石巻の海を守る
黄金から生まれた神の島

SHIMA INFORMATION

北海道・東北エリア/ 宮城県

金華山 きんかさん

面積
約9.92㎢
人口
約6人(黄金山神社の神職)
観光スポット
黄金山神社、鹿山公園
特産
金華サバなど
アクセス
仙台駅からJR仙石東北ラインで約60分、石巻駅で下車。バスまたはタクシーで鮎川港へ。鮎川港から定期便で約20分
URL
https://www.city.ishinomaki.lg.jp/cont/10452000b/-kanko/-kankomap/d0130/20150814103511.html

金華山 kinkasan

日本初の黄金発見から神が降りた
時の権力者に崇敬され歴史をつなぐ

金華山は、宮城県石巻市牡鹿半島の先に浮かぶ神秘の島。歴史は西暦749年に遡り、信仰の島として長く大切にされてきました。青森にある「恐山」、山形にある「出羽三山」とともに、「東奥三大霊場」と呼ばれています。霊島である金華山は、木々の伐採や漁が禁じられてきた島でもあり、そのために手つかずの自然に恵まれた神域。太古から命を育むブナ・ケヤキの原生林が島を見守ります。生息する鹿や猿は、由緒ある島を守る神の使い。特に鹿は島のあちこちに現れ、訪れた人を愛らしい姿で癒してくれます。西斜面中腹には、島のパワースポットの中心となる「金華山黄金山神社」が。創建は、日本で初めて発見された黄金が、聖武天皇に献上されたことに由来します。金運のご利益があるとされ、「3年連続でお参りすれば、一生お金に困らない」という伝承は有名です。時の権力者からの信仰も厚く、平安時代末期に栄華を極めた奥州藤原氏3代当主・藤原秀衡の寄付により、厳粛で美しい境内が生まれました。仙台藩初代当主の伊達政宗も熱心に崇敬し、以後伊達家との縁も深く結ばれています。島に宿泊施設はありませんが、「金華山黄金山神社」には参籠(おこもり)のための施設があり、現在も訪れる人が絶えません。古来より人々の拠り所であり続け、現在も神の域とし大切にされる金華山は、今日も広大な太平洋に美しく佇んでいます。四方を紺碧の海に囲まれ、日によっては雲が島に降りるような景観にも恵まれ、対岸から見るだけでも神々しさに触れられます。

黄金と生産の神を祀る唯一の神社
神域として守られた古代樹も健在

700年代に即位した聖武天皇は、東大寺の大仏を塗金するための金を必要としていました。当時の日本では金は手に入らず、高いお金を出しての輸入に頼っていたためです。そこに749年、陸奥(現在の東北地方の一部)から黄金が発見され、聖武天皇に献上されました。天皇はとても喜び、年号を「天平勝宝」と改めます。この祝事に由来し、金華山黄金山神社が創建されます。日本中に数多くある神社の中でも、黄金と生産の神を祀るのは、金華山黄金山神社が唯一です。この黄金山神社を中心に、島のすべてが神の域として扱われてきました。辯財天(弁財天)を祀っていることから、明治の神仏分離令までは、女人禁制という歴史も辿りました。長く人々の崇敬を集めたことを表すように、島には太古の木々の姿が。樹齢800年の御神木や、楓と松が1本の木のように絡み合う「相生の松と楓」が見られ、島が辿った悠久の歴史を思わせます。また金華山黄金山神社では、今も金華山の水を使って日々を過ごし、人間と自然の共存を伝えています。御拝殿近くにある「金華山銭洗辯財天」では、龍の口から流れる清らかな水に触れることができ、今も人々が多く訪れます。この水で小銭や紙幣を洗い身に着けると、御利益があるといわれています。

現在も続く尾籠の風習を体験可能
神気と自然の力が心身を癒やし清める

島には民家や宿泊施設が存在しませんが、金華山黄金山神社には尾籠(宿泊)の風習が残されています。江戸時代以前の記録によると、金華山参拝には牡鹿半島にある宿場に泊まり、金華山に1泊して帰ることが一般的でした。金華山は標高445mの山があり、島の面積は9.92㎢。現在は日帰りも可能ですが、神域として大切にされてきた金華山の伝統・美しさをより伝えるため、尾籠の風習は続いています。宿坊としての施設になるため、テレビやドライヤーなどの備品はありません。しかし、金華山の水を使ってのお風呂や、喧噪から離れた豊かな自然の空気は、心や体に溜まった疲れをこの上なく癒してくれます。この地を守る神の存在や、人々が守り抜いてきた雄大な自然に触れ、本当の御利益を授かることができます。尾籠から明けた朝には、「一番大護摩祈祷」に参列できる体験も。神主に倣って大祓詞を神に奉唱し、護摩木で火を焚いて御祈祷します。東北の名だたる武将も崇敬した金華山には、神を思う人々の願いや思いが溢れています。遠方からも多くの人が訪れ、参拝することで神社と島の歴史を繋いだように、現在訪れる人も島の歴史の一部になります。その経験は何より意味深く、忘れられないものとなるでしょう。

古代より続く伝統行事が見どころ
神と人間をつなぐ祭事が多く開催

金華山黄金山神社では、古来より続く祭事が現在も続いています。5月最初の巳の日から7日間は、「金華山黄金山神社初巳祭」を開催。弁財天の使者が蛇であることにちなみ、氏子集が神殿から桟橋まで神輿を担ぎます。伝統装束に身を包んだ氏子が列を成し、掛け声とともに神輿を担ぐ姿は圧巻の迫力。稚児や福神の列が華やかに後に続き、お祭りを盛り上げます。7月の最後の土日には、「金華山龍神まつり奉納 龍(蛇)踊り」が開催され、夏の金華山を明るくにぎわせます。明治の神仏分離令以降、このお祭りは途絶えていましたが、1983年に「八大龍王神」の石碑が発見されたことにより、復活を果たしました。このお祭りでは、長さ20m重量100㎏の大きな龍が登場。鳴り物に合わせて10人の蛇衆が操り、猛々しい舞を披露します。金華山黄金山神社最大のお祭りであり、見ているだけで身体にエネルギーが漲るような、強いパワーを貰えます。10月は、「金華山黄金山神社神鹿角切り行事祭」の季節。神社の境内にいる30頭の鹿を取り押さえ、角を切り落とします。この光景が見られるのは、金華山黄金山神社と奈良公園のみ。境内にいる鹿は人に慣れているため、角が長く伸びて怪我をすることが無い様、このお祭りが生まれました。人と鹿が攻防する姿は、滅多に観られない貴重な光景です。

情報提供 / 石巻観光協会

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