恵みの海に泳ぐイルカたちと
白い風車がランドマーク

SHIMA INFORMATION

九州・沖縄エリア/ 熊本県

通詞島 つうじしま

面積
約0.6㎢
人口
約513人
観光スポット
海水浴場(漁船によるイルカウォッチング)、六角形の大井戸温泉施設
特産
魚介類、天日古代塩など
アクセス
JR三角線熊本駅から40分、三角駅下車。三角港より本渡港まで約57分、本渡バスセンターまで徒歩で約5分、本渡バスセンターから二江通詞島まで約40分
URL
https://www.t-island.jp/

通詞島 tsujishima

野生イルカが定住する美しい海と
のどかな風景が人気の島

天草下島の北端に浮かぶ通詞島。熊本県天草市五和町二江(ふたえ)地区にあり、島の外周は4 kmほどの、車であれば10分ほどで1周できる島です。1975年に通詞大橋が開通するまでは、手漕ぎの渡し舟が行き来するようなのどかな風景が広がっていました。しかし、橋の開通後は車での往来も増え、訪れる観光客も増加。五和町の二江港から漁船にのって5~15分の沖合には、野生のミナミハンドウイルカが300頭ほど生息しており、「イルカと会える島」としても知られています。イルカウォッチングを目的とする観光客も来島するようになりました。海からの恵みを大切にする島民にとって、イルカの存在は大きく、観光資源としてだけでなく大切な島のシンボルです。島の東西の端に見える白い風車は通詞島風力発電所。イルカが棲む豊かな自然を生かし、守るためのクリーンエネルギーを創出しています。宿泊施設は旅館や民宿が中心。島内には路線バスが走っていますが、本数はそう多くはありません。レンタサイクルの貸し出しも可能です。イルカが泳ぐ島として国土交通省「島の宝100景」に、また五和町二江地区が「にほんの里100選」などに選出されました。

壱岐対馬や朝鮮半島まで漁に出ていた
潜水の技術を持つ先祖たち

潜水漁(素潜り)や1本釣りなどが盛んな通詞島の漁業は、代々伝えられてきた伝統あるもの。優れた潜水漁の技術を持つ島の祖先たちは、遠くは壱岐対馬や朝鮮半島までも漁場にしていました。漁場先などとの交易も盛んで、朝鮮語や琉球語なども話すことができたと伝承されています。さまざまな言葉を話す「通訳」=「通詞」の住む島であるため「通詞島」の名がついたとも伝わっています。有明海と天草灘を結ぶ最も潮の流れが速い二江の沖合では、豊富な漁場となっており、海藻が生い茂り、ウニやアワビをはじめ、イカやアジ、ボラ、トビウオ、メジナ、クロダイなど多くの魚介類が生息しています。たくさんのイルカがいるのも、海の恵みゆえともいえるのです。漁師とイルカの双方が海の恵みを享受しながら、共存共栄を図ってきた希有な場所でもあります。島の沖ノ原貝塚遺跡からは製塩土器が出土。縄文時代から塩づくりを行っていた様子が伝わっています。製塩は、今も島の数か所で続いており、見学や工房での塩づくり体験ができる施設もあります。

イルカ観察以外に釣りも楽しめる海
遊びの後は眺望抜群の温泉でリラックス

観光の大きな目玉は、二江港から漁船に乗って5~15分ほどの沖合で体験可能なイルカウォッチングです。漁船やクルーザーなど小さな船を利用するため、イルカを至近距離で観察できるのが魅力です。ほぼオールシーズン見ることができ、イルカと遭遇率が高いのも通詞島の強み。1年を通じて体験可能ですが、ベストシーズンは気候に恵まれる4月〜10月ごろ。5月〜9月はイルカの出産時期に重なるため、親子のイルカに出会える確率が高いのでおすすめです。雨が降っていても、波がそれほど高くなければ出航するケースがほとんどですが、台風接近や悪天候の予報があるときは中止になることも頭に入れておくといいでしょう。また豊富な漁場を持つ通詞島ではフィッシングも楽しめます。1年を通じてイカやアジ、カサゴなどの釣果があるため、釣りスポットとしても人気。堤防釣りから漁師さんが出す遊覧船の予約もできます。お子さまや女性など釣りのビギナーには手ぶらで楽しめる海上釣り堀施設もあります。アクティビティの後は高台にある海が見渡せる温泉施設「ユメール」でのんびり過ごすのもおすすめ。島原半島や雲仙岳が一望できる大浴場、イルカの見えるレストランなど見晴らしも抜群です。島の特産品も購入できます。

古くからの歴史を知るスポットめぐりと
漁師の島ならではのイベントが開催

島の歴史をたどりたいなら、「五和歴史民俗資料館」へ行ってみましょう。島に伝わる漁労民具資料や、イルカやクジラの標本資料、沖ノ原貝塚遺跡から出た製塩土器などの資料が展示されています。資料館で学んだら、実際の製塩にも挑戦。「完全天日塩製塩所」など塩づくり見学、体験のできる施設もあります。島の歴史を知るキースポットとして、島の東西にある2つの大井戸も要チェックです。六角形の珍しい形をしたもので、中国式といわれる井戸は、島が遠方との交易を行っていた「通訳が棲んでいる島」=「通詞島」としての証となるものとして知られます。毎年1月上旬には、二江まちづくり振興会主催の「新春通詞島ウォーク」が開催されます。コース途中の三天宮では1月7日祭りも行われます。このお宮に祀られる弁天様はエイの背中に乗りやってきたとの伝説があり、案内役を務めた赤エイは神様のお使いとして病の治癒がかなったとの言い伝えがあります。言い伝えにあやかり、赤エイをかたどった絵馬で無病息災を祈ります。毎年5月には漁業の神をまつるも恵比須祭りが開かれています。

情報提供 / 天草市五和支所

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