OTHER 2023.03.01

まるで島人!?
暮らすように
過ごせる島3選

日本には大小たくさんの島々があり、リゾートやダイビング、自然と触れ合うトレッキングなど島それぞれ人気のアクティビティがあります。今回はそんなアクティビティから少し距離を置き、「観光をする」という旅の常識から離れたいと思います。ゆったりとした島時間を堪能しながら、まるで島に暮らしているかのように過ごせる島3選をご紹介します。

周防千明
(民宿女将)
西日本中心の小売業で8度の転勤、管理職を経験し15年ほど勤めたのち、結婚を機に山口県下関の離島「蓋井島」へ移住。20代の頃に行った屋久島を皮切りに島旅に目覚め、大小40以上の島をめぐっている。旅で宿業に興味をもち、沖縄にてゲストハウスヘルパーを経験。現在は小さな島で小さな民宿を営んでいる。
人の温もりを感じる小値賀島
自給自足とおすそ分け文化

長崎県の北松浦郡に属する五島列島の小値賀島。長崎県佐世保港から西に約60㎞、フェリーで約3時間の船旅で到着します。小値賀島は、新鮮で豊かな海の幸、島の特徴でもある肥沃な赤土と潮風によって育てられた畑の作物などの自然に恵まれ、いわゆる「自給自足」中心の生活も夢ではない島なんです。この「自給自足」ですが、自分たちの生活のためだけに行っているわけではありません。魚が大漁に獲れた漁師さんは島の人たちにおすそ分けし、野菜が豊作だったご家庭は野菜をおすそ分けする。そうした「おすそ分け」ができる信頼関係や人を思いやる気持ちが何よりもこの島の魅力なんです。
また、小値賀島には一般家庭にホームステイする民泊制度があるので、島民の優しさを肌で感じることができます。お父さんに釣りを教えてもらったり、お母さんに魚のさばき方を教えてもらったり、、、。島内を散歩していたら「〇〇さん家に民泊してる子やろ?」と話しかけられることもあります!気づいたらまるで島で暮らしているかのような気持ちになる小値賀島。近年、移住者が増加しているのも納得です。

アクセスが良好で
日帰りも可能な家島

兵庫県姫路市に属し、姫路港から定期船で約30分。1日16便とアクセスも良好な家島。都市からも比較的近いため、日帰りも可能で島旅初心者でも気軽に楽しめます。信号機や大きな道路がなく、細い路地が多いのが特徴。なので家島を楽しむにはレンタサイクルがおすすめ。港付近で自転車を借りることができ、帰りの船の時間まで十分に楽しめるでしょう。自転車で細い路地を進むと、家島での暮らしにより近い目線で過ごすことができます。家島の風景、空気感を肌で感じ、自然と家島の暮らしに溶け込むことができると思います。島の人に挨拶をすれば、そのままおしゃべりして盛り上がってしまうなんてことも。
集落を離れ、海岸沿いを進むと、島の北東部にはパワースポット「家島神社」があります。周囲は原生林に囲まれて神秘的な空気。パワーが充電されていると実感できるはず。港前には島で唯一のカフェもあり、老若男女が訪れます。立ち寄って島の人と交流を深めるなんてことも。気さくな方が多く、日帰り旅でも島人になれる家島。ぜひ訪れてみてください。

絶景と歴史が詰まった甑島は
まるでタイムスリップの旅

鹿児島県薩摩川内市に属し、本土から西方約26㎞の東シナ海上に位置する甑島。フェリーで約75分の距離にあり、上甑島・中甑島・下甑島の3島から形成されています。その魅力は何といっても雄大な自然。約8000万年前(白亜紀)から何層にも重なる地層の断崖、独特な巨岩は圧巻で、恐竜のいた時代にタイムスリップしたような気持ちになります。なんとこの断崖や巨岩が多い下甑島の瀬々野浦集落は「Drコトー診療所」のモデルとなった地域でもあります。上甑島には長目の浜という礫が堆積してできた幅50ⅿ、長さ4㎞ の砂州があり、自然が生んだ貴重な絶景を眺めることができます。
上甑島の里地区や下甑島の手打地区には、玉石垣の塀に囲まれた武家屋敷跡が多く、散歩していると往時の賑わいが聞こえるような感覚に。鳥のさえずり、潮騒、風の音を聞きながら散歩をする気持ちよさは格別です。また、散歩をしていると島のおばあちゃんに話しかけられたり、ご飯屋さんの女将が島について教えてくれたりと、島の人の優しさにも触れることができます。慌ただしく日常を流れる時間を忘れ、心と身体を自然にゆだねることができる島。自然や歴史に自らが溶け込み、暮らすように過ごすことのできる島が甑島なんです。

いかがでしたでしょうか?
離島で暮らすように過ごして心のデトックスをすれば、新たな自分を見つけることができるかもしれません。現地の自然や人と触れ合い、豊かな心を持つことができる離島の旅に、ぜひ行ってみてください。