のどかな漁村風景が残る
笠岡諸島の歴史と映画の島

SHIMA INFORMATION

中国エリア/ 岡山県

真鍋島 まなべしま

面積
約1.48㎢
人口
約177人(2021年6月1日時点)
観光スポット
真鍋家住宅、真鍋島ふれあいパーク、真鍋中学校
特産
ひじき、わかめ、にんにく
アクセス
岡山駅からJR線で約45分、笠岡駅下車、徒歩で住吉港へ。住吉港から普通船で約70分または高速船で約45分
URL
https://www.kasaoka-kankou.jp/

真鍋島 manabeshima

岡山県のふるさと村に指定された島
のどかな漁村風景は映画のロケ地に

真鍋島は岡山県笠岡市の住吉港から約18km、瀬戸内海に浮かぶ笠岡諸島に属する小さな有人島です。西行法師の「三家集」にも登場する歴史のある島としても知られており、中世には真鍋水軍の本拠地にもなっていました。またのどかな漁村の佇まいを残している島として、岡山県の「ふるさと村」に指定されているのも特徴。港にある石積みの防波堤や、本浦地区に建ち並ぶ船板を張った民家などの町並みは、ノスタルジックな風情を感じさせます。1949年に建設された木造校舎が現在でも使われている「真鍋中学校」は、映画「瀬戸内少年野球団」のロケにも使用されました。本浦地区にある「真鍋家住宅」の玄関脇には、推定樹齢約300年にもなる大きなホルトノキがあり、市指定天然記念物になっています。島の北側には2つの連なった小さな無人島「前大島」と「先大島」が存在。「前大島」の西側中腹、急な斜面地には、推定樹齢約400年になる全国屈指の「イヌグスの巨樹」があり、神秘的な姿を見ることができます。一見すると2株あるように見えますが、地表下では1株だといわれています。真鍋島の最高峰となる「城山展望台」からは笠岡諸島が望めるほか、天気のいいときには四国まで眺望が広がります。島の特産品はひじきやわかめ、にんにくなどで、ひじきはこりこりとした食感が人気です。宿泊施設はゲストハウス、民宿、旅館があり、予約は必須。島の周囲は7.5kmほどなので、主な観光スポットは徒歩で回ることができます。

平安時代末期に水軍の拠点が置かれ
歴史的な記録や史跡の多さは随一

真鍋島の名前の由来は、真南辺の島、つまり備中国小田郡の南端にある島という意味で、のちに真鍋という字を当てたと考えられています。島の歴史は古く、一説では、平安時代末期に藤原氏の一族が真鍋氏を名乗って水軍の拠点地を置き、全盛期には付近の島々を支配下に治めていたといわれています。また源平合戦で平家側に属した真鍋氏の城趾が残されているほか、供養のために建てたと伝えられる「石造宝塔」などの史跡もあります。西行法師の「山家集」に詠まれるなど、笠岡諸島の中でも真鍋島は歴史を現代に伝える記録や史跡、行事の多さが随一です。なお島の有力者として栄えてきた真鍋家の邸宅は明治初期に建てられた木造家屋となっており、国の登録有形文化財に指定されています。軒先で邸宅と寄り添うようにして生える樹齢300年の大木「ホルトノキ」は、一説では平賀源内が讃岐に苗を持ち込んだものが、のちに真鍋家へ伝えられたといわれています。熱帯~亜熱帯性の常緑高木であるホルトノキは、暖かい海岸沿いに自生する木。真鍋島は気候が暖かいことから、しっかり根を張り、すくすく育ったと考えられます。ちなみに果実の形がオリーブに似ているため誤認されたことで「ホルトノキ」と名付けられたという説があります。

真鍋中学校で懐かしい風景を堪能
家族連れは真鍋島ふれあいパークへ

真鍋島のおすすめ観光スポットは、日本遺産の構成文化財でもある「真鍋家住宅」や、今も現役の木造校舎「真鍋中学校」です。真鍋中学校の廊下は板張りとなっており、飴色の木からは時代の流れを感じます。高台に位置しているため窓からは漁村の風景を望むことができ、晴れた日の景色は格別。現在でも使用されている校舎のため、見学希望の場合は事前予約を行う必要がある。ほかにも島内にはレトロな建物が多く残っており、のどかな漁村風景を眺めながらの町歩きも楽しみの1つです。真鍋島港(本浦港)から徒歩約10分の小高い丘に位置する「真鍋島ふれあいパーク」は、いつでも花が見られるように整備された公園で、瀬戸内を一望できる絶景ポイントでもあります。ツツジや寒菊、キンセンカなど四季折々の美しい花が楽しめる花壇があるほか、フィールドアスレチックを備えた運動の広場もあり、家族そろって楽しめる場所となっています。そのほか、795年に弘法大師によって開創されて以来、再建と修復を行いながら大切に守られてきた「圓福寺」も見どころです。

夏には美しいビーチで海水浴も人気
5月には迫力のある走り神輿を開催

夏の真鍋島では、海水浴も人気。島の南側にある「三虎旅館」の前に50mのビーチが広がる海水浴場があり、シャワーとトイレも備わっていて便利です。南方には瀬戸内海に浮かぶ島々や四国の山々を望むことができ、美しい景観の中で海水浴を楽しめます。「三虎旅館」は、前日までに予約をすれば食事のみの利用も可能。観光や海水浴で疲れたら、新鮮な魚介類を使ったお刺身や天ぷらなど、絶品料理でお腹を満たしましょう。真鍋島で有名な伝統行事といえば、5月上旬に行われる「走り神輿」。八幡神社の行事で、3体の神輿が島の通りを勢いよく駆け抜けて行く勇壮な行事で、市指定重要無形民俗文化財にも指定されています。もともとは旧暦の8月13~15日に秋祭りとして行われていましたが、近年ではゴールデンウィークに開催されています。3体の神輿には、それぞれ担ぎ手8人とまとめ役の警護1人がつき、神輿を担ぐ前には棒術と獅子舞が行われ、危険な場所を清めてから神輿を出します。迫力満点な伝統行事となっているので、ゴールデンウィーク中に真鍋島観光をする際にはぜひとも見ておきたい行事です。

情報提供 / 笠岡市観光協会

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