アートと自然がコラボした
伝統にあふれた島

SHIMA INFORMATION

四国エリア/ 香川県

伊吹島 いぶきじま

面積
約1.01㎢
人口
約437人
観光スポット
波切不動尊、大きなイス、伊吹八幡神社、合戸の穴
特産
伊吹イリコ、干しイカ、干しエビ、小アジの珍味
アクセス
高松駅からJR予讃線特急で約1時間15分、観音寺駅で下車。のりあいバスまたはタクシーで観音寺港へ。観音寺港から定期便で約25分
URL

伊吹島 ibukijima

イリコ独特の香りが町を包む
全国有数のイリコの産地で海の幸を味わう

伊吹島は香川県と愛媛県の県境に近く、燧灘の東部、観音寺港から西方約10㎞の海上にある有人離島です。地形は、安山岩、花崗岩並び集塊岩からなる台状の島で、よく見ると変形したハートのような形をしています。島の周囲は急傾斜の崖が海沿いにそびえたち、住宅は島の南から北にかけての鞍部に集中しています。島名は、神恵院の住職であった弘法大師が、島の近くの海に漂っていた光を放つ不思議な木「異木(いぼく)」を引き上げ、多くの仏像を刻まれたことから「異木島(いぼくじま)」と名付けられたのが由来といわれています。また、一説では島の西浦の沖合いに海底から泡が吹き出しているところがあり、大地が息を吹いている「息吹(いきぶき)」から「伊吹島」と呼ぶようになったともいわれています。気候は瀬戸内式気候であり、年平均気温は約17℃と温暖で、年間雨量は約1,000㎜と少なく過ごしやすいのが特長です。伊吹島は、周囲を好漁場に囲まれた全国有数のイリコの産地で、伊吹島の玄関口である真浦港の東側には、イリバと呼ばれるイリコの加工場が立ち並んでいます。イリコの原料となるカタクチイワシの最盛期は6〜9月。その時期は島が活気にあふれています。特産品は、讃岐うどんのだしとして欠かせない伊吹イリコやイリコ漁で獲れる干しイカ、干しエビ、小アジの珍味などがあり、島ならではの海の幸が味わえます。島内には、飲食店はなく、民宿と旅館の2つの施設のみ。数に限りがあるので予約は必須です。

年間の伝統行事で活気あふれる島
歴史ある寺社めぐりと季節のまつり

伊吹の桜の名所である「波切不動尊」。島の北側にある断崖に祀ってある不動尊で、島の人たちからは「お不動さん」の愛称で親しまれています。春には不動尊の道中に桜のアーチができるほど桜が咲き誇ります。桜まつりがある時期は島の人たちや観光客でにぎわいを見せます。島民の氏神様といわれている八幡神社では、初夏に絵馬堂にてお神楽、秋には3台の太鼓台が奉納されます。神事の時に舞う神楽とは別に、神事が終了してからの「モドシカグラ」という讃岐では他にない風習が残っています。2月には、厄年の人と中学生が中心となって、弓矢を用いた神事「百手まつり」が行われます。さらに、4〜5月には泉蔵院から西ノ堂まで歩いて四国霊場88か所を見立てた石仏を巡礼する「島四国」、7月には漁の神様である恵比須さまを漁船に乗せて伊吹島・股島・円上島を周遊する「港まつり(明神祭)」が開催されます。秋には、神輿を船に乗せて島をまわる船渡御(ふなとぎょ)や3台の「ちょうさ」が奉納される「伊吹八幡神社秋季大祭」など、季節を通して豊かな自然の中で行われるまつりは島を盛り上げ、島の人たちを元気にします。散歩をしながらゆっくり寺社めぐりをするのは伊吹島のおすすめ観光プランです。

島と自然とアートとコラボを楽しむ
点在する仕掛けに心もほっこり

島内のいたるところにはアートを楽しめるスポットがあり、自然とリンクした景観を楽しむこともできます。瀬戸内国際芸術祭作品の「伊吹の樹」や「トイレの家」「イリコ庵」「ハートのベンチ」「大きな椅子」などのアート作品が見どころ。伊吹島では出産前後の女性だけで集団生活し、家事から解放され養生する風習があり、その場所を「出部屋」と呼んでいました。生命の誕生の場である出部屋の跡地にあるアート作品が「伊吹の樹」といいます。そして、まるで見た目は家のような「トイレの家」では、中に入ると迷路のようになっており、隙間から光が差し込むことでアーティスティックな仕上がりになっています。ハートの形をした伊吹島にちなんだ「ハートのベンチ」は、別名「恋人たちのベンチ」といわれ、このベンチから眺める夕日は絶景です。島の有志によって港に作られた「大きな椅子」は全高約3.5メートル。座ることはできませんが、並んで写真を撮ると小人になったかのようなショットが撮れます。さらに、特産品であるイリコにちなんだ「イリコ庵」は、イリコの加工で使用するせいろや島ならではのひさし、瓦屋根がなごみのある雰囲気を醸し出したデザインで、中で休憩することもできます。平安時代のアクセントを残す貴重な島であることから、国語学者の金田一春彦先生が伊吹島に訪れた際に詠んだ歌が刻まれた「金田一春彦先生の歌碑」も見どころ。

意味が込められた石のモニュメント
自然がおりなすアート作品も美しい

島内には、人の手で作られたアートも見どころ満載ですが、自然がおりなす壮大なアートも島の見どころです。海水の侵食によって作られた岩がぽっかり空いた穴のように見える「石門」は、長い年月をかけて作り上げられた自然のアートで、新さぬき百景にも認定されています。また、海賊が隠れ住んでいたという伝説がある「合戸の穴」。別名「強盗の穴」ともいわれる岩と海の中に見える暗い穴は今にも吸い込まれそうな風貌です。この「合戸の穴」がある港から北に上がっていくと、大天狗が羽を休めにくるといわれる「天狗岩」や伊吹島の最も高い場所にある「鉄砲岩」があります。付近には、島の唯一の民宿である「民宿 いぶき」があり、1人1泊2食付きで8,500円〜宿泊することが可能。ご主人が自ら獲った魚介類が夕食に出され、それを楽しみに訪れるお客さんも多数。何が食べられるかはその日のお楽しみですが、新鮮な魚をその場でいただける幸せは島だからこそ。もう一方の島唯一の旅館「春日旅館」は、同じく1人1泊2食付きで8,500円〜で家庭的な空間が訪れる人を故郷に帰ったような落ち着いた気分にしてくれる宿泊施設です。こちらの食事は、地元で獲れた海の幸を豪快に焼く「海賊焼き」が名物です。瀬戸の風景を見ながら、アートや四季折々の伝統行事、海の幸など目で見て、肌で感じて、舌で味わう最高の感覚を堪能できる島です。

情報提供 / 観音寺市観光協会

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