瀬戸内の穏やかな
風景が見渡せる
神武天皇東遷の伝承が残る島

SHIMA INFORMATION

中国エリア/ 岡山県

高島 たかしま

面積
約1.05㎢
人口
約76人(2021年6月1日時点)
観光スポット
神ト山、子はらみ石
特産
のり、魚介類など
アクセス
岡山駅からJR山陽本線約45分、笠岡駅で下車。徒歩で住吉港へ。住吉港から定期便で約25分
URL
https://www. kasaoka-kankou.jp/

高島 takashima

歴史ある遺跡と神武天皇ゆかりの島
島内最高峰神ト山からの景色は壮観

高島は、瀬戸内海の中央にある笠岡諸島に位置し,本土から1番近い有人島になります。南側には尾根伝いに延びる遊歩道があり、登っていくと途中の展望台からは360度瀬戸内の穏やかな風景が見渡せます。瀬戸内海の潮流が集中し、多くの遺跡があるとしても有名。古くから瀬戸内海航路の要衝として栄え、「古事記」には神武天皇東征の際の高島行宮(あんぐう)が置かれたとも記されています。また昔は、採石が盛んな時代もありました。しかし、現在は島の漁師が獲った新鮮な魚を提供する民宿や、風景を目当てに訪れる観光客の増加などもあり、漁業と観光でにぎわう活気溢れる島として有名です。島にはいたるところに花崗岩が露出しています。海抜77mの島内最高峰を誇る神卜山(かみうらやま)からの景観は特に壮観で、国指定の名勝にもなっています。神卜山の山頂には展望台もあり、西は福山方面、東は下津井方面、はるか南方には四国をも望むことができます。また、神卜山は神武天皇が高島滞在の折に吉凶を占った場所と言い伝えられており、「高島行宮遺趾碑」とかかれた高さ8mにもなる巨石は圧巻です。1919年に北木島の石材業者畑中平之丞が建立し、自然石の碑としては日本最大級といわれています。神卜山の中腹には真名井(まない)とよばれる井戸があり、神武天皇が天つ神にお供えをする水を汲んだ所と言い伝えられています。傍らには英照皇太后が詠まれた歌「千早ふる神の昔は遠けれど清き泉を汲みて知るかな」の碑が立っています。

島内から古墳時代の炉跡や土器が出土し
古事記などの歴史にも名を残す島

高島には、古事記・日本書紀に記された神武天皇ゆかりの地「高島宮」であるという伝説が、古くから伝わっていました。それを証明する王泊遺跡(おおどまりいせき)は、高島神社の境内にあります。高島神社の創建は不祥ですが神武天皇を祀り、明治維新までは「神武天皇宮」「神武天皇社」と呼ばれて崇拝されていました。高島が、神武天皇が東征の途上滞在した「吉備の高島宮」であることを顕彰しようとする地元住民からの要請を受けて、1943年に試掘調査が行われました。愛媛から鵜久森經峯(うくもりけいほう)氏が出向き、「住居跡」らしきものを発見。同年、鵜久森氏の要請に応じて、東京大学や京都大学の人たちも発掘調査を行った結果、古墳時代の炉跡や製塩土器などが出土したのです。高島にある「おきよ館」は、島民手づくりの歴史資料館。収蔵品は個人が収集したものですが、島内から出土した縄文時代、弥生時代、古墳時代、古代、中世の考古資料をはじめ、昭和初期まで使われていた民具など幅広く展示しています。なお、おきよ館は個人が管理しているため、見学するには事前に連絡が必要。おきよ館の裏山には1915年に建てられた明治天皇招魂碑があるので、一緒に見学してみるのもおすすめです。

良縁子授けの神として信仰された石と
島民が育てたツツジの群生が咲く島

高島の周囲の笠岡諸島には、有人・無人島が転々と浮かび、瀬戸内独特の景色が楽しめます。高島の南側にある遊歩道を登っていくと、南に広がる笠岡諸島だけでなく、東は瀬戸大橋、西は鞆の浦など瀬戸内の穏やかな風景が360度見渡せます。また、高島にはパワースポットとして島民から親しまれている「子はらみ石」があります。高島の西の山にあり、陰石としては西日本最大級。島では良縁、子授け、安産、婦人病の霊神と崇められ、祈念すると御利益があるとされています。戦前にはイワシ地引き網の高見台として利用されただけあって、展望場所も大きく開けています。子はらみ石のある丘の上は、眺望がよく、笠岡の海や島々を一望できるので絶景スポットとして楽しむのもおすすめ。本土からも近い高島の春は、あちらこちらで山ツツジが迎えてくれます。ツツジが見ごろの4月上旬~中旬には、島民が大切に育てたツツジが群生して咲く様子も見られます。おだやかな瀬戸内海を背景に、ピンクのツツジが華やかな景色を作り出すでしょう。周回できる遊歩道のあちこちにツツジが咲いているため、ハイキングをしながら楽しめます。ツツジの開花に合わせてツツジ祭りも開催されるのでチェックしてみてください。

ツツジを眺めながらのハイキングと
白砂のビーチや漁業見学を堪能

神島外浦港(こうのしまそとうらこう)からだと、定期船に乗ってわずか数分で到着する高島。4月上旬になると、島を周回できる遊歩道にツツジが咲き誇ります。きれいなピンク色のツツジを眺めながら、遊歩道を散歩するのも人気です。遊歩道はハイキングに最適で、子はらみ石や高島行宮遺跡など高島の歴史探訪ができる2kmのコースは、島をぐるりと1周できます。瀬戸内の穏やかな景色を見ながらゆっくりとした時間が過ごせるでしょう。徒歩で1周約2時間程度なので、女性でも回りやすいコースになっています。コースは、桟橋から左手に歩くところから始まり、地図がなくてもほぼ1本道なので、迷うことはありません。ほかにも予約が必要ですが、観光底引き船や定置網などの漁業見学も可能です。島民とふれ合い、穏やかな瀬戸内海とピンク色の染まるツツジの景色と香りなど、都会では味わえない感覚をぜひ感じてみてはいかがでしょうか。

情報提供 / 笠岡市観光協会

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