瀬戸大橋が通る塩飽諸島最北に
位置する歴史の島

SHIMA INFORMATION

四国エリア/ 香川県

櫃石島 ひついしじま

面積
約0.85㎢
人口
約148人
観光スポット
歩渡島、王子神社、団子岩、櫃岩
特産
タイラギ、ミルクイ貝、メバル
アクセス
①高松駅からJR瀬戸大橋線で約34分、児島駅で下車。児島駅前から路線バスで約20分
②高松駅からJR予讃線で約14分、坂出駅で下車。坂出駅前から路線バスで約45分
URL
https://www.pref.kagawa.lg.jp/chiiki/seto-island/detail/hitsuishijima.html

櫃石島 hitsuishijima

塩飽諸島の最北で岡山県に最も近く
瀬戸大橋を真下から望める場所も

櫃石島は瀬戸内海に浮かぶ塩飽諸島の最北に位置する有人離島です。本州と四国を結ぶ瀬戸大橋が通る島の中では最も岡山県に近い島となっていますが、香川県坂出市に属しています。瀬戸大橋が1988年に開通してから、本土へ陸続きで渡ることが可能になり、アクセスも便利になりました。ただし島内は住民しか自家用車で乗り入れることができないため、岡山県側、香川県側どちらからアクセスする際も路線バスを利用する必要があり、島内の移動は徒歩、または島内を走る琴参バスを利用することになります。島内には北と東に展望台があり、それぞれ異なる角度から瀬戸大橋を望むことが可能。最北端に位置する堤防の上では、瀬戸大橋を真下から見ることもできます。多くの船が行き交うのんびりした海景色と、対岸に浮かぶ岡山県の鷲羽山とともに、迫力のある大きな瀬戸大橋の景色を楽しめます。島の周りではタイラギやミルクイ貝、メバルなどの漁が盛んに行われており、釣り目的で訪れる観光客も多いです。1月中旬〜下旬の日曜日に王子神社で開催される神事「ももて祭」も有名で、県指定無形民俗文化財に指定されています。また櫃石島から歩いて渡れる小さな無人島「歩渡島(ぶとじま)」には七福神の石像が祭られており、古墳もあります。櫃石島内には公民館や簡易郵便局、海水浴場などがあるほか、宿泊施設は民宿があり、予約は必須です。自動販売機はあるものの売店がないため、おやつなどは持参したほうがいいでしょう。

「櫃岩」は島名の由来になった巨石
「キイキ石」は成長する不思議な石

櫃石島という名前の由来になったとされるのが、島の南部にある「櫃岩(ひついわ)」です。櫃岩は櫃を立てたような形の巨石で、瀬戸大橋の橋桁の真下にあります。源平合戦で八島の戦いに敗れた平家の武者が、落ちのびる途中でこの岩の下に宝物を隠したといわれています。また3人の姫や子どもたちを島にかくまったとされ、平家の残党狩りをする源氏から、島民が姫たちを守り通したという言い伝えもあります。なお櫃岩は急斜面にあり、近くに行くにはロープを伝って行く必要があるため、滑らないよう注意しましょう。ほかにも櫃石島にはさまざまな言い伝えが残っており、その1つが「キイキ石」です。キイキ石は「宝珠寺」の隣に位置する「王子神社」の境内にある巨石。伊勢神社から持ち帰った小石がキイキイと鳴きながらだんだん大きくなり、現在の大きさにまで成長したといわれています。なおその成長は今でも続いているといわれている不思議な石です。ちなみに「キイキ」というのはネズミの鳴き声。ネズミがいるということは島が豊かである証拠だとされ、このキイキ石が祭られたといわれています。櫃石島にはこのような言い伝えや歴史を物語るスポットが数多くあるため、それらのスポットを周ってみるのもおすすめです。

花見山から海と島々の絶景と
堂の浦から下津井瀬戸大橋を堪能

櫃石島では、1年を通して瀬戸大橋や瀬戸内海を望む絶景を楽しむことができます。特に島の北西部にある「花見山」からの眺めは絶景。山頂から海と瀬戸内海に浮かぶ島々を見渡すことができるほか、春には山ツツジが咲いてさらに美しい景観が楽しめます。山頂周辺には「団子岩」と呼ばれる岩が点在しており、こちらも見どころの1つ。これらの岩は大阪城修築の際に、越前藩が島から石を運び出したときの残石です。越前藩の所有物であるという目印として、岩にはくし団子の刻印が印されています。瀬戸大橋の絶景ポイントは多数ありますが、中でもおすすめなのが櫃石バス停そばにある「堂の浦」から見た「下津井瀬戸大橋」の景観。海や対岸の景色とともに、目の前にそびえる全長1447mの美しい吊り橋「下津井瀬戸大橋」を間近で見ることができるほか、橋の真下にも行くことができ、大迫力の絶景を楽しめます。櫃石バス停から徒歩10分ほどのところにある「札場と大井戸」も、坂出市の文化財に指定されており、見どころの1つです。札場は江戸時代に幕府の命令や塩飽の決まり事などを周知するものとして使われていました。すぐ横にある大井戸は、島民が水汲みや洗濯の際に井戸端会議の場として使用していた村井戸。1979年に上下水道が通水するまで使用されていたそうで、歴史を感じるスポットとなっています。

ももて祭は県指定無形民俗文化財
古風なゆったりとした踊りが特徴の盆踊りも

櫃石島で有名なのが、1月中旬~下旬の日曜日に「王子神社」の境内で開催される弓射神事「ももて祭」。600年の伝統があり、県指定無形民俗文化財にもなっているお祭りです。島の神々に1年の豊かさや厄除けなどを祈願し、裃に袴という姿をした男性たちが弓を射った後に集落を回って魔をはらいます。弓の的に使われるのは独特のデザインをした四角形の的で、お祭りの前日に作成。島にある葦竹(よしだけ)を編み、その上に白紙を貼って大小33個の黒丸を描いて完成です。矢はズンドウ矢を使用し、矢じりには島内で取った松の若木を削ったものを使います。的に当たった矢は、見物人が縁起物として持ち帰ることもあるといいます。また8月14日には、「櫃石島/与島の盆踊り」を開催。これは親族が新仏の位牌を背負って踊るという少し変わった盆踊りで、踊り振りは古風なゆったりとした動きが特徴です。現代のようなにぎやかな盆踊り大会というイメージではなく、精霊供養としての盆踊りの姿をうかがわせるものとなっており、国の選択無形民俗文化財に指定されています。10月中旬〜下旬には「秋祭り」が開催され、多くの島民でにぎわいます。それぞれのお祭りやイベント時期に合わせて島へ訪れるのもおすすめです。

情報提供 / 坂出市役所政策課

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