渡し船で島と島とを結ぶ
小豆島の隣島

SHIMA INFORMATION

四国エリア/ 香川県

沖之島 おきのしま

面積
約0.18㎢
人口
約60人
観光スポット
瀬戸の風景、花畑、小江の瀬戸
特産
ゲタの干物など
アクセス
小豆島土庄港バス停から約20分、小江バス停で下車。徒歩で沖之島町営渡船乗り場へ。沖之島町営渡船乗り場から定期便で約3分
URL

沖之島 okinoshima

島民の生活を支える唯一の交通手段
約100m先の小豆島とをつなぐ渡し船 

沖之島は香川県にある小豆島の北西端の沖合に位置し、四海(しかい)地区の小江(おえ)の0.1km西沖にあります。小豆島までは約100mという近距離がまるで親子のように鎮座する有人離島です。北側には千振島、西側には葛島の無人島があります。小豆島と沖之島のわずかな間には「小江の瀬戸」や「乾(いぬい)の瀬戸」と呼ばれる流れの速い海峡を、1日に何度も島と島を結ぶ「渡し船」が行き来しています。(1時間に2往復)小豆島の小江地区にある四海漁港から乗って約3分で沖之島へ行くことができ、桟橋で待っている人がいれば時刻表関係なく運行する場合もあります。島内には学校や病院、商業施設などはなく、必要なものは渡し船で小豆島へ渡って調達します。そのため、小豆島には自家用車を置いている人も多く、通勤や通学に利用している人もいます。唯一の交通手段である渡し船は、沖之島に住む島民の生活を支えているとともになくてはならない存在となっています。沖之島と小豆島小江地区を結ぶ架橋計画がありますが、「便利になってほしい」という声や「島の平和を守りたい」という賛否両論の声があり今に至ります。人口は約60人程度で、ほとんどが高齢者であるこの島の集落は2つ。渡し船がある港のあたりに1つと、もう1つはそこから徒歩10分ほどのところにあります。瀬戸内海特有の瀬戸内気候は、平均16度前後の穏やかな気候に恵まれ、瀬戸の夕暮れ時には圧巻の夕日を眺めることができます。

江戸時代から栄える漁業にそびえ立つ
漁業に従事する島民の安全を祈願した魚籃観音

島民の約7割程度が漁師というほど、沖之島は漁業が盛んな島です。1人1隻以上持っているというのも盛んな証拠。江戸時代に漁業者が島に移り住んでから、漁業が栄えています。島の漁師の平均年齢は60歳くらいですが、後継者が少ないという悩みを抱えつつも日々漁業に従事しています。底引き網漁が主流で、高級食材のゲタ(舌平目)からさわら、マナガツオなど鮮度抜群でおいしい魚が獲れ、1年を通して漁ができる環境です。特に、特産品はゲタ干しで、棒に刺して真冬の冷たい潮風と太陽を浴びて家や港で天日干しにされたゲタは、沖之島ならではの冬の風物詩。シンプルに炙って食べるだけでも素材の旨みとしっかりした味わいを堪能できます。ほかには乾燥させたヒトデが港にずらりと並んでいる光景も見物。見られるのはヒトデの収穫次第ですが、乾燥させたヒトデは畑の肥料として使われます。郷土料理には「イギス」という海藻を練ってできた「イギス」は、古くから伝わり、今でも一部の漁村で継承されています。そんな漁業が盛んな島の海を見守っているのが「魚籃観音」。沖之島の漁業に従事する人たちの安全を祈願して建てられたといわれています。大きな魚の上に立つ観音様の出で立ちはなかなか見られない建造物です。午後1時前になると小江の漁船が漁場に向かって一斉に出向する勇壮な様子を見ることができます。獲れた魚は岡山や高松の市場に卸し、遅くなると深夜の2時ごろに島へ帰ってくることもあります。

春は花畑を散歩、冬は瀬戸の夕暮れ
四季折々の風景を楽しむ

約30世帯近くある家屋以外は山々や木々が多く、自然豊かな島では丘や小道に咲く花を鑑賞しながら散歩したり、冬は多島美の瀬戸の夕暮れを味わうことができます。歩いていると目立つ花の多さは、島に人が少なくなってきていることから、島を活気づけようと島全体で花を植えることを推奨しているようです。特に、春は菜の花畑が広がり、桜が咲き誇ります。丘へ登る緩やかな傾斜は軽い散歩にはぴったりで、散歩途中にある小高い丘の上から望む海と花畑のコントラストは絶景です。また、漁港をバックに眺める瀬戸の夕暮れ時も沖之島の景観の1つ。釣りのポイントも多いので、釣りをしながら夕景を眺めるのも観光になります。小豆島で観光した後に「自然を見て癒されたい」という方や釣りが趣味の人におすすめです。夏には、対岸にある小豆島の小江と合同で若宮神社にて夏祭りが執り行われます。メインは小江地区でありながらも盛り上がる行事の1つ。さらに、島でのさまざまな催しものは若宮神社近くの高台にあるとてもきれいな「沖之島憩いの場」の建物で行われ、まさに集う人たちの憩いの場になっています。

ロケ地や名曲、ご当地バーガーも
土地の風土を存分に活かす試み

沖之島の活躍は漁業や自然の豊かさだけではありません。昔のヒットソング「瀬戸の花嫁」では沖之島が舞台となり、花嫁が渡し船に乗って嫁いでいくこともあったそうです。また、テレビドラマ「海の上の診療所」ロケ地として撮影されたり、2019年には瀬戸内国際芸術際では作品展示が行われ、多くの人が島に訪れるなど芸術面でも名を馳せています。さらにはご当地バーガー「沖之島バーガー」が観光客の人気を集めています。地元で獲れた島鱧を使用した、その名も「ハモカツバーガー」です。ハモのすり身にエビ、玉ねぎを混ぜて揚げたハモカツをキャベツとともにバンズで挟んでシンプルに仕上げたバーガー。瀬戸内芸術祭に合わせて渡し船の乗り場付近で「おきしまや!」と命名したお店をオープンして販売し、「地元の新鮮な食材を使った自信作を作品を見ながら、島を満喫してほしい」と島を盛り上げるべくPR。人口減少傾向にあるとはいえ、離島でもまだまだ受け継いでいくものがある力強さを感じます。

情報提供 / 小豆島観光協会
画像提供 / 小豆島観光協会

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