SEA 2023.03.29

春に解禁!
イルカと泳げる島
東京都「御蔵島」

つるんとした流線美に愛らしい顔をしたイルカはまさに海のアイドル。水族館では彼らの能力を最大限に生かした迫力のあるパフォーマンスを見せてくれるため、他の動物よりも比較的、身近な生き物と言えるでしょう。そんなイルカも本来は野生動物。実は東京には野生のイルカと泳げる夢のような場所があります。そこで本記事ではイルカの棲む島と呼ばれる「御蔵島」にフォーカスしてご紹介。春にシーズンインされたばかりのドルフィンスイムに注目していきましょう。

松田夏季
(元ダイビングインストラクターの海好きライター)
静岡県西伊豆町出身。ドルフィントレーナー専門学校を卒業後、ダイビングインストラクターや船舶などの海にまつわる経歴をもつ。現在は「愛」をテーマに地球を冒険中。旅中で出会う人々や生き物、大自然が与えてくれるインスピレーションを大切に、今よりもっと自分を「スキ」になる人生を送りたい。
御蔵島とは?

都心から約200km南下した場所に位置する御蔵島はイルカの棲む島として名を馳せています。島を原生林が覆い、約300の人間と地球が今も共存しているこの島の住所はなんと「東京都」。島を囲むようにイルカたちが生息しているため、ドルフィンスイムツアーでの遭遇率は99%と謳われているため、一泊二日の旅行でイルカと泳ぐことができます。

ただし御蔵島への直行便は夜行船のみ。くわえて大型船が着岸できる港が1箇所しかないため、他の離島に比べアクセスが難しい島です。竹芝桟橋から約7時間半の船旅を経て無事辿り着けた暁には、最高の思い出が作れるでしょう。

着岸率を考慮して三宅島で下船する方法も!

御蔵島の着岸率を考慮し、港が3つある「三宅島」で下船し、現地のドルフィンスイムツアーに参加する方法もあります。三宅島から御蔵島までは漁船で約一時間ですので、スイムの対象は御蔵島のイルカとなりますので遭遇率は変わりません。リスクを回避したい方におすすめです。また三宅島ではダイビングをすることも可能。御蔵島では禁止されているため、海のレジャーを思う存分満喫できます。

宿は早めに予約しておこう!

御蔵島は大自然が残る小さな島ですので宿泊施設に限りがあり、宿の予約は抽選で決められます。予約が取れていない場合、御蔵島に上陸することすらできませんので要注意。イルカと泳ぐと決めたら、まず宿の確保から始めると良いでしょう。

酔い止め薬は必ず持っていこう!

ドルフィンスイムツアーに酔い止め薬はマストアイテム。御蔵島でのツアーの時間は約2〜3時間。三宅島でツアーに参加するのであれば、御蔵島と往復する時間を考慮し、長時間、船の上にいることを想定しておきましょう。乗り物に弱い人は愚か、強い人でも酔ってしまう可能性があります。

ドルフィンスイムとは?

ドルフィンスイムとは文字通りイルカと泳ぐアクティビティです。本記事では野生のイルカと泳ぐことにフォーカスしていますが、水族館やふれあい施設でも体験できる場合があります。前回ご紹介させていただいたホエールスイムとは違い、ダイビングの認定証が不要の場合がほとんどですが、ドルフィンスイムが行われている島はイルカと共存している地域ですのでツアーで規約やローカルルールは事前に確認しておくことをおすすめします。

ドルフィンスイムができるイルカって?

御蔵島で出会うことのできるイルカは「ミナミバンドウイルカ」という種類です。水族館でよく見られる「バンドウイルカ」よりも一回り身体が小さく、成熟するとお腹部分に浮き出る斑点模様が特徴です。また御蔵島のイルカには名前がついている個体がたくさんいます。気になる方はガイドさんに聞いてみるのも面白いかもしれません。

日本国内で野生のいるかと泳げる離島

御蔵島や三宅島を除き、その他にも日本には野生のイルカと泳ぐことができる島があります。

・利島
東京から南に約140kmに位置する利島。高速船を利用すれば最短2時間半で来島可能なアクセスの良い島です。約20頭前後のイルカが確認されており、ドルフィンスイムとダイビングの両方を体験できる魅力的な場所です。

・父島
小笠原諸島の一つ「父島」。世界自然遺産にも登録された島で、アクセス方法は船のみ。片道約24時間かかるものの観光客が絶えない人気の島です。濃く深みのある海は「ボニンブルー」と呼ばれています。父島では「ミナミバンドウイルカ」のほかに「ハシナガイルカ」や「マッコウクジラ」が生息しています。冬になると「ザトウクジラ」も観察できます。スイムの対象は変わらず「ミナミバンドウイルカ」のみです。

本記事では春にシーズンインされたばかりのイルカの棲む御蔵島にフォーカスし、ドルフィンスイムについてご紹介しました。島の人たちの暖かさ、自然の豊かさ、そしてイルカたちと至福のひと時を過ごすことができる夢の島。旅の注意点はいくつかあるものの、史上最高の感動を味わってしまえば、リスクを背負ってでもまた御蔵島に訪れたいと思わせてくれること間違いないでしょう。