岡山県最南端の白い灯台と
水仙がシンボルの島
SHIMA INFORMATION
中国エリア/ 岡山県
六島 むしま
- 面積
- 約0.92㎢
- 人口
- 約51人(2021年6月1日時点)
- 観光スポット
- 六島灯台、大石山展望台
- 特産
- ひじき、のり、ビール
- アクセス
- 岡山駅からJR線で約45分、笠岡駅下車、徒歩で住吉港へ。住吉港から普通船で約65分
六島 mushima
白い灯台と水仙の花が島のシンボル
大石山は日本遺産構成文化財に認定
岡山県笠岡市の住吉港から約22km、瀬戸内海に浮かぶ笠岡諸島最南端に位置する六島。瀬戸内海のほぼ中心に位置し、広島県・香川県との県境にある、岡山県最南端の島でもあります。島のシンボルとなっているのが、岬に立つ白い「六島灯台」と、その周辺を中心に群生している水仙。白い灯台と、可憐に咲き誇る白と黄色の水仙の花は、青い空とのコントラストが美しく、島自慢の景観です。映画「獄門島」で島の港の風景が撮影されたこともある六島の地形は、山が海岸まで迫っており、平地が少ないのが特徴。そのため坂沿いの斜面に古い家々が建ち並んでいます。集落は「前浦」と「湛江(たたえ)」があり、2つの集落に港があるため船もそれぞれに停まります。2つの集落の距離は比較的近いため、歩いて往来することも可能。集落は古い町並みが美しく、瀬戸の島らしいのどかな集落景観が楽しめます。六島の最高峰となる標高185mの大石山は笠岡十名山の1つでもあり、日本遺産の構成文化財にも認定されています。六島では、コリコリした食感が特徴のひじきやのり,ビールも特産品となっています。島内にはレンタサイクルやレンタカー、タクシーなどの交通手段はありませんが、徒歩で移動が可能。宿泊施設は堪江港から歩いてすぐの場所にゲストハウス「島小屋」があり、予約は必須です。
岡山県で初めて設置された六島灯台
灯台周辺の水仙は大石山から移植
六島の周囲の海は潮の流れが速い海峡となっており、古くから瀬戸内海を横断する大型客船などの重要な航路となっていました。そんな船の航路の安全を守るため、1922年に岡山県内で初めてとなる灯台「六島灯台」が設置され、現在でも島のシンボルとして愛されています。塔高13mの六島灯台は、1984年2月に改築され、1985年の自動化によって常駐職員が廃止になりました。灯台周辺に群生する水仙も有名な六島ですが、もともと水仙は島の東側にある大石山の山肌一帯に自生していたものです。その水仙を1993年に六島小学校の先生と児童が陽のあたる島の東側山道の両脇に植え、「水仙の小道」が整備されました。灯台へと続く道中に群生する水仙は、島の人たちが移植して丹精込めて育てたもので、灯台のある高台にも水仙が植えられています。こうした六島小学校や島民、ボランティアのみなさんの努力によって、六島は「灯台と水仙の島」として有名になったのです。またインターン生を受け入れ、積極的なまちづくりを行っている島としても知られている六島。現在、島の人口は51人ほどで過疎化も進んでいますが、島民とインターン生が協力しあい、島の魅力を内外に発信すべく、移住や観光を促進するさまざまな取り組みを行っています。
水仙が咲く1~2月は観光にベスト
灯台がある高台からの眺めは絶景
六島の観光のベストシーズンは、水仙のシーズンでもある1~2月。「六島灯台」周辺に群生する水仙が一斉に咲き誇るため、灯台までゆっくりと散策しながら向かうのがおすすめです。灯台までの道中にもたくさんの水仙が咲いているため、可憐な花と潮風に乗ってあたりに漂う甘い香りを楽しみながらハイキングができます。六島灯台は日本ロマンチスト協会の「恋する灯台」にも認定されており、ロマンスの聖地でもあります。灯台を目指して高台へ登っていくと、眼下には瀬戸内海の美しい風景が広がり、天候に恵まれれば荘内平野の向こうに徳島県の剣山を見ることも可能。夜間は灯台から瀬戸内海を行く大型客船やフェリーの灯りとともに瀬戸大橋の灯りも見え、絶景です。水仙がシーズンを終えると、次に咲くのは桜。青い空の下で咲き誇る桜と白い灯台の組み合わせもよく映えます。なお港から灯台までの道には、猫が描かれたブイがいたるところに設置してあり道案内をしてくれるので、地図がなくても迷いません。道中には、物語の世界に入ってしまいそうな「トトロのトンネル」と呼ばれる藪のトンネルや、木のブランコなど手づくりの遊具が並ぶ公園もあり、自由気ままに遊びながら進めます。
10月には大鳥神社で回し神輿を開催
六島浜醸造所では地ビールを楽しむ
水仙が咲く時期には、「六島水仙ツアー」も開催され、多くの観光客でにぎわいます。夏は海水浴客も多く訪れる六島。「打越の浜」は海の透明度が高く水がきれいなため、シュノーケリングを楽しむのにもぴったりです。10月には大鳥神社で「回し神輿」を開催。お祭りが始まると太鼓の音に合わせて獅子舞が舞い、その後に神社の中に納められていた神輿を引っ張り出して、掛け声とともに神輿を回し始めます。勢いよく、速いスピードでぐるぐると神輿を回す姿は迫力満点。何度か場所を変えて神輿を回し、砂浜へ移動したら砂浜でもぐるぐると回します。その後、海の中へ入って神輿を回したら港へ移動。港にいる船に神輿を乗せて沖へ出たら、海上でも神輿を乗せた船ごとぐるぐる回るという、珍しい光景を見ることができます。また六島には地ビールを製造する「六島浜醸造所」があり、地元ならではのビールを楽しむことも可能。この醸造所は地域おこし協力隊の方が、かつて麦畑が広がっていた六島の景観を取り戻そうと麦の栽培から始め、2019年にスタートさせたものです。瓶ビールのラベルデザインはかわいく、お土産にもぴったり。六島をゆっくり散策しながらのんびりとした時間を楽しむのも贅沢なひとときです。
情報提供 / 笠岡市観光協会