海と一体化する
温泉と褐色の海が魅惑的な島

SHIMA INFORMATION

九州・沖縄エリア/ 鹿児島県

硫黄島 いおうじま

面積
約11.65㎢
人口
約125人
観光スポット
特産
大名たけのこ、椿油など
アクセス
鹿児島港から高速バスで約40分、鹿児島中央駅で下車。バスまたはタクシーで鹿児島本港南埠頭へ。鹿児島本港南埠頭から定期便で約4時間
URL

硫黄島 iojima

海・空・潮風を体で感じる露天風呂と
その時によって変わる褐色の海は一期一会

硫黄島は三島村の3つの島の中心に位置し、北には薩摩半島の開聞岳、南には屋久島を望む有人離島です。鹿児島市からはおよそ100〜150kmの位置にあり、約4時間弱と比較的長い時間船に揺られて到着するため、船旅気分が味わえます。平家物語に登場する俊寛僧都が平家打倒を企てた罪で島流しされた鬼界ヶ島が現在の硫黄島だとされています。その死後、俊寛を祀った俊寛堂が今も住民の手によって守られています。さらに安徳天皇が落ち延び、島の女性と結婚したとの伝説も残っており、その御所を中心とした石垣の街並みは風情があります。自然あふれる硫黄島には車輪梅の原生林、椿、つつじなどの花々が咲き、野生の孔雀が街を歩いているなど、のどかながらも貴重な光景が見られるのが魅力的。硫黄島という名の通り硫黄が採掘されて栄えた島で、今でも硫黄岳から噴煙が立ち込め、生命力あふれる山を目の当たりにできます。そのためか、硫黄島の海岸線では、褐色、乳白色、赤褐色などに海が変色し、ほかの島では見られない光景に遭遇。満潮や干潮、気候の変化によっても変わるので、その時々で色を変える海はまさに一期一会です。島のいたるところでは温泉が湧き出ているため、海岸沿いに露天風呂があるのも魅力の1つ。雄大な海と空を眺めながらの温泉は至福の時です。また、島で湧き出る温泉は皮膚病に効果が期待できるとして「日本名湯百選」にも選ばれています。

無垢なまま残された自然に身をまかせて
生命力に満ちた湧き出る噴煙を鑑賞する

島には観光施設や飲食店、コンビニはありません。宿泊施設は民宿とゲストハウスが5軒あります。1973年ごろには、海洋リゾート整備の一環で滑走路が600mある飛行場やリゾートホテルが建設されましたが、経営不振が理由で閉鎖されました。しかし、1994年に日本初の村営飛行場として生まれ変わり、現在は鹿児島空港から週2便運行しています。また、丁寧に手入れされた椿林の落花は島の見もので、椿の実からとれる椿油が特選品です。たけのこの大様と呼ばれる大名たけのこは、毎年5月ごろに収穫を迎えます。特産品の1つである長命草(ボタンボウフウ)は、島のいたるところに生え、天ぷらなどで食べることができます。雄大な山岳の噴煙を見るなら「平家城公園」がおすすめ。もともとは逃れてきた平家が追っ手の見張りのために見晴所が建てられましたが、現在は観光のために山を切り開いて車道を作っています。鹿児島方面をはじめ、さまざまな岬や山、湾が眺望できるスポットです。目の前には硫黄岳がそびえ立ち、もくもくと吹き出す噴煙を間近で鑑賞できます。平家城近くでは噴火によってできた地層の断面を見ることができ、港とは違った乳白色の穴の浜(けつのはま)温泉もあります。島内の集落にはガジュマルの木や約500年前の噴火で飛んできた、ひび割れた「亀石」があちらこちらに落ちているのも見どころ。無垢のまま残された自然と島の静かな時間に身を任せ散策するのがおすすめの過ごし方です。

大自然の中で極上のリラックス空間
東シナ海を望みながら温泉気分が味わえる

人気のスポットは海岸に湧き出す東温泉や海水浴を楽しめる透明度抜群の大浦港などです。大物狙いの磯釣りも人気で、港の堤防からでも大物が狙えるので、釣り初心者も楽しめます。特に、硫黄島ならではの自然が作り出した東温泉は、ここでしか味わえない岩石の露天風呂が堪能できます。海水と反応するときれいな乳青色に変色する温泉は、なんとも神秘的。一面に広がる東シナ海と一体化したような温泉で、心も体も癒されます。島の南西部にある「恋人岬公園」は、硫黄島の外せない人気スポット。恋人岬というだけあって、カップルで訪れると結ばれるという伝説が言い伝えられています。さらに、公園には「しあわせの鐘」、岬橋の手前には「希望の鐘」があり、恋人同士の観光スポットになっています。岬橋から望むことができるのは、赤褐色に染まった長浜湾と紺碧の海。そのコントラストを見られるのは、島を訪れた人だけの特権。晴れた日には屋久島や口永良部島などが見え、美しい景観が広がります。さらに、長浜湾とは異なる海の景色が広がる大浦港では、高さ約60mの岩石と地層を青く透きとおった海とともに眺めることができます。海面近くまで降りることができ、下から見る岩石や地層は圧巻。砂浜はありませんが、ちょっとした海水浴を楽しむこともでき、チャンスがあればウミガメに出会えることもあります。

伝統文化を大切にする三島村の踊りの1つ
「メンドン」がユネスコ無形文化財に登録

硫黄島には、離島ならではの独自の伝統文化が残されています。旧暦8月1、2日に行われる硫黄島八朔太鼓踊りに登場する仮面の神様「メンドン」は、ユネスコ無形文化遺産にも登録されました。仮面神「メンドン」は手に持っている枝で観客を叩くことで魔を祓うといわれています。島のお盆には、大松明に火をつける柱松(はしたまつ)と呼ばれる行事が行われます。また、鹿児島県指定文化財・無形民俗文化財に指定されている9月踊りでは、5種類の踊りがあります。硫黄島は、日本の中のアフリカ、ジャンベの島とも呼ばれています。船が入港する際は、ジャンベ演奏で出迎え、ジャンベの振興が盛んな島です。毎年春~秋の半年間はジャンベ留学生を受け入れ、8月には国際ジャンベワークショップも開催。平家物語で市今流しに合った俊寛僧都にまつわる史跡も残されており、歴史ある俊寛の史跡を巡ったり、大名たけのこ狩りなどをして楽しむことができます。

情報提供 / 鹿児島県三島村

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