キリシタンの祈りの跡を残す島

SHIMA INFORMATION

九州・沖縄エリア/ 長崎県

野崎島 のざきじま

面積
約7.36km²
人口
1人
観光スポット
旧野首教会、野崎島自然学塾村、野首海岸、沖ノ神嶋神社、王位石、野崎集落跡、野首集落跡、舟森集落跡、沖ノ神嶋神社神官屋敷
特産
アクセス
①博多港からフェリー(野母商船)で約4時間55分、小値賀港で下船。徒歩で笛吹港へ。笛吹港から小値賀町営船はまゆうで約35分
②佐世保港からフェリー(九州商船)で約3時間、高速船(九州商船)で約1時間半、小値賀島港で下船。徒歩で笛吹港へ。笛吹港から小値賀町営船はまゆうで約35分
URL
https://ojikajima.jp/nozaki

野崎島 nozakijima

広大な荒野や廃屋が残され
集落の光が消えた島

南北約6.5km、東西約2km、面積7.36km²で、小値賀島東端から約2kmの位置にある野崎島。町営船「はまゆう」に揺られて約30分で行くことができます。南北に細長く中央部(野首)がくびれたような形になっており、東側の一部は火山の噴火でできた平らな地形が広がります。島を歩いていると至るところで目にするのが、急斜面につくられた石積みの段々畑の跡。島を切り開き生活の場としていた人々の知恵と努力を伺い知ることができます。かつては野崎・野首・舟森の三集落があり、1955年ごろには650人前後の島民が生活していました。戦後の高度経済成長期より、自給自足で暮らしていた島にも電気が通り、お金がないと生活できない社会に。そのころ200人ほどだった野崎島では、現金収入を得るため多くの人々が出稼ぎにいき、島を離れました。高齢者も島を出た子どもの元などへ移り住むようになり2001年、当時最後の住民であり島を守り続けてきた沖ノ神嶋神社宮司が島を離れ、人々の姿が消えました。現在は宿泊施設の管理関係者以外、ほぼ無人状態の島ですが、人々の祈りが刻み込まれた神社や家屋の跡などの世界文化遺産が残されています。また、沖ノ神嶋神社周辺に広がる原生林や国指定天然記念物カラスバトなどの鳥類、 希少種蝶類、そのほか数多くの動植生物種も存在。 島内全域には、野生のニホンジカ400頭以上が生息し、自然の中で生きる姿を観察することができます。

かつての信仰に思いを馳せて
島民の暮らしを辿る

野崎島には、野首・舟森集落の人々が信仰した「キリスト教」と、野崎集落の人々が信仰した「神道」の2つの信仰が存在していました。そんな"祈りの島"では、歴史の名所めぐりは欠かせません。まず足を運びたいのが「旧野首教会」。1908年、島の中心部に位置する野首集落跡の高台に、潜伏キリシタンであった住民たちの思いよって建てられたといわれています。教会建築の名工、鉄川与助が、教会建築が木からレンガに変わる時期に創設。この教会が建てられた背景には、過酷な環境で生き抜いてきた17世帯の隠れキリシタンたちの歴史があります。島の北部の山中には、海に向かって「沖ノ神嶋神社(※)」があり、704年に小値賀島にある地ノ神嶋神社と向かい合う形で創建されたといわれています。最後の住人として島に残っていたのがここの神官。沖ノ神嶋神社社殿の奥には、古来より「王位石(オエイシ)(※)」と呼ばれている24mにもなる鳥居型の巨石がそびえたち、聖なる場所として野崎島をはじめ小値賀本島からも崇められています。※コースは滑落の恐れもある険しい山道で、野生のイノシシに遭遇する恐れもあります。立て看板もなく遭難の恐れもあり大変危険ですので、現地スタッフによるガイドツアーをご利用ください。

歴史めぐりや海水浴など
自分らしい島旅を選択できる

自然の壮大さや歴史を目で見て、肌で感じることができる野崎島は、「本当の豊かさ」を考える場所として多くの人々が訪れます。廃校となった小値賀小中学校野崎分校は、簡易宿泊施設・休憩施設「野崎島自然学塾村」として管理されています。年間を通して多くの旅行者、子どもキャンプ、修学旅行生などを受け入れ、野外学習や自然学習に利用されています。また、2018年7月に世界文化遺産に登録され、潜伏キリシタンの面影を今尚残すのが「野崎島の野首・舟森集落跡」。「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」は12資産で構成され、「野崎島の集落跡」もその中に含まれています。もっとアクティブに観光した方におすすめなのが、「旧野首教会」から徒歩で3分ほどのところにある「野首海岸」。約300 mにわたって続く広大な白い砂浜とコバルトブルーの海は、思わず息を呑む美しさです。晴れた日には、日の出を見ることができる絶好の朝日スポットでもあります。プライベートビーチのような海を楽しんだ後は、徒歩1分の「野崎島自然学塾村」でシャワーを利用することが可能。野崎港前の「野崎島ビジターセンター」では、島の歴史・文化に関する展示や島での注意事項を呼びかけているので、島旅前に立ち寄るようにしましょう。

島に住む町民と巡るツアーや
子ども向けの宝島キャンプも開催

野崎島には島をより一層楽しむイベントも盛りだくさん。「野崎島ガイドツアー」では、専門ガイドやインストラクターが島の自然や名所を案内します。長崎県指定有形文化財に指定されている旧野首教会協会や野崎集落、野生の鹿が群れる赤茶けた大地、高台から眺める白砂の浜など、なかなか目にすることのない風景を楽しめます。子ども向けプロジェクトとしては毎年春・夏・冬に「宝島キャンプ」を野崎島自然学塾村にて開催。小学4年生〜中学3年生を対象として、10年以上にわたり行われているこのイベントでは、簡易宿泊施設に寝泊まりしながら、小さな島だからこそ残る手つかずの大自然と触れ合います。キャンプで出会った友達と、一緒に考え、助け合いながら野外活動にチャレンジしたり、自分たちで釣った魚を食料にしたり、火起こしに挑戦したり。自分たちでつくりだす喜びや自然の恵みを体感できるプログラムとなっています。小値賀・野崎島の両方を楽しむツアー「五島列島キリシタン物語」は、民ガイドと一緒に野崎島の野崎集落跡の周辺散策、旧野首教会、野首集落跡や、小値賀島の漁師町を散策します。ツアーに参加して、野崎島の魅力を余すことなく体感するのがおすすめです。

情報提供 / おぢかアイランドツーリズム
画像提供 / ©おぢかアイランドツーリズム

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