日本海に浮かぶ溶岩台地で
たまねぎ栽培を行う島

SHIMA INFORMATION

中国エリア/ 山口県

櫃島 ひつしま

面積
約0.83㎢
人口
約2人
観光スポット
櫃島八幡宮、櫃島八幡宮のリュウキュウエノキ
特産
たまねぎ、夏ミカン
アクセス
櫃島と本土を結ぶ定期航路はないため、個人の船をチャーターする必要があります
URL
https://www.pref.yamaguchi.lg.jp/cms/a11500/island/hitsushima.html

櫃島 ひつしま

海岸線は断崖絶壁が続く溶岩台地
内陸部はほぼ平坦でたまねぎを栽培

山口県萩市の本土から北へ約10kmの日本海上にある櫃島は、北長門海岸国定公園の区域に指定されています。周囲には島々があり、櫃島から眺める日本海は絶景です。櫃島は日本海上に浮かぶ周囲の島々、「大島」「羽島」「肥島」「尾島」「相島」と合わせて「萩六島」と呼ばれていて、中でも人口が少ない島となっています。本土との間を結ぶ定期船は運航されていないため、櫃島へ訪れる際は個人で船をチャーターする必要があります。噴火によって誕生した櫃島は安山岩で構成された溶岩台地となっており、海上から見るときれいな台地状です。この地形は世界的にも珍しいものとされています。海岸線は断崖絶壁となっており、島の南岸にある櫃島港以外の場所から上陸するのは不可能な地形です。内陸部はほぼ平坦地で、集落は台地上にまとまって形成されています。島の産業は農業で、台地上にはたまねぎ畑や柑橘畑が広がっており、たまねぎと夏ミカンが特産品です。島内には宿泊施設や病院・診療所、飲食店や売店はなく、島で唯一の小学校は1965年に閉校となりました。来島の際には必要な飲食物を持参するようにしましょう。

1508年ごろには有人島だった記録あり
かつての主産業は葉たばこの生産

櫃島に人が住み始めた時代は明らかになってはいませんが、1508年ごろと推定される「大井八幡宮」の御済納米銭役人文書には、櫃島と思われる「志都島」との記載があり、このころには有人島であったと考えられています。さらに室町時代末期には、同神社に阿武郡20郷と並んで農作物や農製品、人役などを献納していたといいます。また1740年分の「地下上申」には「櫃島」という名前で、戸数17軒、人口118人と牛22頭および萩への通い船3艘という記載があります。そして江戸時代には島流しの地として利用されていたといわれています。幕末の「郡中大略」では、10世帯で56人に減っており、1980年にはさらに減り、10世帯で人口が23人となりました。なお現在の主な産業は、たまねぎをメインとした農業となっていますが、かつては「葉たばこ」の生産が盛んでした。その耕作面積は約20ヘクタールにもなっていたといいます。古くは漁船もありましたが、漁業はあまりふるわず途絶えてしまったそうです。

ここでしか見られない植物が自生
リュウキュウエノキは日本最大級

櫃島にはさまざまな植物が自生しており、中には珍しいものもあるため、植物観察をするのもおすすめです。島の周囲はクロマツ林で被われており、一部にはアカマツや竹があるほか、広葉樹などが見られます。北海岸では、自生しているキク科植物である「ヒゴタイ」を見ることが可能。自生するヒゴタイが見られるのは、県内でこの1か所のみとなっています。さらに常緑性シダである「オリヅルシダ」も、櫃島が県内北限の自生地となっています。ぜひ見ておきたいのが、「櫃島八幡宮」の境内にある、萩市指定天然記念物となっている「リュウキュウエノキ」です。このリュウキュウエノキは樹高約23m、幹の周囲は約6.5mで、樹齢は約400年と推定される大木となっており、日本で一番大きいといわれています。圧倒されるほどの大木は必見です。なお八幡宮は石造りの鳥居や拝殿、本殿が整っているものの、山道は草が生い茂っているため肌が隠れる長袖・長ズボンで訪れるようにしましょう。島内ではほかにも、秋になると白っぽい花を咲かせる、きく科の多年草「おけら」も見ることができます。野生のおけらが見られるのは県内でも櫃島だけとなっているので、ぜひ見ておきましょう。

櫃島交流施設は宿泊や体験学習ができ
集落跡や学校跡の探索もおすすめ

人口が減っている櫃島ですが、2011年には「櫃島交流施設」が整備されました。この施設では宿泊が可能となっているほか、小学生を対象にした離島体験教育キャンプなどの受け入れも行っています。人の手がほとんど入らなくなった櫃島の大自然の中で、離島体験や島内探索を行う拠点として活用してみましょう。櫃島は釣りに訪れる人だけでなく、近年では島内探索に訪れる人も多くいます。港から島を見上げると、内陸へ延びる1本の道路があるのみなので、迷わず探索が可能です。断崖絶壁になった海岸線の景観や日本海の絶景を堪能したら、内陸を散策。木々のトンネルを抜けると、果樹園が広がる集落が顔を出します。石垣のある立派な家々や、昔は葉たばこの乾燥に使われていたという背の高い2階建ての蔵などは廃屋となってしまっていますが、独特の雰囲気があります。廃校になって長い月日が経つ「萩市立大島小学校櫃島分校」は集落の家屋より建物の傷みが少なく、春は傍らに咲く桜の花と相まってノスタルジックな雰囲気を醸し出しています。集落を抜けると波の音が聞こえる荒涼とした風景が広がり、非日常的な時間を体験できます。

情報提供 / 萩市地域づくり推進課

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