東京都心から
一番近いジオパーク
火山と椿とアンコさんの島

SHIMA INFORMATION

関東・中部エリア/ 東京都

大島 おおしま

面積
約91.06㎢
人口
7,321人(2021年8月末時点)
観光スポット
三原山、裏砂漠、椿花ガーデン
特産
椿、明日葉、伊勢海老、くさや、牛乳など
アクセス
①東京都竹芝桟橋から高速ジェット船で約1時間45分
②東京都調布飛行場から飛行機で約25分
URL
http://izu-oshima.or.jp/

大島 oshima

火山島の厳しい環境でたくましく働き
島の生活を支えてきた「アンコさん」

東京都心から南に120kmの洋上に浮かぶ大島は、伊豆諸島のなかで東京都心から一番近く、最大面積を誇る離島です。気候は黒潮の影響で年中温暖。島の中央にそびえる三原山は古来より噴火を繰り返してきた活火山で、その姿に島民は畏れ敬い神として崇めてきました。温暖な気候と火山島ならではの地形が相まって、都心から約2時間で着くとは思えぬほどの特異な自然が広がっています。火山島の厳しい環境で、男性が海や山で仕事をしている間、島の生活を支えてきた女性は、島言葉で姉・年上の女性という意味の「アンコ」と呼ばれていました。共同井戸から水を汲んだり、薪を運んだり、家や地域を守った剛健なアンコさん。筒袖・紺絣に前垂れという独特な服装、頭に手ぬぐいを被り頭上に物を載せて運ぶ姿は島の伝統風俗です。そのエキゾチックな魅力にかつての文人墨客も惹かれ、数多くの作品が生まれたといいます。現在はそんなアンコ風俗を守り、後世に伝えていくために「伊豆大島アンコ文化保存会」を発足し、アンコ衣装の着付け体験、アンコさんにちなんだ商品やグルメの開発など、さまざまな角度から魅力を発信しています。また、約8,000年前から人が住んでいたと言われる大島は、江戸時代中期まで政治犯の流刑地だった歴史があります。保元の乱で敗れた源為朝(みなもとのためもと)も大島流罪になりました。しかし、為朝は大島に流されてから、大島を含む伊豆諸島の7島を支配したといいます。

生きている地球のダイナミズム
三原山が作った景観を巡る

大島は富士箱根伊豆国立公園に属していて、自然公園法によって島の約97%の自然が保護されています。島のシンボル的存在の火山「三原山」による火山活動からは「地球が生きている」と実感でき、火山活動が形成してきた自然景観や生態系、そして島民の生活様式の特異さなどが審査対象となって、日本ジオパークにも認定されています。外輪山展望台からは三原山の全貌やカルデラの様子を一望できます。山頂口からハイキングルートが整備されていて、火口の展望台まで往復約1時間半。噴火時に流れて冷え固まった異形の溶岩を楽しめます。また、直径400mの火口を一周するお鉢めぐりもぜひ。火口付近には湯気が立ち込め、地球内部の熱を感じられます。火口は噴火の度に大きさや形を変え、穴の深さは60階建てのビルが丸々入ってしまうほどで迫力満点!また、火山活動による景観のなかでも必見なのは「裏砂漠」と「地層大切断面」。三原山の東側一帯に広がる裏砂漠は、国土地理院が発行する地図で唯一砂漠と表記された場所です。三原山の噴火で降り注いだマグマの飛沫が大地を焼き、植物を燃やし、噴火後に吹き抜ける強風が植物の定着を拒んだ結果、まるで月面のような黒い砂漠を作りました。他にはない景観を求めて、アーティストのMVやドラマ、映画のロケ地としてもたびたび使われています。地層大切断面は大島を一周する沿岸道路の南西部に現れます。高さ約24m、長さ630mという大迫力の地層に思わず嘆息するでしょう。大規模な噴火の度に少しずつ噴出物が堆積し、約150万年の年月を掛けて作られたというから、途方もない時間の流れを感じさせます。このように大島ならではの景観を巡るコースがいくつかあり、より深く楽しみたい方にはガイドツアーもおすすめです。

島民の生活や文化を支えた椿
世界から認められた「つばき園」

大島には自生する椿と植林された椿を合わせて約300万本もあると言われています。なぜ椿かというと、椿が防風林として最適だったからです。伊豆大島は離島のため、周囲に風を遮るものがなく、風速10m超えの強風が年間100日以上も吹くといいます。そこで火山灰土壌でも育ち、葉が厚くツヤツヤのため、潮風でも傷つかず火山灰も積もりにくい椿が重宝されたのだとか。また、椿は稲作ができなかった島で貴重な産物として島民の収入源となりました。寿命を迎えた椿の幹は炭として再利用。花びらからは染料を、種を絞れば椿油が採れます。椿油は古来からアンコたちの髪を美しく保つトリートメントとして、胃もたれしない食用油として活用されてきました。油の搾りかすは肥料として使うなど、島民は今も昔も椿の恵みを余すことなく享受しています。そんな椿の島には、世界的に権威のある国際ツバキ協会(ICS)が認定した「国際優秀つばき園」が3つもあります。「都立大島公園」は敷地面積7haに約1,000品種、3,200本の園芸品種と5,000本のヤブツバキが植えられていて、日本最大級の椿園です。「都立大島高校」は世界で初めて教育機関で国際優秀つばき園の認定を受け、約3,500種類、1,000本以上の園芸品種と原種を管理しています。「椿花ガーデン」は約400品種、2,000本の椿が植えられているだけではなく、園内の丘から富士山を望むことができ、椿と富士山の日本的美景を堪能できます。また、椿が見頃を迎える1月末から3月末までは、椿まつりが開催され島が一層盛り上がります。

大自然のなかで遊び尽くした後は
贅沢な温泉で癒しのひとときを

大島には、三原山トレッキングの他にも地形を活かしたアクティビティやイベントがたくさん。なかでもゲストハウス「Book Tea Bed IZUOSHIMA」の四輪バギーツアーがおすすめ。普通自動車免許(AT可)で運転できる全地形型対応のバギーを乗りこなして、街中を外れていき、森の中を抜け、広大な裏砂漠を目指します。荒涼とした黒い砂漠をバギーで進む爽快感は他には変えられないでしょう。写真映えも間違いなしです。ほかにもサイクルイベント「御神火ライド」や「ジオパークマラソン大会」、「トライアスロン大会」などのスポーツイベントも盛んで、大自然を感じながら体を動かす非日常体験を求めて多くの人が訪れます。夏には、海水浴・シュノーケリング・スキューバダイビングなど定番のマリンアクティビティも外せません。「トウシキ遊泳場」「日の出浜」「秋ノ浜遊泳場」はトイレやシャワーが完備されて親子連れにも人気のスポット。透明度抜群で穏やかな海に飛び込めば、黒潮の温暖な流れに誘われてやってきたカラフルな熱帯魚たちも多く観察できます。遊泳スポットではありませんが、青い海と玄武岩の黒い砂浜が美しい「砂の浜(さのはま)」も火山の島であることを感じられる景勝地。大自然のなかで遊んで疲れた体は温泉で癒すのがベストでしょう。「元町 浜の湯」は水着着用の男女混浴なので家族で入浴可能。目前に広がる果てしない海、夕日を眺めながら疲れを癒す幸福のひとときを過ごせます。「三原山温泉・大島温泉ホテル」は、雄大な三原山を望む露天風呂が目玉。まさにここでしか入れない温泉で、夜になると満点の星空に包まれます。島には、個性豊かな温泉を提供する宿がまだまだあるので、お気に入りを見つけてみてください。

情報提供 / 大島観光協会

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