原生林や原生花に野鳥が囀り
めん羊の育つ島

SHIMA INFORMATION

北海道・東北エリア/ 北海道

焼尻島 やぎしりとう

面積
約5.21㎢
人口
約150人
観光スポット
オンコの荘、鷹の巣園地
特産
羊肉、昆布など
アクセス
札幌から特急はぼろ号で約3時間10分、本社ターミナルから羽幌港までバスで約10分、羽幌港から焼尻島までフェリーで約1時間
URL
https://teuri-yagishiri.jp/

焼尻島 yagishirito

天然記念物の原生の森が広がり
地を這う森オンコ荘が見られる

苫前郡羽幌町の西約25kmの日本海に位置しており、羽幌から高速船に乗ると30分ほどで到着する有人離島です。島の1/3が原生の森で、約50種15万本もの国の天然記念物の木々が広がっており、高山植物や原生花を見ることができます。森を抜けると羊がいる牧草地帯が広がり、渡り鳥の中継地として、百数十種類の野鳥が島を訪れます。焼尻島の森は普通の森とは趣が異なり、強風と豪雪に耐えることができるような構造になっており、「地を這う森」とも呼ばれています。森林は風圧に押され、上から押しつぶされたように枝が横に広がっていて、日本海の激しい季節風や雪の重みによるものだといわれています。通常は高さ15mほどに成長するオンコという樹木が、焼尻島ではわずか1mの高さに。枝野広がりは直径10mを超え、末広がりの状態となっていることから「オンコの荘」と呼ばれています。季節によって可憐に咲きほこる草花も魅力で、春には森に青いエゾエンゴサクが咲き、夏には黄色い元気な花をつけるエゾカンゾウが道端に姿を見せます。秋の自然公園を歩くと、紫色が美しいエゾリンドウや白いオオマザキゾウ、鶏のとさかのような形のエゾトリカブトなどを見ることができ、四季折々の花々を楽しむことができます。島の中央に広がる牧草地では、春になるとめん羊が放牧されます。普段はモコモコとした温かい羊毛につつまれているめん羊ですが、春に刈り取られると愛らしい姿となります。めん羊が潮風に吹かれながら、のんびりと草を食べている光景を見ていると、穏やかな時間の流れを感じることでしょう。

展望台から眺める360度の絶景パノラマ
利尻富士や日本海を見渡せる名所

島の西南部の岬には草原が広がる「鷹の巣園地」があります。広がる草原となっていますが、小高い山の頂上には木柵で囲まれている展望台が設置してあり、360度の景色を堪能することができます。北海道本土が見えるほか、目の前には約3.5km離れた天売島、東に天塩山系、南に暑寒別岳と雄冬岬の海岸線を見渡せます。北には水平線に揺れる利尻富士や日本海を見渡すことができ、記念撮影の名所になっています。空気が澄み渡る秋には、礼文島まで見えることもあります。この付近は、日本史にも登場する英語教師第1号のラナルド・マクドナルドが上陸した地といわれています。また天売島を隔てる武蔵水道とは、1925年旧日本海軍測量船「武蔵」が測量したことから付いた名称といわれています。好漁場として知られている武蔵堆の発見もこのときの調査によるものです。さらに尻焼尻島にある北海道指定有形文化財の旧小納家は、焼尻郷土館として開放されています。1900年に建てられ、明治時代につくられたモダンな木造建築です。小納家は石川県の出身で、焼尻島では漁業のほか、呉服、雑貨商店を営むだけでなく、郵便局、電信局の許可を受けて併設していました。資料館には小納家ゆかりの生活用品、家具のほか、当時の逓信機器などが展示されています。

キャンプ場で満点の星を眺められる
潮風を感じるサイクリングも爽快

島には潮風に吹かれながら、ゆっくり過ごすことができるキャンプ場「白浜野営場」があります。本土から約20km離れており、余計な街灯がなく、夜空一面に広がる満点の星を満喫することができます。白浜野営場のすぐ前にある白浜海岸では、浜遊び、水遊びを楽しめます。波音だけを聞きながら、夕日が沈むのを眺める贅沢な時間を満喫できます。開設時期は5月上旬~9月下旬。また夏には自転車で海岸線を走ると、道端に咲く黄色い元気な花、エゾカンゾウが顔を見せてくれます。夏はミズバショウが終わり、青と緑と黄色のコントラストに眼を奪われます。潮風を感じながら島をサイクリングすると、サフォーク牧場の羊たちのモグモグする姿や島を一望できる鷹の巣園地も楽しめます。レンタサイクルは、5~9月中旬に利用することができます。焼尻島は最高の標高は94mほどで若干の勾配があるため、坂が苦手な方は電動付きレンタサイクルの利用が便利です。毎年8月上旬に開催される「焼尻めん羊祭」では、潮風に吹かれたミネラル豊富な牧草を食べ、外敵がいないストレスフリーの環境で健康に育った焼尻めん羊サフォークを堪能できます。

希少な羊肉焼尻島サフォークの産地
ミネラル豊かな海で育つ昆布も美味

焼尻島のグルメといえば、ブランド羊肉「プレ・サレ焼尻島サフォーク」。サフォークとは、顔と四又が黒い羊で、めん羊のことを指します。潮風が運ぶ塩分やミネラル分が多く含まれた牧草を食べて育った羊の肉は柔らかく、臭みも少ないといわれています。フランス産高級羊肉「プレ・サレ」にも匹敵すると評価され、2008年の「北海道洞爺湖サミット」の晩餐会でも提供されました。焼尻島の羊肉はほとんどが国内の高級フレンチレストランに出荷されるため、頭数が少なくなっています。島民でも滅多に食べられない幻のめん羊といわれていますが、夏開催の「焼尻めん羊まつり」では食べることができるので必見。また、羽幌町の一部のレストランと焼尻島にある島っ子食堂で6~9月末の季節営業の期間に食べることができます。タイミングによっては食堂でも手に入らない日もあるといいます。羊肉のほか、島の特産品としては昆布が有名。島の原生林から、ミネラルが含まれた水が海に流れ込みます。さらに、海藻類は高温が苦手で寒い冬によく育つため、寒い焼尻島の海ではおいしい昆布が育つのです。焼尻で採れた岩海苔を加工して作った磯海苔もあり、おにぎりなどに最適。焼尻島のフェリーターミナル近くにあるお土産店で販売されています。

情報提供 / 羽幌町観光協会

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