金輪島 かなわじま

造船業が盛んな島に現れる工場地帯
立ち入り禁止な新来島宇品どっく

広島港の南東約1kmに位置する有人離島です。1894年に旧陸軍運輸部の工場が設けられてから、造船の島としてその名を知られています。戦時中、島の中には約60の防空壕があり、現在もその姿が残っているところがあります。また原爆投下後、金輪島には約500人の被爆者が運ばれた歴史があります。息途絶えた方々の御霊を慰め平和を願い、島内に「金輪島原爆慰霊碑」が建てられました。島の南側には標高158mの金輪富士が鎮座し、北東部には船舶工場施設、北部から北西部にかけては民家が立ち並んでいます。島民の多くは、造船業に従事しています。北東部にある工場施設「新来島宇品どっく」はこの地区の大部分を占めており、船舶の修繕や点検を行っています。新来島宇品どっくは私有地なので、関係者以外は勝手に入ってはいけないことになっており、所々「立ち入り禁止」の看板があります。私有地の中にある金輪神社に立ち寄る際は、警備室に声をかけてみてください。

金輪トンネルを境に広がる海岸線と山道
島の景観を眺めながらハイキングを堪能

島内唯一のトンネルを抜けた先の海岸線は、きれいな砂浜と岩場が交互に続いており、干潮時には砂浜に沿って歩くことができます。満潮時は通れなくなっているので、注意が必要。移動は徒歩のみとなっており、宿泊施設はありません。島の道のほとんどは海岸線沿いですが、北側からトンネルを抜ける道は舗装されているので、比較的歩きやすい山道。島の風景や瀬戸内海を眺めながらハイキングができます。1996年に建てられた「金輪島トンネル」は、島の東西を結ぶ島唯一のトンネルとして生活には欠かせない存在です。金輪島の北西部には「部村商店」という商店があり、現在は閉業していますが外にお酒とジュースの自販機が設置されており今でも利用することができます。

プライベート空間が広がる
瀬戸内の極楽ビーチでのサンセット

西側にはビーチがあり、そこから眺めるサンセットの夕景は美しく、ビーチからは宇品島やプリンスホテルが見えます。瀬戸の島のビーチは「極楽ビーチ」と呼ばれ、穏やかな波が特徴のきれいな砂浜とビーチが広がります。釣りのスポットもいくつかあり、チヌやメバル、マダイなどが多く釣れることで有名です。

島を守ってくれる潮延命地蔵
のどかな集落の散策を楽しむ

海岸線を歩いたところには潮延命地蔵があり、金輪島にまつわる人たちが良いご縁に恵まれるようにと建てられました。集落には住んでいる人もいれば、別荘のような建物があるところもあり、中には「ライブハウス土龍（もぐら）」と書かれた看板がある家もあります。土・日・祝で営業しているようですが、ライブがない時はカフェとして利用できるようです。

情報提供 ／ 広島市南区役所維持管理課