日本で唯一の湖に人が暮らす島

SHIMA INFORMATION

近畿エリア/ 滋賀県

沖島 おきしま

面積
1.51㎢
人口
264人(2021年6月末時点)
観光スポット
奥津嶋神社、ケンケン山、桜並木
特産
ふなずし、湖魚佃煮
アクセス
JR琵琶湖線近江八幡駅で下車。堀切港まで近江鉄道バスで約30分、または市民バスで約50分。堀切港から沖島漁港までおきしま通船で約10分
URL
https://www.biwako-visitors.jp/spot/detail/15188/?active=basic

沖島 okishima

琵琶湖に浮かぶ桜の美しい島で
日本三大珍味の1つを味わう

「日本で唯一の淡水湖に浮かぶ有人島」「海なし県の離島」古くは琵琶湖の航行の安全を守る「神の島」など、さまざまなキャッチフレーズがつけられている沖島。2015年には「琵琶湖とその水辺景観−祈りと暮らしの水遺産」として日本遺産に認定され、沖島は構成文化財の一つとなっています。その沖島は近江八幡市北東部の沖合約1.5㎞に位置し、周囲6.8km、面積1.5㎢の琵琶湖に浮かぶ最大の島。淡水湖の有人島としても知られ、小学校などの教育施設が設置されていることは世界でも珍しく、学術的にも注目されています。春は美しく咲き誇る桜並木が絶景で、冬は湖北にそびえる比良山系の美しい雪景色を見ることができます。島には平地が極めて少なく、ほとんどの家庭が西南部の狭小な平地に密集していて主に漁業を営んで生計を立てています。漁船数約100隻で、底びき網、刺し網などが営まれています。特産品は、琵琶湖のウロリ(ゴリ)、モロコ、アユ、スジエビなどの佃煮。そして、ニゴロブナを使った「ふなずし」が有名で、日本三大珍味(カラスミ、このわた、ふなずし)の1つにあげられているほどです。琵琶湖固有の湖魚を生かした沖島の風土あふれる特産品です。島内には車も信号もなく、徒歩と三輪自転車が島民の主な移動手段。島に降り立った瞬間からゆったりとした時の流れを感じることができ、鳥の声や船のエンジン音を耳にしたとき「初めて来たのにどこか懐かしい」そんな日本の風景に出会えます。

室町時代から戦国時代にかけて
歴史の重要な出来事に関わった島

沖島の歴史は古く、万葉集に沖島に関する詩が見受けられることや、大正時代に島の付近で縄文土器や和同開珎が発掘されたことより、かなり古くから人々の往来があったと考えられています。島内にある「奥津嶋神社」の建立当時は、琵琶湖の航行の安全を守る「神の島」として崇拝される無人島だったといわれています。本格的に島に人々が住み始めたのは平安時代後期になってから。保元・平治の乱で敗れた落ち武者たちが沖島に漂着し、開拓を進めて住み着いたことが始まりで、彼らは島民の祖先とされています。室町時代になると、近江守護佐々木六角氏により湖上の要衝として船舶の監視と取り締まりが、沖島住民に命じられるようになりました。琵琶湖水運の重要拠点として関所が設置されたのです。文明年間には、琵琶湖の嵐で遭難した蓮如上人が沖島に立ち寄っています。このときに遺された真筆「虎斑の名号」と「正信偈」は、島内の「西福寺」の寺宝にて公開されています。戦国時代には織田信長が浅井長政と戦った際に島民が協力。その結果、感謝状と漁業権の特権を与えられています。さらに、関ヶ原の戦い後の徳川家康による石田三成の居城・佐和山城攻めにおいても水軍として活躍しています。このように沖島は歴史上の重要な出来事や人物に関わっていることが多いのです。

沖島から発信する琵琶湖の魅力
景観に感動して体験に感激する

湖上交通の安全祈願のため、712年(和銅5年)に藤原不比等が創建したとされる「奥津嶋神社」。ここからは沖島の町並みや島を取り囲む湖の風景を見ることができるので、眺望を楽しむためにもぜひ訪れたい場所です。さらに、沖島で一番標高の高い蓬莱山(225m)の宝来ヶ嶽まで登ると琵琶湖を見下ろすことができ、湖東の景色を一望することができます。途中には、「ケンケン山」と呼ばれるお花見広場があり、ここからは比良山系・比叡山が望めます。また、「桜まつり」のシーズンには、お花見を楽しめる場所として評判です。夏になると、沖島でダイビングツアーを体験することができます。琵琶湖ならではの生き物を見ることができるので、海とは違った楽しみ方があります。10歳以上なら誰でも気軽に本格的なダイビングを体験できます。ダイビングのあとは、沖島のお母さん手作りの昼食を堪能することができます。ほかには島の生活を学べるような体験活動も実施しています。「ふなずし作り体験クルーズ」は、琵琶湖の固有種ニゴロブナを原材料とした郷土料理「ふなずし」を、沖島の漁師さんと一緒になって滋賀の伝統食を作ります。「お寺体験ツアー」では、「願證寺」にて島内の日常を感じてもらえる御講体験を行います。ほかにも琵琶湖内での「漁師体験イベント」が実施されています。

春の訪れとともに活気づく島内
桜の下で食べる郷土料理は格別の味

沖島では、例年お祭りなどの多彩な行事が開催されています。1月「沖島佐儀長祭」、2月「伊勢太神楽(獅子舞い)」、4月「沖島桜まつり」、5月「山神祭・弁天祭」「奥津島神社の春の大祭」、8月「夏祭り(納涼祭)」、9月「秋祭り」、11月「沖島湖魚まつり」、12月「沖島イルミネーション」。「沖島佐儀長祭」は、元服の儀(数え17歳の男子の成人式)のほか、五穀豊穣、無病息災、大漁、勉学などの祈願をこめて、大火で奉納される儀式。「沖島湖魚まつり」は、沖島学区文化祭と併せて開催され、島の特産品を購入することができます。中でも一番有名なのが毎春開催される「沖島桜まつり」です。湖岸一帯に咲き誇る桜並木がとても美しく、静かな湖と桜がおりなす風景は大変フォトジェニック。沖島の桜の開花は、少し遅めで毎年4月に入ってから咲き始めますが、木によっては3月下旬ごろには七部咲き、4月に入ると満開になり島全体が桜色となります。島内のあちらこちらで桜を楽しめますが、特に島の西側の桜並木はおすすめです。メインは桜並木だけではありません。同時に「沖島どんぶり」や「花弁当」といった多彩な郷土料理が販売され、来島する観光客の舌も楽しませてくれます。ほかにも「ふなのじょき」「沖島の鮒ずし」「沖島よそものコロッケ」「沖島産の天ぷら」「沖島の桜餅」「沖島えびせんべい」「清酒沖島」「芋焼酎沖の雫」など、沖島ならではの商品が多数出品されています。

情報提供 / 近江八幡市役所 文化観光課

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