水牛車に揺られて海を渡る
亜熱帯植物園の島

SHIMA INFORMATION

九州・沖縄エリア/ 沖縄県

由布島 ゆぶじま

面積
約0.15㎢
人口
14人(2021年3月時点)
観光スポット
ブーゲンビリアガーデン、蝶々園、マンタの浜
特産
アクセス
那覇空港から石垣空港まで約60分。石垣空港から石垣港離島ターミナルまでバスまたはタクシーで約30~45分。石垣港離島ターミナルから西表島大原港まで高速船で約40分。バスで由布島への水牛車乗り場へ。水牛車乗り場から水牛車で約15分
URL
https://painusima.com/map/

由布島 yubujima

西表島から遠浅の海を水牛車で渡る
小さな島全体が亜熱帯植物園の楽園

由布島は西表島の東海岸から約500mの位置にある八重山諸島の有人離島で、沖縄県八重山郡竹富町に属しています。西表島の与那良川(よならがわ)から海流によって流れ出た砂が堆積してできた砂の島で、島の周囲は約2km、海抜は1.5mしかないとても小さな島です。砂でできているため、島内では1.5m以内の深さを掘れば真水が湧き出し、1.5m以上の深さを掘ると海水が湧き出すという現象が見られます。由布島への直接のアクセスはできず、飛行機で石垣島へ行き、そこから高速船で西表島へ渡るというステップが必要になります。西表島から由布島へつながる海は遠浅となっており、満潮時でも1mほどにしかなりません。そのため干潮時に干潟を歩いて渡ることも可能で、徒歩であれば5分ほどで渡ることができますが、水牛車で15分ほどかけて海をゆっくり渡るのが人気であり、名物にもなっています。島の東海岸はビーチ、西側は西表島まで続く浅瀬でマングローブが茂っており、島内には4万本ほどのヤシ類を中心とした亜熱帯の樹木、色鮮やかな南国の花々が生い茂っているのが特徴。島全体が亜熱帯の植物園になっており、その景観はまるで南国の楽園です。島の気候は年間を通して温暖な亜熱帯気候で、本土ではあまり見られないようなさまざまな動植物と出会えるのも由布島の魅力。西表島とセットで観光に訪れる人も多く、八重山諸島の中でも人気の観光スポットとなっています。由布島は非常に小さい島で宿泊施設はないため、西表島や石垣島での宿泊となります。

竹富島や黒島からの移住者で繁栄
台風被害で多くの世帯が島を離れる

かつての由布島は、竹富島や黒島から移り住んだ人々で栄えていました。竹富島や黒島は稲作に向かない土地だったため、人々は西表島に水田を開いて稲作を行っていましたが、河川の多い西表島ではマラリアを媒介する蚊が発生し、マラリアの猛威に苦しめられることに。そこで周囲を海に囲まれ、河川を持たないマラリアの無病地であった由布島に仮住まいを持ち、西表島へ田畑を耕すために渡ったのです。その後、1947年に竹富島や黒島からの移住が行われて由布島内に集落が完成しました。パイナップルやサトウキビなどの栽培が盛んに行われるようになり、人口も増加。1955年ごろには学校も開校されるほどになりました。そのころ農耕用として活躍していたのが水牛です。水牛は当時高価なものでしたが、1955年ごろには各家庭で1頭の水牛が飼われるほどに島は繁栄していたといいます。ところが1969年に発生したエルシー台風により、由布島は壊滅的な被害を受けます。その結果、島のほとんどの人が由布島の対岸にある西表島の美原地区へ移っていってしまったのです。その中でも由布島に残り続けたのが、故・西表正治おじい夫妻。「島をパラダイスガーデンにしたい」という夢を描きながら、1頭の水牛でヤシや花々を植え続け、手作りで南国の楽園を作りあげました。それが現在の「島全体が亜熱帯植物園」という由布島の姿につながっているのです。

色鮮やかなブーゲンビリアを観賞
蝶々園ではオオゴマダラが飛ぶ姿も

由布島観光は、まず水牛に乗って島へ渡るところからスタートします。水牛に乗って海を渡る約15分間は、水牛が水をかき分けて進む足音や唄三線の音色に耳をすませながら、のんびりした島時間を楽しみましょう。島内ではモデル水牛との記念撮影ができたり、ふれあいスポットでふれあい体験を楽しむこともできます。由布島へ到着してからの見どころは、「ブーゲンビリアガーデン」。沖縄で古くから見られる色とりどりのブーゲンビリアが1年中色鮮やかに咲き誇っており、そこはまさに楽園です。「蝶々園」では、日本最大級の蝶で沖縄県の県蝶にも選ばれている「オオゴマダラ」を見ることが可能。大きく美しい羽根を広げて飛ぶ姿は優雅で幻想的です。ほかにもアサギマダラやジャコウアゲハ、シロオビアゲハなどさまざまな蝶を見ることができ、運が良ければ黄金色をしたオオゴマダラのサナギも見られます。また蝶々園では蝶以外にも季節ごとに多種多様な植物を見ることができ、中には珍しい姿形をした植物もあって見ごたえ十分です。「水牛の池」では、池に浸かる水牛や親子で仲良くくつろぐかわいい水牛の姿などを見られます。水牛1頭1頭にはそれぞれ名前がついており、その違いを見分けるのも楽しいです。

マンタの浜からは海と小浜島を一望
由布島と小浜島間はマンタの通り道

由布島には、目の前に広がる青い海と小浜島が見える美しい浜「マンタの浜」もあり、ぜひ訪れたい場所です。マンタの通り道になっていることから、由布島と小浜島の間にあるヨナラ水道は「マンタウェイ」とも呼ばれ、浜にはマンタのモニュメントもあります。島内の観光に疲れたら、マンタの浜近くにある「由布島茶屋」で一休み。目の前に広がる海を一望しながら、おいしいコーヒーや手づくりのジェラート、ケーキなどを楽しめます。お腹が空いたときは、植物園の真ん中あたりにある「レストラン・売店」へ。飲食コーナーでは八重山そばやカレーライスなどを食べることができるほか、ビールやトロピカルジュース、ソフトクリームなども食べられます。売店では由布島の水牛グッズや八重山地方などのお土産を買うことができるので、旅の思い出に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。由布島の入口にある「水牛待合所」にもショップが併設されており、お土産や西表島の農家さんが作った果物を購入できます。

情報提供 / 竹富町役場
画像提供 / 由布島亜熱帯植物楽園

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