伊万里湾の湾口にある
北松浦半島の有人島

SHIMA INFORMATION

九州・沖縄エリア/ 長崎県

青島 あおしま

面積
約0.9㎢
人口
約190人(2021年4月末時点)
観光スポット
宝の浜海岸、七郎神社
特産
青島かまぼこなど
アクセス
有田駅から松浦鉄道で約1時間半、御厨駅で下車。徒歩またはタクシーで御厨港へ。御厨港から定期便で約20分
URL
https://matsuura-guide.com/mokuteki/?mk=3&area=1

青島 aoshima

歴史に名を刻む伊万里湾にある島
1000年以上海と共存する青島の漁

青島は、北松浦半島北端の津崎鼻から北東約1.2km沖に位置しています。伊万里湾の湾口部にあり、約3km東には鷹島があります。1時間ほどで島を1周でき、ほとんどの住民は、島東部の漁港の周囲にある集落に集まっています。長崎県北部の松浦エリアは、3世紀の書物「魏志倭人伝」にも「末羅国(まつらこく)」としてその名が残る大陸の窓口でした。古くから水産業が盛んな地域としても知られ、広く交易が行われていたと伝えられています。この青島は、鷹島とともに鎌倉時代中期に起きた元寇襲来の激戦地だったことでも有名。しかし、現在の青島はかつて激戦地だったと思わせる面影はなく、静かでのどかな光景が広がっています。昔は満潮になると島の低い部分は海に沈み、「崎の島」「中の島」「南島」と呼ばれる3つの島に分かれていました。島民と河童の河太郎(がたろう)一族が力を合わせて3つの島を1つにしたという民話「長者と河太郎」も残されています。また、青島は伊万里湾と玄界灘の境に浮かぶ漁業の島。1000年以上昔から、魚を獲って人々が暮らしてきた歴史が残されています。海の生態系を保ち、海の恩恵をいつまでも受けられる漁法を青島の漁師たちは、先祖代々から伝えられています。たとえばウニやサザエなどの漁では、長く潜れるボンベの使用は禁止されており素潜りのみ。さらに、魚の種類によって禁漁時期も厳しく決められており、海の資源が枯渇しないような工夫をして青島の海をみんなで守っているのです。

子どもの成長と安全を願う神社と
その日の魚で作られる自慢のかまぼこ

青島東部の入り江に小型漁船が並ぶ港とそれを囲む集落があります。そこの階段を登ったところに七郎神社、南側の高台に大きな子安観音像が見えます。子安観音は島のほぼ中央に建つ15mほどの観音像。もともとは、1934年に護国観世音がこの場所に建立されましたが、1985年に台風による被害で壊れ、子安観音像に建て替えられました。子安観音は子どもの成長と安全を願って建てられたもので、島のシンボルとしても有名です。ほかにも、安産の神様といわれている「南市神社」などもあります。また、青島で作られるかまぼこは、普通のかまぼこと違い、その日朝に捕れた魚を使って作ります。そのため、毎日味が違う味のかまぼこができあがります。その作り方も特徴的で、材料は新鮮な魚と塩と水のみ。新鮮な魚を使用するので、「つなぎ」は必要ありません。また、添加物は一切使用していないので体にもやさしいかまぼこです。青島では魚がたくさん獲れ、昔からどの家でもかまぼこを作ります。父親だけでなく、母親たち自らも漁に出て、魚を捕り、さばき、まるめ、ゆで、揚げる、すべてが手作業の「青島かまぼこ」は、愛情がたくさん詰まっているのです。魚の種類によって味も違うため、えそかま、あじかま、べにかまなど豊富な種類も自慢のかまぼこです。

コバルトブルーの海と夕日が自慢で
白い砂浜が美しい宝の浜海岸

コバルトブルーが自慢の「宝の浜(ほうのはま)海岸」は集落の反対側にあります。緩やかにカーブを描いていて、白い砂浜が続きます。海岸線の長さは約400m、奥行は約100mほどの人気の海水浴場です。透明度が高いのも魅力の1つですが、きれいなコバルトブルーの海が夕陽に染まる心奪われる美しい光景は島の人の自慢。海岸の砂はキメの細かい白砂になっています。シャワー室やトイレも完備されているので着替え場所などに困ることはありません。夏になると、バーベキューやキャンプをする人も多く、家族で楽しめるアウトドアスポットとしても人気。毎年、海開きになると多くの家族連れや観光客でにぎわいます。キャンプをする際は、松浦市役所へ予約が必須となるため注意が必要です。島には猫も暮らしており、人間と共存する様子は、可愛らしく心安らぐ光景です。宝の浜海岸付近の波はおだやかで、遠くまで続く伊万里湾の水平線を眺めていると思わず日常を忘れてゆっくりとした時間が流れるでしょう。遊泳期間については、松浦市役所へお問い合わせください。

全国的にも珍しい島全体が法人会社
島の日常を体験できる「ほんなもん体験」

青島の人口は、現在200人を下回っています。近年急激に島離れが進行し、人口減少が激しくなっています。さらに、島民の高齢化も進み、島の大半は漁師ですが船を出せなくなる人も増え、漁業産業は以前のような活気を失いかけていました。しかし、1000年以上の歴史ある青島を無人島にするわけにはいかない、「なんかせんばいかんよね」という危機感をもった青島の住民全員が一致団結。日本でも珍しい「離島住民の、離島住民による、離島住民のための組織」が一般社団法人「青島◯(あおしままる)」として立ち上げました。青島〇(あおしままる)という名前には、「まるく、まるごと、まるのまま」という想いが込められています。島の素朴さをそのまま大切にし、島の住民が1つになり、青島の産物や魅力を伝えながら進んでいきたいと考えのもと名付けられました。島の日常を体験できる「ほんなもん体験」では、青島の漁師さんのご自宅にホームステイし、その暮らしぶりを体験できます。たとえば、一緒に夕飯を作ったり、港釣りや船釣りなどの漁業体験にチャレンジしたり。青島かまぼこを作る体験だってできます。地元の人とのふれあいを通して旅の思い出を作ってみてはいかがでしょうか。

情報提供 / まつうら観光物産協会

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