東北のハワイと名付けられた
透き通る海の島
SHIMA INFORMATION
北海道・東北エリア/ 宮城県
網地島 あじしま
- 面積
- 約6.49㎢
- 人口
- 約305人
- 観光スポット
- 網地白浜海水浴場、渡波滅生崎、島の楽校
- 特産
- 銀鮭、アワビ、ウニなど
- アクセス
- 仙台駅からJR仙石東北ラインで約60分、石巻駅で下車。石巻中央発着所から定期便で約60分
網地島 ajishima
コバルトブルーの海は南国さながら
世界三大漁場に恵まれた漁業の島
網地島は、宮城県石巻市牡鹿半島の最も西端にある島です。近くには「猫が多い」事で有名な田代島や金華山があります。東北地方の太平洋側は紺碧の海が馴染みですが、網地島の海は鮮やかなコバルトブルーが広がり、解放感溢れる明るさが特徴。沖縄の海を思わせる透明度から、「東北のハワイ」とも呼ばれ、一目見ようと遠方からも観光客が訪れます。砂浜から沖に伸びる青のグラデーションは、そのまま空につながりそうな美しさ。一度見れば一生忘れることができない絶景が、訪れる人を魅了します。世界三大漁場の1つ・金華山沖に恵まれ、島民は海の恵みを得て命をつないできました。豊かな海は、質の良いアワビやウニなどを育みます。島には2つの集落があり、北にある網地地区では、大型船を構える遠洋漁業が盛ん。南の長渡地区では、沿岸でのカツオ漁を中心に漁業を発展させました。金華山沖の黒潮が網地島にも影響を与え、東北地方ながら雪がほとんど降らない、温かい気候に恵まれています。そのため、島を歩くとアオキ、トベラ、タブノキという南国系の植物に出会えます。2011年の東日本大震災では、震源地から最も近い島となり、震度6弱の揺れと津波が襲いました。沿岸部にあった住民の家は全壊・半壊し、島の漁業を支える水産業施設も大きな打撃を受けました。島に残った人々は、島の復興を目指しながら自然と共存し、今日も青い海とともに生きています。
親潮と黒潮の重なりが生む海の恩恵
街を巡ると出会う島の歴史の記憶
網地島は長い年月を海とともに過ごしました。漁場となる金華山沖は、親潮と黒潮がぶつかる良質な漁場。島に住む人々は、この海で捕れる種類豊富な魚を生活の糧とし、自然への感謝を捧げてきました。三陸特有のリアス式海岸からは、山水が海に流れ込み、海水と混じり合ってプランクトンを育てます。このプランクトンが、東北の珍味であるホヤをはじめ、牡蠣やホタテの栄養になります。人の力が及ばない自然が、これだけの好条件を島に揃えたことは、類のない稀な奇跡です。山の幸も豊富で、春には山菜が緑の中に顔を出し、秋にはさまざまなキノコを楽しめます。山と海、どちらの幸も堪能できるところも、網地島が持つ代えがたい宝と言えるでしょう。のどかな空気に満たされた温かい島ですが、歴史を感じさせる場所に触れることもあります。1739年のこと、ロシア探索隊が網地島近くを訪れ、測定のために滞在したことがありました。網地島の人々は探索隊を快く受け入れ、歴史上初の日露交易を実施。その偉業を記念して、島には探索隊を送ったベーリングの像が建立されました。縄文時代の土器や須恵器が出土するなど、島が辿った歴史に出会える島です。その体験が、島が歩んだ歴史の長さを教えてくれます。
透明度抜群の網地白浜海水浴場は大人気
趣向を凝らした民宿と旅館がまた魅力
夏の訪れとともに、船に乗って大勢の観光客が網地島にやってきます。人々がまずめざすのは、島の西にある「網地白浜海水浴場」。東北地方有数の透明度を誇り、波の上から淡い砂浜の色が透けて見える海です。浅く波が穏やかなため、親子連れも安心して楽しめる人気のスポット。どの世代が訪れても海の美しさに感動し、海の楽しさを発見できる海水浴場です。海水浴シーズンになると、海浜センターの更衣室やシャワーが無料で使用可能に。浜辺にはパラソルのレンタルや軽食の屋台が立ち並び、夏のにぎわいを盛り上げます。網地島の最南端には、金華山を望める渡波滅生崎(ドワメキ崎)が。長い時間の中で、波が少しずつ削った岩の造形美と、青い海のコントラストが視界一面に飛び込んできます。いつまでも脳裏に浮かんでは美しさを思い返す、そんな唯一無二の絶景が人を魅了します。網地島には大きなホテルはなく、民宿や旅館が観光客の宿泊先に。オレンジ色の夕日を望めるコテージや、すべての部屋から青い海が見える旅館など、工夫を凝らした宿泊施設がお出迎え。アワビやウニをはじめ、おいしい海の幸も豊富に堪能できます。「どこに泊まろうか?」と考える時間もまた、網地島とともに過ごす豊かな時間となるでしょう。
「島の楽校」でお年寄りと県外の子どもが交流
復興と島の魅力発信のための新たな挑戦へ
網地島では、自然の中で強い心と体を育むことを目的に、「あじ島冒険楽校」という夏祭りを開催しています。「あじ島冒険楽校」では、島のお年寄りが先生となり、外からやってきた子どもたちと自然遊びを楽しみます。掲げるコンセプトは、「昔の夏休み」。子どもたちは、島に伝わる「アナゴ抜き」という魚釣りや、昔遊びおもちゃの制作、肝試しなどを通して、お年寄りと活発に交流します。シーカヤックや花火鑑賞など、子どもたちが喜ぶイベントが企画されるため、かなりの人気を集めているお祭りです。島に住むお年寄りは、自然の中で遊びを見つける天才。交流から自然の楽しさ、厳しさを学んだ子どもたちは、夏が終わるころにひとつ、たくましさを身に着けます。「あじ島冒険楽校」は、廃校の中学校校舎を改装して造られた、「島の楽校」が舞台。開校期間には、子どもたちの眩しい笑顔が弾けます。超高齢化社会が課題となる網地島と石巻市は、若者を呼び込む取り組みをはじめています。震災からの復興を掲げ、大きなアートイベントも開かれるようになりました。イベント時には、レンタサイクルで町を巡る若者が行きかい、島にも活気が漲ります。豊かな自然で人を育み、命を支えてきた網地島は、新たな挑戦を経て島の魅力を伝えようとしています。
情報提供 / 石巻観光協会
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