岩子島 いわしじま

交通量が少なく
サイクリングでのどかな島を快走！

岩子（いわし）島は広島県尾道市に属する島。向島大橋で結ばれている向島とほぼ一体化しており、文化も相似しています。向島は海の上を続く橋で有名な「しまなみ海道」で本土と結ばれているため、岩子島と広島県とは陸続きになっています。岩子島の島名は、鰯がよく回遊してきたことに由来し、岩子と書いていわしと読みます。人口は約600人、面積は2.45㎢、島の周囲は8kmほど。こぢんまりとしており、サイクリングに適した島です。周囲の観光地に比べて落ち着いた印象があるため、ゆったりとした島時間を味わえる穴場スポットです。しまなみ海道のサイクリングのついでに立ち寄ってみては。本土とは向島を介して陸続きのため、車でアクセスすることができます。バスの運行もあるためフェリーや定期便は出ていません。岩子島の主産業は農業です。特にワケギ（ねぎの仲間）は日本国内でもトップの生産量を誇っており、全国各地に出荷されています。ねぎよりも辛みやクセが少ないワケギはさまざまな料理を引き立たてる名脇役です。島の農家の4割がワケギを栽培しているので、時期になると青々としたワケギ畑の風景が見られます。また、岩子島はトマトの産地としても有名で、広島県内ではトップクラスの生産量です。向島内の飲食店ではワケギやトマトを使った岩子島グルメを楽しむことができますよ。お酒が好きな方には完熟トマトをたっぷり使ったクラフトビール「岩子島トマト　ヴァイツェン」がおすすめ。トマトの爽やかな酸味がアクセントとなり、飲みやすいとして大人気です。向島や尾道市内のお店で手に入れることができます。

もう一つの厳島神社は
映画ファン必見の名ロケ地

岩子島には、広島県廿日市の宮島にある厳島神社とは別物の厳島神社があります。かつて平清盛が日宋貿易の中継地にするために宮島の厳島神社を開拓した際に、岩子島と宮島でどちらが中継地として相応しいか比べるために、岩子島にも建てられたといいます。結果的に本宮は宮島に建てられることとなりました。岩子島の厳島神社の鳥居は白い砂浜に朱塗りが映え、神秘的な雰囲気を感じられます。その景観の美しさから、映画「男たちの大和／YAMATO」や「探偵ミタライの事件簿　星籠の海」などのロケで使われた経緯もあります。ほかにも、昭和初期に掘られた素掘りのトンネルである浜之浦隧道（ずいどう）は「新・尾道三部作」や「ふたり」のロケ地になっています。数々の名作映画のロケ地になった岩子島には、毎年映画のファンが巡礼に訪れます。岩子島に行く際は、事前にこれらの映画を見ておくのも乙な楽しみ方です。

絶妙なバランスで安定している
フォトジェニックな「ゆるぎ岩」

岩子島には西岩岳と呼ばれる標高130mほどの山があり、ハイキングを楽しめます。登山道を15分ほど進めば、見晴らしの良い稜線をしばらく歩くことになります。横には柵がなく滑りやすい箇所もあるので注意が必要ですが、視界を邪魔するものがない分、その景観は圧巻の一言。瀬戸内海のパノラマが広がります。西岩岳の頂上を過ぎて50mほど下ると、岩子島の観光スポットである「ゆるぎ岩」が現れます。巨大な岩が絶妙なバランスで重なり合っている様はフォトジェニック。人の手が加えられることなく、自然の力だけで形成された奇観として、尾道市指定天然記念物に指定されています。実際は安定しているので、訪れた際は上に乗って写真を撮ってみてはいかがでしょうか。また、岩子島にはいくつかの有名な心霊スポットがあるため、廃墟マニア・心霊スポットマニアから密かな人気を集めています。スリルを楽しみたい方は節度を持って訪れましょう。

情報提供 ／ 尾道観光協会