アートにふれながら時を忘れ
ゆっくり過ごす島めぐり

SHIMA INFORMATION

関東・中部エリア/ 愛知県

佐久島 さくしま

面積
約1.73㎢
人口
約215人
観光スポット
アート、グルメ、海水浴、弘法巡り
特産
大アサリ、アサリ、海藻類、ナマコなど
アクセス
名鉄名古屋駅から西尾駅まで約60分、西尾駅から名鉄バス(西尾一色線)で一色さかな広場佐久島行船のりばまで約30分、西尾市営高速船で約20分
URL
https://sakushima.com/

佐久島 sakushima

海中に堆積してできた島で
古墳も数多く景観に優れた癒しの場

愛知県西尾市一色地区から南に8㎞ほど、三河湾のほぼ真ん中に位置し、三河湾の有人離島の中で最も大きいのが佐久島です。愛知県本土の渥美半島、知多半島、西三河南西部との距離が10㎞以内であることから生活交流が活発なため、内海本土近接型離島に分類されます。佐久島の語源は「作島」。紀元前1世紀ころ、伊勢の斎宮の郷にいた作彦という臣が伊勢志摩の島を見回る際に島を訪れ、その景勝を大いに気に入って移り住み、農業をはじめたことから「作島」と呼ばれるようになり、「佐久島」へと変化したといわれています。また、1周約11㎞の島の中には、古墳時代後期の古墳が40基以上見つかっていて、その大半は海をなりわいとしていた海部族長のお墓ともいわれています。漁業と観光業が主な収入源となっていて、一色港から7便の往復便が出ており、毎年10万人ほどが観光に訪れています。気候はとても穏やかで年間平均気温は16度、雪はほとんど降ることがないのでとても住みやすい島ですが、そのかわり冬場は季節風がかなり強いのが特徴です。温暖な気候ゆえ、昭和初期では温州ミカンを育てていた島民もいましたが、島民の大半は今も漁業に従事しています。近年は佐久島の発展と活性化をすべく島民有志による「島を美しくつくる会」が発足されています。

ひとりの中学生からはじまった想いが
今も島民を動かしている素敵な島

佐久島の人口減少は著しく、1930年代は1,200人あまり、いったん1950年代に1,600人まで増えますが、1990年には490人あまり、2010年の段階では300人程度まで減っています。そんな中、島民の手によってさまざまなボランティア活動が行われています。ひとりの中学生が「自分たちの海は自分たちで守りたい」という想いがきっかけで始まった稚魚や小型の魚の生息場所となるアマモ(藻場)の移植をはじめとして、里山の雑木を取り除く整備活動、かつて塩害から家屋を守るためにコールタールを塗っていた昔ながらの風景が残る家並みを保存する黒壁運動などが行われています。これらの活動をはじめ、景観保全や特産物を使った料理の開発や研究、伝統や歴史のPR、観光客と島民の交流など、佐久島の活性化を目指すために取り組まれています。また、佐久島の特産物の1つであるオオアサリ(ウチムラサキ)は大粒の身に旨みが詰まっており大変人気。夏先に旬を迎えるため、1番美味しいオオアサリを使った料理を食べるためにわざわざ来島する観光客もいるほどです。

個性的なアートに触れながら
歴史ある風景を散策する癒しの世界

本島から10㎞以内と近いにもかかわらず、一歩足を踏み込むと時間の流れがまるで変わるかのような風情ある佐久島。見どころがたくさんある島ですが、島の名前が知られるようになったのが、いたるところに展示されているアート作品です。数ある作品の中でも「おひるねハウス」は代表となる作品となっており、特徴ある黒い箱型、潮風や波の音を感じながら目を閉じることで自然を満喫することができます。また、真っ黒なおひるねハウスの対岸には真っ白な「イーストハウス」、秘密基地を彷彿させる「アポロ」など大人でも童心に帰ってしまうような、ワクワクするアート作品がたくさんあります。そして、島内にあるアートを存分に満喫できるスタンプラリー「佐久島アート・ピクニック」もおすすめです。もちろん、古墳が40基以上も発見されている歴史ある島の1つですので、これらをめぐり佐久島の歴史を知るのもいいでしょう。また、1916年ごろに建てられ、過疎化により失われた一部の弘法の祠(ほこら)をアートの力で完全復活をとげた「佐久島弘法八十八ヵ所巡り」もぜひ体験したいところ。アート以外にも、季節に応じて三河湾のおいしい海産物がたくさん採れますので、それらを使った名物料理を堪能するのも島の楽しみの1つです。

潮風を受けて甘く育つ「サクのいも」
お土産にも最適な芋焼酎

信号機1つない、のんびりとした佐久島。漁業が大半を占める中、佐久島の特産物の1つであるさつまいも「サクのいも」は、島内の飲食店で食べることができます。島外にも出荷していた時期もありましたが、家庭菜園のみで作られるようになりました。ですが、おいしいさつまいもを後世にも残したいという人々の想いが形となり、さつまいもの栽培が盛んになりました。島内の飲食店では、貴重なさつまいもを使い、お店ごと工夫を凝らしたメニューがたくさんあります。潮風にあたって育ったさつまいもはとても甘く、それらを使って作られた本格芋焼酎は、おひるねハウスをイメージしたラベルがおしゃれで、こちらもお土産に大変喜ばれる品となっています。芋焼酎ならではの独特な香りがないので、穀物を使った焼酎が苦手な方でもおいしく召し上がれます。ロックや水割りはもちろんですが、カクテルにもおすすめ。JA西三河佐久島支店(平日のみ)、また、佐久島行船のりばの隣にある「一色さかなセンター」で販売されています。ぜひ堪能してみてください。

情報提供 / 西尾市役所佐久島振興課
制作者 / 「おひるねハウス」南川祐輝(4枚目)

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