萩沖の日本海に浮かぶ
溶岩でできた国境の島

SHIMA INFORMATION

中国エリア/ 山口県

見島 みしま

面積
約7.73㎢
人口
約697人
観光スポット
宇津観音堂、ジーコンボ遺跡、長尾ノ鼻、砂見田海水浴場、見島ダム
特産
魚介類、きゅうり、玉ねぎ、見蘭牛
アクセス
JR新山口駅新幹線口からバスで約1時間10分、東萩駅下車。東萩駅から徒歩で萩港へ。萩港からフェリーで約1時間10分
URL
https://www.city.hagi.lg.jp/

見島 mishima

北長門海岸国定公園区域に指定され
鬼揚子は島の風習・伝統工芸品に

見島は山口県萩市の本土から北西へ約45kmの日本海上に位置する有人離島で、北長門海岸国定公園の区域に指定され、島内には豊かな大自然が残っています。見島は山口県の最北端に位置しており、島内でも最北端となる場所は北灯台である「長尾ノ鼻」です。島の玄関口となる本村港を要する「本村(ほんむら)」と、宇津港を要する「宇津(うつ)」の2つの集落から形成されており、2つの集落間は陸路だけでなく、航路での移動も可能。移動時間は約15分となります。朝鮮半島との距離が近いことから、古くは大陸との貿易の中継地点として栄え、防人が置かれた島でもあり、島内には独特の伝統文化が残っているほか、「ジーコンボ古墳群」などの貴重な資料が今でも保管されています。対馬暖流の影響により山口県内では最も暖かい地域の1つでもあり、日本海では豊富な魚介類が獲れるほか、特産品でもあるきゅうりや玉ねぎの栽培が盛んに行われています。さらに「見島牛(みしまうし)」は和牛の原型をなすことから天然記念物に指定され、島内で保存活動が行われています。本土での生産ではありますが、見島牛と乳牛であるホルスタインをかけ合わせた品種「見蘭牛(けんらんぎゅう)」はブランド牛として有名です。また見島では長男が誕生すると、その年の年末に「鬼揚子(おにようず)」と呼ばれる大凧を作る風習があり、この鬼揚子は島の工芸品としても販売されています。島内での観光は徒歩のほか、見島観光協会にてレンタサイクルがご利用いただけます。宿泊施設は旅館が5軒、民宿が2軒あり、いずれも事前予約が必要です。

日本海の火山噴火で誕生した溶岩島
観音崎では島の成り立ちを見られる

国境沿いに浮かぶ見島は、約1200万年前に日本海の底にあった割れ目からマグマが噴き出す「割れ目噴火」によって誕生した島です。そのため島は玄武岩でできており、周囲の海底にも玄武岩でできた「八里ヶ瀬(はちりがせ)」と呼ばれる広大な溶岩台地が広がっています。約1200万年前の荒々しい火山の記憶が残るのは、島内にある断崖絶壁の「観音崎」です。ここでは火山噴火によってできた見島の断面を見ることが可能。1つのマグマ溜まりが噴火をはじめてから空っぽになるまでの様子を観察できるスポットとなっています。また見島の古い歴史を今に伝える場所として、国の指定史跡「見島ジーコンボ古墳群」も有名です。島の南東部にある横浦海岸沿いに位置するこの古墳群は、長さ約300m、幅50~100mの範囲に積石塚でできた約200基の古墳が残されています。この古墳群が築造されたのは、7世紀後半から10世紀初めごろにかけてだといわれており、ここからは鉄刀や鏃のほか、勾玉、帯金具などの装身具、副葬品が出土。高度な文化を持った指揮官クラスの人物の墓ではないかと考えられており、考古学上においても大変重要な遺跡となっています。なおジーコンボという名前は、台湾語で共同墓地を意味する「地公墓(ジコウボ)」が由来という説や、じいさんのことを「ジーコー」という名残りから由来しているのではないかという説があります。

宇津観音寺観音堂からの眺めは絶景
春と秋はバードウォッチングも人気

見島では1年を通し、島内の各所で釣りを楽しむことができます。遊漁船もチャーター可能となっているため、クロマグロやブリ、ヒラソ、イサキ、タイなどが釣れる沖釣りも楽しめます。山口県の最北端の地となる北灯台「長尾ノ鼻」は、水平線から昇る太陽と、水平線へ沈む夕陽が1か所で眺められる、全国でも非常に珍しいスポットです。萩市指定史跡である「宇津観音寺観音堂」は断崖絶壁に建てられており、「冥土への入り口」と呼ばれる観音堂と日本海の眺めは絶景。この観音堂では正観音が祭られており、全国で3か所しかない内の1つとなっています。8月10日は「千日参りの日」と呼ばれており、この日にお参りすると千日分の御利益があるといわれているため、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。また見島は春や秋になると多数の渡り鳥が訪れる中継点にもなっているため、バードウォッチングのスポットとしても有名です。夏は島の北東部に位置する宇津地区にある「砂見田(さみだ)海水浴場」が人気。エメラルドブルーに透き通る海はとても美しく、島の付近では色鮮やかな熱帯魚やサンゴ類なども見ることができます。ダイビングスポットとしても人気で、体験ダイビングも可能となっています。

島びらきまつりで見島の味覚を堪能
海の祭典や凧揚げ大会なども大盛況

見島では5月ごろに「島びらきまつり」が開催され、見島の観光シーズンの幕開けとされています。島びらきまつりでは、活魚やあわび、見島きゅうりなど見島の特産品販売や見蘭牛焼肉、貝汁、サザエのつぼ焼きなどの見島味自慢コーナーがあるほか、餅まきや大凧揚げなども行われ、多くの人でにぎわいます。7月には宇津砂見田海水浴場にて「海の祭典」というレクリエーション大会を開催。サマーキャンプと併せて、ビーチバレや野外コンサートなどの催しが行われます。見島では子どもの成長を祈る風習として、鬼の顔をデザインした大凧「鬼揚子」を揚げることが有名ですが、10月には「全国凧揚げ大会in見島」が開催され、全国から見島へ愛好家が集まります。ほかにも「バードウォッチングin見島」という大会など見島を体験できるプログラムが用意されているので、興味のあるイベントに参加してみてはいかがでしょうか。見島では絶景や歴史、おいしい食べ物など小さな島ながらさまざまなことを楽しむことが可能。ここでしか見られない景色、できない体験もあるため、萩市へ訪れた際は少し足を伸ばして、見島観光も楽しんでみてください。

情報提供 / 萩市地域づくり推進課

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