自然石が美しい
石垣集落が残る島

SHIMA INFORMATION

四国エリア/ 香川県

高見島 たかみじま

面積
約2.33㎢
人口
約33人
観光スポット
龍王山、高見八幡、大聖寺
特産
いかなご、ふぐなど
アクセス
多度津駅からタクシーまたは徒歩で多度津港へ。多度津港から定期便で約25分
URL

高見島 takamijima

急傾斜に沿った美しい石垣集落の島
迫力満点で自然のアートを楽しむ

高見島は多度津町の西北7.4kmの沖合に位置し、浦と浜の2つの集落と板持集落跡で構成されている有人離島です。観光スポットである龍王山を中心に南北に伸びる円錐のような形が特徴。島の伝承では、平家の落人が住み着いたという謂れや備前児島から移住してきて漁をはじめたのがはじまりという謂れもあります。島の大半が山で覆われ、傾斜を利用して形成される美しい石垣の家が立ち並びます。急斜面に自然石を積み上げてできた石垣の家々は、江戸時代に旧浦集落が大火事になったことがきっかけで石垣を築いて造成。独特の景観を眺めながら島歩きを楽しむことができます。特に、約30度ある急傾斜の上に形成された浦集落は、まるで石のアートを見ているかのよう。そのうちの1つには美しい勾配の石垣が魅力の中塚邸があり、瀬戸内国際芸術祭の際にはレストラン「海のテラス」の会場にもなりました。なんといっても見どころは隙間なく積み上げられた石垣。造られたのは1932年と比較的新しさを感じますが、迫力満点で圧倒される石垣は島自慢の観光スポットです。島内には商店や自動販売機はなく、宿泊施設は「民宿森田屋」が一軒あるのみ。宿泊・食事ともに2日前までの事前予約が必要です。希望すれば島の伝統食である「茶粥」を食べることも可能。お茶の配合や具材は各家庭で違い、「民宿森田屋」では高見島産のハブ茶を使用し、サツマイモが入った温もりのある茶粥を堪能できます。特産品は、島の近海で取れるいかなごやふぐ。茶粥には、いかなごの釘煮を添えるのも相性抜群です。(現在、民宿森田屋は新型コロナウイルス感染症の影響で休業中です。ご利用を希望の方はあらかじめ営業状況をご確認ください。)

島にそびえる龍王山山頂の天然記念物
「龍王宮社叢」が県指定文化財に認定

島の中心には標高297mの大きな龍王山があり、島民をやさしく見守るようにそびえ立っています。対岸の多度津町から一番高く見えるということから「高見島」と名付けられたといわれています。山頂からは瀬戸内海を一望でき、頂上付近にある龍王宮は雨乞いをしたり、6月中旬ごろには島の大漁祈願のまつりが行われたりします。さらに、東西約70m、南北約60mの範囲からなる天然記念物の「龍王宮社叢」は県指定の文化財に認定。龍王宮を囲む社叢で、自然の雄大さを体いっぱい感じることができます。山頂では弥生土器が発見されており、弥生時代に集落があった模様。弥生中期の高所遺跡も残っています。島外からの登山客も多く「しま山100選」にも選ばれた龍王山。5号目と9号目には展望所がありますが、ほかにも3号目の休憩所から見えるのは牛島、本島、広島。7号目の休憩所からは手島、小手島が仲良く並んでいるのを眺めることができ、さまざまな方角から海に浮かぶ島々の景色を望むことができるのは、高見島だからこそ。浦集落から頂上までは約1時間の登山道を歩きます。道標が各所に設置されているので、休憩したり、展望スポットで景色を眺めたりしながらのハイキングを楽しむことができます。

島一番のビュースポット「大聖寺」
力士像や瀬戸内海の景色が魅力的

港から歩いて10分ほど急な坂を登っていく浦集落。あの有名な「男はつらいよ」の映画のロケ地として使われた島一番のビュースポットといわれる大聖寺があり、お寺の石段や境内から瀬戸内海の景色を見渡せます。瀬戸大橋や丸亀城、天気がいい時は岡山県まで見えます。鐘楼門にある柱にちょこんと乗った力士像は、小さいながらも必死の形相で屋根を支えている風貌が見どころの1つです。港のそばにある浜集落では昔ながらの穏やかな漁村風景が広がり、高見島の氏神様といわれる大きな鳥居が目印の「高見八幡」があるなど、風情ある町並みを楽しむことができます。海岸線を20分ほど歩くとひそかに佇んでいるのが西浦大師堂。祀ってある岩に弘法大師の姿が写るといわれています。海岸線を歩きながら、志々島や粟島、瀬戸内の島々が見渡せるビュースポットでもあります。島には、遺体を埋葬する「埋め墓」と霊魂を祭る「参り墓」、1人に2つのお墓を作る「両墓制」という風習があり、浦集落も浜集落もそれぞれに残っています。ちなみに浦集落の埋め墓は真っ白な砂浜に、浜集落の埋め墓は小石が積み上げられています。

心を和ませてくれる花の風景も
さざえ隊が手入れしたふるさと花壇

島内には、「さざえ隊」といわれるボランティア団体がいます。瀬戸内国際芸術祭2013を盛り上げるべく結成され、島内の花壇の美化や清掃活動、アート活動に力を入れています。「島を支えたい、ささえたい、さざえ隊」が団体名の由来。現在も継続して活動が続けられ、島内にある花壇の花はこのさざえ隊によって丁寧に手入れされています。ある花壇は「ふるさと花壇」と名付けられ、広い面積の花壇には四季折々の花々が咲き、心を和ませてくれます。龍王山へ向かうルートも、さざえ隊の登山道整備部隊が木を切ったり、草を刈ったりして歩きやすいように整備されています。また、昔は島内の傾斜面に沿って「除虫菊」という白い花が咲き、春の終わりに島が雪に覆われたように見えることもありました。花壇の整備とともに島の古き良き時代の除虫菊の栽培にも取り組んでいるさざえ隊は、島を守る大切な存在です。古くから伝わる島の風景や偉大な山、景観を楽しむことができるスポットが点在している島です。

情報提供 / 多度津町観光協会

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