釣りポイントまで行くための瀬渡し船も人気です。また港から歩いて細い路地を進んだ先にある「加茂神社」では、樹齢400年を超える「アコウ樹」を見ることが可能。このアコウ樹は九州で3番目に大きいと言われ、天然記念物に指定されています。ほかにも観光スポットとして人気なのが、大島東側の壇の鼻にある大きな海蝕洞「壇の窓」です。海岸の崖が波で削られてできた海蝕洞は迫力満点。天候が良ければ、波による浸食の様子が「段々展望所」からよく見えます。陸から行く道はありませんが、磯釣りスポットとしても有名なため、瀬渡し船で上陸することが可能。春には磯が解禁となり、磯遊びも楽しめます。大島漁協に許可を取り、使用料を支払えば、磯でアサリやウニ、タコを捕ることもできます。なお島内には島民の生活用品を販売する商店はありますが、飲食店などはないため、島へ渡る前に用意して持参するのがおすすめです。佐伯港から朝の1便に乗って、九州で1番早く昇る朝日を見られる島散策に行ってみましょう。

毎年春と秋には加茂神社大祭や
それぞれの地区でとんど焼きを開催

大島では400年の歴史を持つといわれる「加茂神社」にて、毎年春と秋の年2回、「加茂神社大祭」を開催。春は4月上旬、2日間にかけて盛大に行われ、多くの島民でにぎわいます。初日の昼過ぎには神楽の奉納が始まり、子どもたちが踊りながら叩く「とび太鼓」も行われます。2日目には湯立神楽などが行われ、地元では御神幸行列のお帰りまで祭り一色に染まり、大いに盛り上がります。また島内では、舟隠・田野浦・地下の3地区それぞれで、お正月の火祭り行事である「とんど焼き」を開催。各家から持ち寄られた正月の松飾やしめ縄などを1か所に積み上げて燃やす伝統行事で、とんど焼きに使われる竹や飾り物を地域住民みんなで作ります。8月には「盆踊り」を開催。お盆には島外で暮らす多くの方が島に戻ってくるため、普段は静かな大島もこの時期はとてもにぎやかです。10月には「大島大文化祭」を開催。毎年異なるテーマに沿った内容で文化祭が進行し、舞踏ショーや講演、落語などが披露され盛り上がります。ほかにも島内では「地蔵流し」などの伝統行事をはじめ、「大島大運動会」や大規模清掃の「クリーンアップ」など島民同士の交流にもなるイベントが開催されています。

情報提供 / 佐伯市観光協会

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