日本で数少ない
無煙炭の痕跡が残る島

SHIMA INFORMATION

九州・沖縄エリア/ 熊本県

下須島 げすしま

面積
約4.5㎢
人口
約919人
観光スポット
特産
キビナゴなどの海産物
アクセス
①熊本駅から車で約3時間
②熊本駅から出水駅まで新幹線で約30分、出水駅から蔵之元港まで路線バスで約1時間、蔵之元港から牛深港までフェリーで約30分、牛深港から下須島までタクシーで約5分
URL
https://www.t-island.jp/

下須島 gesushima

天草諸島の橋で渡れる最南端の島
日本夕陽百選にも選定

下須島は熊本県天草市に位置し、天草諸島のうち橋でつながれている最南端の島です。天草下島は、天草・島原の乱で勢力を増したキリシタン関連の史跡が多いことで有名な県内最大の島です。下須島は、天草下島の南端にある牛深地区から海を挟んで南に望むことができます。島へのアクセスは天草下島と結ばれている通天橋と牛深ハイヤ大橋の2つの橋のみ。来島するには必ず橋を渡らなければならず、今では生活に欠かせないものとなっています。下須島は、もとは牛深市にありましたが、2006年3月27日に合併して天草市となりました。島内にも以前は小中学校がありましたが、現在は閉校しており、閉校後は、牛深町の学校区となり、子どもたちは橋を渡って学校に通っています。そんな過疎化が心配される下須島でも自然は今も大切に残されており、雲仙天草国立公園にも指定されています。小森海岸から見られる夕陽は、日本の夕陽百選にも選ばれており多くの感動を与えてくれます。島内には郵便局や商店などはあるものの、宿泊施設は民宿が3軒ほどあるのみ。路線バスの運行はありません。タクシーはありますが、島を観光するにはレンタカーで来島するのがおすすめです。観光で訪れる際は、宿泊や移動については入念にリサーチをすることが必要です。

島へ渡る2つの架け橋
世の中へ大きく広まった牛深ストーリー

天草下島と結ばれている牛深ハイヤ大橋は1997年8月に開通。牛深町の西部にある水産加工基地へのアクセスを短縮し、容易にするために計画・建設された臨港連絡橋で、実際に移動時間を最大20分も短縮。全長883m、幅13.6mの美しいカーブを描くよう設計したのは、関西国際空港も手掛けたイタリアの建築家レンゾ・ピアノ氏。夜にはライトアップされ、自然と調和した美しいデザインは素晴らしい景観を放ち、歩道も整備されていることから観光スポットにもなっています。下須島に掛かるもう1つの橋は、1971年に開通した通天橋。赤色をしているのが特徴で、橋の下を多くの船が行きかっている姿をみることができます。天草下島から下須島へ渡ってすぐ右手にある通天公園には、1972年にNHK連続テレビ小説で放映された「藍より青く」の記念碑が設置されています。太平洋戦争末期から敗戦後の牛深を舞台に、18歳で夫を亡くし子どもと力強く生き抜いていく姿を描いたストーリーで、島の美しさやありがたさを世に強く刻み、全国に天草と牛深をアピールした作品となりました。そしてこの作品を記念し、この思いを後世に残すべくして記念碑が1974年3月に設立。青い海を背に、繰り返してはいけない過去を忘れないよう、今でも住民の方々に大切に守られています。

海軍を支えていた海底炭鉱跡

下須島の1番の見どころは「烏帽子坑跡(えぼしこうあと)」。1897年に天草練炭株式会社が採炭のために構築した海底炭鉱跡で、日本を代表する無煙炭の産地であり、下須島の西海岸にその姿を変えず、海の上に建っています。「キラ炭」と呼ばれる高カロリーの優秀な石炭を産出し、海軍にも重宝されていましたが、湧水などに悩まされて稼働していたのはわずか数年。赤レンガの坑口の背後には石積みの防波堤がしっかりと組まれており、波による浸食にも耐え、100年以上経つ今でもその姿を残し続けています。水平線に沈む夕陽をバックにみる烏帽子坑跡は絶景で、ひと目見ようと足を運ぶ人も多く見られます。

日本初の海中公園に指定された自慢の海
亜熱帯特有のサンゴや魚が魅力

下須島の海のレジャーは格別。全国で初めての海中公園の指定となった牛深海域公園があり、亜熱帯エリア特有のトサカ類やイソバナ類など色とりどりのサンゴが自生しています。牛深港からはグラスボートが運航しており、お花畑のように広がるサンゴ礁や、そこを住処とする魚たちを船の中から海中散歩で楽しむこともできます。夕陽コースも人気で、夕陽百選にも選ばれた水平線に沈む夕陽を眺めることもできます。また、島内にはダイビングショップもあるので、たくさんの生物と一緒に泳ぐことも可能です。7月上旬〜8月末までは美しい弧を1kmに渡って描いている三日月状の広々としたビーチ「砂月海水浴場」が海開きします。「砂月海水浴場」は、下須島の海を満喫できるスポットの1つ。夏には海の家も開設され、マリンスポーツの体験や海水浴で楽しむファミリーやグループなど多くの人々で賑わっています。また、魚影が濃く、比較的アクセスしやすいことから、釣りを楽しむ客もあとを絶ちません。島内には複数の漁港があり、それぞれ釣れる魚種は異なり、ファミリーフィッシングも人気です。

ハイヤ系民謡のルーツとなった
「牛深ハイヤ節」

毎年4月に開催される牛深ハイヤ祭りは、約3,000人の参加者によって街中を練り歩くハイヤ踊りや船団パレードなどさまざまなイベントが楽しめます。「牛深ハイヤ節」は牛深において古くから伝わる伝統芸能。西日本では南風のことを「ハエ」と呼び、これが訛り「ハイヤ」となったのがはじまりです。牛深ハイヤ節が生まれたのは江戸時代後期で、港によく出入りしていた海産物を運ぶ船の船乗りたちと地元の女性たちが歌い踊っていたものがハイヤ節でした。牛深に寄港した船乗りたちにより全国に広まり、歌い踊り継がれさまざまなアレンジが加わったものが「阿波踊り」といわれています。

情報提供 / 天草市役所牛深支所

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